外国人支援団体白さん 「在留資格課題知って」 7月27日、川崎市教育文化会館で学習会
川崎市ふれあい館などで外国につながりのある中学生らの学習支援などに取り組む、中国ルーツの若者グループ「TheLitZoneBeside(ザリットゾーンビサイド)」が「在留資格」をテーマにした学習会を7月27日(土)、川崎市教育文化会館第4・5会議室で開く。共同代表の白聖瞾(はくせいしょう)さん(28)=同区殿町=が企画に込めた思いを語った。
従属・不平等な関係つくる
在留資格は日常生活上、さまざまな影響をもたらす。「例えばアルバイトを探して採用されたのに、在留資格の就労制限があるため、できなくなってしまった。在留資格がなくなったことで日本から出ていかねばならないという大きな問題に発展しかねない」と白さんは強調する。
在留資格はまた、身分上の従属関係、不平等な関係をつくってしまうこともあると白さんは指摘する。「例えば、調理師として来日した『技能』の在留資格を持つ父親の呼び寄せで日本に来た『家族滞在』資格の子どもは、父親の技能在留資格があるから日本にいられます。父親は在留資格を定期的に更新せねばなりませんが、更新の条件をクリアするには父親の勤め先の協力が必要。こうした中、会社から金銭を要求されるケースもあります。父親と子どもの間では、子どもが日本で生活したいと希望しても父親が『国へ帰れ』と言うケースもあり、親子の従属関係がつくられます」。白さんは別の例も挙げる。「日本人と再婚した母の連れ子の場合、母親は日本人と結婚したから在留資格が与えられますが、もし日本人と離婚すると、連れ子はもちろん、母も本国に帰らざるを得ません。そのため、日本人父と母の間に、従属関係ができ、その関係で家族内暴力(DV)問題にもなる可能性が高い」
夢を持つ土台
在留資格により不安定な立場に立たされる外国につながる児童生徒たち。「明日、日本にいられるかすらも分からない子もいる。そんな子たちは将来を語れません。これから明るい将来であること、そして夢を持たせることが非常に大事なことですが、そのスタートラインはまさしく在留資格のサポートから」と白さんは力を込める。
白さん自身、親の仕事の関係で2011年、中国から来日。挫折を経験し、フリースクールから高校、大学に進学し、現在は横浜市役所職員として働く。学習会は在留資格の問題を、支援者、当事者、行政担当者、まったく知識のない市民が認識しなければならない時期との思いから企画した。
学習会は「『在留資格』ってなに?」(ザリットゾーンビサイドと社会福祉法人青丘社主催、川崎区役所共催)と題し、日本の外国人政策について元高校教員で認定NPO法人多文化共生教育ネットワークかながわ(ME-net)在留進路相談担当の高橋徹さんが講演。神奈川県行政書士会外国人無料電話相談相談員の松下知恵さんは「ビザの心配」をテーマに語る。また、松下さんが当事者である外国につながる人たちの悩みや相談も直接応じるほか、参加者同士のフリーディスカッションも行われる。午後2時から4時まで。定員は60人。申し込みは【電話】044・288・2997【メール】hara@seikyu-sha.com。