セ・リーグ球団別週間MVP 阪神・近本光司と巨人・岡本和真がワンツー
4月に入って調子を上げてきた阪神・近本光司
プロ野球は開幕から3カードが終了し、セ・リーグはDeNAが6勝3敗で首位に立っている。とはいえ、3勝5敗で最下位の広島まで2.5ゲームしか離れておらず混戦模様だ。
SPAIAでは3月29日から4月7日までのwRAAを集計。本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「週間MVP」として球団別に紹介する。
wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。
12球団で最も高いwRAA6.3を叩き出したのは阪神・近本光司。オープン戦終盤で欠場し、巨人との開幕3連戦でも12打数2安打と低調なスタートだったが、4月に入って23打数8安打と調子を上げてきた。
3日のDeNA戦で1号ソロを含む2安打1打点、6日のヤクルト戦でも2号ソロを放つなど9試合で35打数10安打の打率.286、2本塁打、6四球、2盗塁をマーク。不動のリードオフマンの復調は“アレンパ”を狙うチームにとっても心強い限りだ。
ヤクルト・オスナ、DeNA宮﨑敏郎も好調
近本に次ぐwRAA5.1をマークしたのが巨人・岡本和真。3月30日の阪神戦で1号2ランを放つと、4月4日の中日戦から4試合連続安打、しかもそのうち3試合はマルチ安打をマークし、計33打数12安打の打率.364でセ・リーグの打率ランキング2位につけている。本塁打こそまだ1本だが、好調の主砲が打線を牽引している。
ヤクルトのオスナもwRAA4.6と高い。3月30日の中日戦で3安打猛打賞、ほかにも3試合でマルチ安打を放ち、32打数11安打の打率.344、1本塁打、4打点。4番・村上宗隆がいまだノーアーチと調子が上がらないだけにオスナへの期待は大きい。
首位のDeNAは宮﨑敏郎がwRAA3.3でトップだった。プロ12年目の35歳は開幕から4試合連続安打をマークし、4月4日の阪神戦では3安打を放つなど29打数10安打の打率.345。開幕戦から2戦連発で衝撃デビューを果たした度会隆輝や11年目の関根大気も好調で、チーム打率.257は12球団トップだ。
広島・野間峻祥、中日・細川成也にも期待
最下位の広島は野間峻祥がチームトップのwRAA2.0。開幕戦はスタメン落ちしたものの、3月30日のDeNA戦以降は出場した5試合全てで安打を放ち、19打数7安打の打率.368。チームは12球団最少の17得点と貧打にあえいでおり、反攻に向けて野間のバットがカギを握りそうだ。
中日は5勝3敗1分けで2位スタートを切ったが、投手力によるところが大きく、チームトップの細川成也でもwRAA1.4と他球団に比べて低い。とはいえ、4月2日の巨人戦でサヨナラアーチを放ち、翌3日に2戦連発、5日の広島戦でも3号2ランを放つなど、7安打中3本は本塁打とパンチ力は健在だ。投手陣を援護する打線の主軸として期待がかかる。
まだ3カードではあるが、昨年日本一の阪神がスタートでつまずき、波乱含みの2024年シーズン。週間MVPの選手たちがチームの開幕ダッシュに貢献できるかどうかはひとつのポイントになりそうだ。
【関連記事】
・パ・リーグ球団別週間MVP、ソフトバンク・今宮がトップ ロッテ・友杉、楽天・村林と遊撃手が躍動
・阪神・村上頌樹は昨季の反動？過去2人のMVP＆新人王W受賞翌年の成績は
・パ・リーグ首位打者・田宮裕涼にブレイク気配…“ゆあビーム”で日本ハムの救世主に？
記事：SPAIA編集部