【カワハギ】夏は身、冬は肝を楽しめる! 船からねらう「カワハギ釣り」のはじめ方
日頃、堤防そのほかのオカッパリをメインに釣りをするなかで、「沖に出ればもっと大物が…、もっとたくさん釣れるのになぁ」なんて思ったことはありませんか? 釣り人として「もっと釣りたい」欲が生まれるのは必然です。とはいえ、船に乗るには道具や釣り方、そもそも船の乗り方さえも分からず、少々ハードルが高いのも事実。そんなモヤモヤを抱えつつ次のステップアップを夢見るアングラーに向けて、経験豊富なHEATライター陣が優しく指南してくれる当「船釣りのはじめ方」企画。
第8回目の今回は、HAZEKINGさんが煮ても焼いても美味しく、エサ取り名人として名高い人気のターゲット「カワハギ釣り」について解説してくれます。
カワハギの煮付け
初心者さんには少々難しいと感じるかもしれませんが、ハマるとその難しさや駆け引きの虜になること間違いないし! ひじょうに面白い釣りモノです。エサの準備から釣り方まで丁寧に解説しながら、カワハギの極上レシピも紹介してくれていますよ。
カワハギ釣りとはどんな釣り?
カワハギを船から釣る場合、船にもよりますが「胴突仕掛」を使用します。胴突仕掛とは、幹糸から出ている複数のエダス(枝バリ)にエサを刺し、オモリを付けて使用する仕掛のことです。カワハギが釣れる水深はほかの魚種よりも比較的浅く、10m~30mほど。年中釣れる魚ではありますが旬は年に2回あり、夏は身、冬は肝が絶品とされています。
なかでも釣りのベストシーズンは水温が下がる秋から冬。ベラやフグなどのゲストが少なくなる時期であるため、ねらい撃ちしやすく釣りやすくなります。
カワハギの食性は肉食で、おもなエサはゴカイなどの多毛類や甲殻類、そして貝(アサリ)などです。胸ビレで器用にホバリングしながらエサを突くので、竿先でアタリを感じることが難しく、気付いたらエサがなくなっていることも…。そのため「エサ取り名人」と呼ばれます。
カワハギ釣りの準備
エサのアサリを仕込む
カワハギ釣りのエサとして定番なのがアサリです。エサ用のムキ身も販売していますが、少し高価なのでコストを抑える場合は自分で用意しましょう。慣れると手早く処理できるので覚えておいて損はないですよ。
STEP1.スーパーなどで鮮度のよいアサリを買ってくる
STEP2.アサリを剥く
割れ目から包丁を刺して上側の貝柱を切ります。そして、下側に付いている貝柱も切り落としましょう
STEP3.ジッパー付き保存用袋にアサリの身と塩を入れて揉み、冷蔵庫で一晩寝かせる
締めるための塩も販売されています。アサリのヌメリを落としてくれるのでオススメですカワハギ釣りのタックル
最近は船の装備が充実しており、全てレンタルすることも船によっては可能です。もしマイセットをそろえる場合は参考にしてみてください。
●ロッド
船用カワハギ専用のロッドが適しています。持っていない場合でも、汎用性の高いライトゲームロッドで代用することもできます。
●リール
船用の両軸リールを使用します。ボトム中心の釣りなので水深カウンターはなくても大丈夫です。最深部で水深30m程度なのでPEライン1.5号を200m巻ける容量が目安になります。
●仕掛
カワハギ専用の胴突仕掛を用意します。フグなどのゲストにハリスを切られることも多いので、予備は10枚ほどあると安心です。最近では、切られたハリとハリスを交換できる幹糸仕掛も販売されています。手返しはよくなるのですが、扱いが少し難しいので経験が必要です。
船を事前に予約する
釣行の日程が決まったら遊漁船を予約しましょう。WEBサイトから、もしくは電話で魚種と希望の日程、必要なレンタル用品を伝え予約を入れます。個人や少人数で行く場合は乗合い、大勢で行く場合は貸し切りにするとコスパよく楽しむことができるので、あらかじめ同行者と相談しておくといいでしょう。
カワハギ釣り、出船前のステップ
まず港に着いたら遊漁船の受付を済ましましょう。遊漁船にもよりますが、釣り座を抽選もしくは早く来た人から順に選ぶなどさまざまです。その後、出船前までにライフジャケットを着用して船に乗り込み、準備を進めます。
釣り座に着いたら
カワハギ釣りの場合、竿立てと釣り上げた魚を生かすバケツを用意し、バケツには海水を汲んでおきます。また、ほかのお客さんの迷惑にならないよう船長の指示に従い、荷物は指定された場所にまとめておきます。
エサを準備しておこう!
前日に仕込んだエサのアサリはヌメヌメしているのでハリに通すのが大変です。ザルを使用して海水で洗い流すとヌメリが落ちるので、使用する分だけ先に洗っておきましょう。
カワハギ釣りのエサ付けから誘い方まで
それではいよいよ本番。カワハギの釣り方について解説します。
まずは仕掛の準備とエサのセット
まずは道糸に仕掛、オモリの順にセットします。
次にアサリを以下の手順ですべてのハリに通します。
アタリがあったら(なくても?)即アワセ!
カワハギの釣り方
ポイントに船が到着して船長の合図があったら仕掛を海に投入します。海底まで沈めたあと、10秒ほど竿を上下にゆっくり振って誘います。
誘いを入れたあと、5秒ほどラインが少し緩む「ゼロテンション」の状態を作ってあげます。ここでアタリがあったらすぐにアワセを入れましょう。また、アタリがなくてもカワハギがエサを食べている場合があるので、空アワセを入れてフッキングの確率を上げます。巻き上げるときにヒラヒラとした感覚があればカワハギの可能性大です!
そして、無事にカワハギが釣れたら釣った魚はバケツでキープしておきましょう。釣りの合間の隙間時間で魚を締めて、クーラーボックスに移しておくとよいです。
冬に釣れた肝パンカワハギ
カワハギの美味しい食べ方
まずはさばいて下準備
まずは、釣れたカワハギのさばき方をご紹介します。
STEP1.頭と身を分ける
カワハギのツノを外します。そして、頭の後ろから背骨まで切れ込みを入れます。
前に頭をはがすように取り、頭と身を分けます。
STEP2.皮をはぐ
背や腹などの端の取っかかりから一気に皮をめくります。
STEP3.内臓を処理する
肝と内臓を分けて取り出します。余った頭はエラと皮をはいでおきます。
ここまで処理したら煮付けや塩焼き、みそ汁など、なんでも使えます。
肝醤油が絶品!カワハギの「薄造り」
今回は冬の釣行だったので、肝を贅沢に使った薄造りをご紹介します。夏はとくに身が美味いので、カワハギは年中楽しめる食材ですよ。
STEP1.3枚におろす
背骨に沿って刃先を入れて3枚におろします。
STEP2.骨と薄皮を処理する
中骨とあばら骨をすき、薄皮を引きます。
カワハギは先に処理した表面の分厚い皮と身の間に薄皮があるので、その薄皮を引きます
STEP3.身を薄く切って薄造りに
身を薄く切って薄造りの完成です。
STEP4.肝醤油を準備する
肝を塩水で洗います。すり下ろして血管を取り除きましょう。そして、醤油と混ぜれば「肝醤油」の完成です。
夏は身! 冬は肝を楽しめるので、カワハギの刺身は1年を通じて味の変化を感じることができるオススメの一品ですよ。
今回は船からねらうカワハギの釣り方と、釣れたカワハギを使った極上のレシピについてお伝えしましたがいかがだったでしょうか?
エサの仕込みから誘い、フッキングまで、エサを使用した船釣りの全てが詰まっているといっても過言ではないカワハギ釣り。船釣りの奥深さが凝縮されているので、初心者の方にも挑戦してもらいたい釣りモノですね。また、カワハギは夏と冬に旬を迎えるので、季節に合わせて違った食味を味わえるのも楽しみの一つ。ぜひ釣ったカワハギを美味しく調理してみてください。
カワハギ釣りの釣りの模様と美味しい料理については、HAZEKINGさんのYouTubeにもアップされているので、ぜひそちらもご参考に。
七福丸で肝パンカワハギが絶好調!秋の味覚をいただきます!
Youtube「釣り師 HAZE KING」
レポーター
プロフィール:HAZEKING
東海エリアを中心に活動する釣りユーチューバー HAZEKINGです。エリアトラウト、ハゼ釣り、海釣り、ロックフィッシュなど釣りジャンルは全部! 今も自身の新ジャンルを開拓しています。初めて魚を釣ったときの感動をみなさんと共有するためSNSをスタートし、HEATでは1人でも多くの方に釣りの魅力を伝え、「よし、明日釣りに行こう!」と思ってもらえるような記事を執筆したいと思います。
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