愛猫が守っている『トイレにまつわるルール』3選 猫なりに譲れないトイレへのこだわり
1.清潔さは絶対条件
猫にとってトイレの清潔さは重要なポイントです。長時間トイレが汚れたままになっていると、トイレ以外の別の場所で粗相してしまうことがあります。また、トイレを我慢した結果、泌尿器系の病気になってしまうこともあるほどです。
猫は優れた嗅覚を使って物事を確認したり、ほかの猫とコミュニケーションを取ったりする動物です。排泄物のニオイは、その猫のテリトリーを示し、排泄物のニオイの濃度で時間の流れを確認する指標にしたりしています。
この野生の感覚をいまも持ち合わせている猫たちにとって、自分の排泄物のニオイがいつまでも残っているということは、自分の存在を天敵に知らせ続けることにつながり、警戒心やストレスを引き起こす可能性があります。
おうちで飼われている猫には命の危険を感じるような天敵はいませんが、ニオイが長時間残っていることは、猫にとって居心地が悪くなる要因になりトイレを避けるようになるのです。
そのため、猫のトイレは、一日数度は定期的に掃除し、月に1度は全砂を取り換えましょう。常に清潔を保っておくことが猫の快適さのためには重要です。
2.砂をかけるのは必須行動
猫はトイレのあとに、排泄物に砂をかけて隠します。これは一般的に考えられている衛生面による習慣ではなく、猫同士の社会的な意味を持っています。
おもな理由は、個人情報ならぬ個体情報保護のためです。排泄物のニオイには、その猫の個体情報が含まれているため、自分の存在を周囲に目立たせないよう、砂をかけてニオイを抑えようとするのです。
野良猫や多頭飼いなど、ほかの猫と接触がある猫は、優位な猫ほど砂をかけずにそのままにします。自分の存在をアピールするためです。
一方、劣位を自覚するほど丁寧に砂かけをします。きちんと砂かけをする飼い猫は、食事を提供してくれる飼い主よりも劣位にいる自覚があるためだといわれています。砂に好みがあるのも、このことに関係しています。
しかし、飼い猫のなかには排泄物を隠さない猫もいます。その猫は家庭内で十分に自分の優位性を自覚しているか、もしくは来客や新入りによるストレスから、意図的に自己主張している可能性があります。
3.トイレの場所は決まっている
猫はテリトリーを作って生活しています。トイレの場所を一定に保って、自分の個体情報の開示をコントロールすることで、自分のテリトリー内を管理しているのです。
排泄中やその直後は無防備になるため、トイレは砂があって周囲から見えにくいなど条件が整っている安全な場所に決めておきます。飼い猫の場合は、飼い主がトイレと砂を用意してくれるので、そこをトイレとして使用するのです。
猫はトイレに不満があると問題行動が出ることがあるため、騒がしい場所や人の通る場所、食事をする場所の近くは猫トイレを置くのにふさわしくありません。トイレ中に邪魔が入らず、十分に換気される場所を選びましょう。
猫にとっては、場所だけでなくいつもの砂がそこにあってこそ「トイレの場所」と認識するため、トイレ本体や砂を変更するときは、一度にすべて取り替えたりせずに、徐々に足すようにして慣らしていくように注意しましょう。
まとめ
猫が守っているトイレのルールは、単なる好みではなく、野生時代に生き残るために身につけた本能的な行動パターンです。そのため、子猫は母猫から教わらなくても、自然にルールを守るように成長します。
飼い主としては、愛猫のこの習慣を理解して、適切なトイレ環境を整えてあげることで猫のストレスや問題行動の予防が可能です。
また、猫の清潔へのこだわりや砂かけは、飼い主の生活の快適さにも関係してきます。猫のためだけでなく、一緒に暮らす家族として環境を整えるとよいでしょう。