打ち上げ失敗の北朝鮮の軍事偵察衛星、背後でロシアが技術支援の可能性も。
5月29日(水)の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、水曜コメンテーター・経済アナリストの森永康平氏と番組パーソナリティの寺島尚正アナウンサーが、27日に打ち上げに失敗した北朝鮮の軍事偵察衛星のニュースについて、意見を交わした。
北朝鮮が27日夜に打ち上げに失敗した軍事偵察衛星は、北朝鮮の2021年からの国防5カ年計画の中でも金正恩朝鮮労働党総書記が特に開発に力を入れてきたものだ。北朝鮮と軍事協力を深めるロシアの技術支援の下、改良を進めた新型ロケットが空中爆発という結果に終わっただけに、開発計画自体が見直しを迫られる事態も予想される。
昨年9月にロシアで金氏と対面したロシアのプーチン大統領は、記者の質問に対し「金氏がロケット技術に大きな関心を示している」と答え、北朝鮮の人工衛星開発に対する支援を明言した。
ロシアがウクライナ侵略に投じる大量の砲弾や、弾道ミサイルを北朝鮮が供給する見返りとして、ロシアから多くの技術陣が訪朝。その支援を受け、ロケットに搭載する新型エンジンの燃焼実験を重ねてきたと韓国当局は分析している。
寺島尚正アナ「北朝鮮のロケットをロシアが技術支援しているということなんですが、この弾道ミサイル技術を使ったロケットなどの打ち上げは禁じられておりまして、国連安全保障理事会の決議違反なんですよねえ。これもっともっと強くプレッシャーをかけたいところでありますが……」
森永康平「そうですねえ、ただ結局、この記事だと北朝鮮の背後にロシアが、という話もありますが、一方で中国との関係性もあるわけですよね。そう考えると中露が事実上認めているっていう言い方をしたら正しいのかっていうのもありますけども、そうするともう国連安保理なんて骨抜き状態になってるっていうか、機能してないですから、日本としてはどういう枠組みでこのような事態に臨んでいくのか。一応今、日中韓で話し合いの場が持たれてはいますけれども、まともに中国側が議論に乗って来るとは思えないですし、事実としてそういうことが出て来てる以上、どうしていくんですか、とアメリカ含めて同盟国だったりっていうところと話し合っていかなきゃいけないだろうなとは思いますよね」
寺島「こうやって失敗する、でも失敗するということは、いつも森永さんおっしゃってますけれども、着実に技術は進化していくんですよねえ?」
森永「そうですね、『失敗したから良かったね』っていう話ではなくて、何故失敗したかと言う材料を与えることにもなるので、そうすると次やる時っていうのは当然その反省を生かして進化していく。なのでこういうことを許し続けていると、本当に徐々に徐々にその精度が上がっていってしまうので、いざ何かが起きてしまった時に、気付いたら想像していたよりも相手方の戦力が高かった、なんていうことも起こりますからね」
寺島「また今回も沖縄県にJアラートが発令されていました。これ航空自衛隊の地対空誘導弾『PACK3』が一応しっかりと見張っていますが、沖縄に破片か何かが落ちて来た時、もしくは上空を通過する時に日本本土に影響を与えると判断した時に、『PACK3』を発射するわけですけど、この辺りをもう少し強化していくとかね、具体的にはそういうことも考えなきゃいけないということなんでしょうね」