アメリカが世界トップの経済大国になったワケとは?広い国土の特徴や隣国との関係【図解 地理と経済の話】
アメリカが世界トップの経済大国なのは地理的に最強だから【図解 地理と経済の話】
農業も貿易もしやすい国土
アメリカは「世界の食料庫」と称されるほどの一大農業国。それを支えているのが西経100度線の西側に広がる大平原「グレートプレーンズ」と、その東部からミシシッピ川の西へと広がる大草原「プレーリー」です。内陸のこのあたり(特にプレーリー)は、農業に適した肥沃(ひよく)な黒土が広がる穀倉地帯。麦やトウモロコシ、大豆などが生産され、牧畜も盛んに行われています。また、温暖な南東部では綿花栽培が、かつて氷河だった北東部では酪農が行われています。
北アメリカ大陸は、鉄鉱石・石炭・石灰石といった天然資源の宝庫でもあります。カナダとの国境付近にある五大湖周辺は特に資源に恵まれており、鉄鋼業を中心とした東部工業地帯がここから発展していきました。その助けとなったのが水運です。五大湖を起点とし、大西洋に注ぐ運河が造られると同時に、ミシシッピ水系と結んで国内の至るところへ水路が引かれました。この水運の発達が、国土の大部分が山地のメキシコ、寒冷地が多く冬季に河川が氷結するカナダに対する流通上の大きなアドバンテージとなったのです。
このようにアメリカは、農業に適した土地があり、国土の気候がさまざまであること、そして資源を届ける運河という地理的な好条件で経済大国となったのです。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 地理と経済の話』