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ファッションに健康、美容、日用雑貨もお任せ「おしゃれの店JUN」。

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ファッションに健康、美容、日用雑貨もお任せ「おしゃれの店JUN」。

西区内野の商店街にある「おしゃれの店JUN」。お洋服を販売しているお店なのに、Instagramをのぞいてみると、ネイルやマッサージ、ワークショップの投稿がずらり。これらの取り組みは一見お洋服とは関係がないようで、実はお店のコンセプトに通じているんです。今回は、色みのはっきりした浴衣姿が似合う店主の若松さんにいろいろとお話を聞いてきました。

おしゃれの店JUN

若松 淳子 Junko Wakamatsu

1973年新潟市生まれ。営業やアパレル業での接客などを経て、2020年地元の西区内野町に「おしゃれの店JUN」をオープン。お祭りが好き。最近は、着物にハマっている。

賑やかだった内野をもう一度、盛り上げる。

――「おしゃれの店JUN」は、いつオープンしたんですか?

若松さん:2020年です。以前もアパレルの仕事についていたんですけどね。年齢を重ねるうちに、ちょっとずつ勤めている会社のコンセプトと自分の目指す方向性がずれてきて。自然と「自分らしいお店を出したいな」と思うようになったんです。それも、地元である内野で。

――どうして、地元がいいと思われたんでしょう?

若松さん:今はもうシャッター街になっちゃいましたけど、昔の内野はほんとうに賑やかな町でした。「JUN」がある場所は「内野四つ角」といって、少し行けば内野駅もある町内のメインストリート。いちばん目立つところにお店を出して、内野を活気づけたかったんです。

――「JUN」さんは、お洋服や雑貨を売っているお店だと思っていいんでしょうか。Instagramでは、美容系やワークショップなどの投稿もたくさんあって、「いったいどんなお店なんだろう」と気になっていました。

若松さん:もともとはですね、内野周辺にお住まいの「ご年配のお姉さんたち」や高齢者施設でお洋服を販売するお店としてはじめたんです。若い方は、気に入ったアイテムをネットショッピングでポチッとするだけで買えますけど、お姉さま方はそうはいきませんからね。

――それが「JUN」さんのはじまりですね。

若松さん:洋服だけではちょっと寂しいから、ハンドメイド作家さんの作品を置くようにしたんですよ。しばらくして、いらっしゃるお客さまの層が変わってきたんですね。

――はい、イメージできます。

若松さん:それで次は、ワークショップをやろうと思ったんです。せっかく作家さんとご一緒しているわけですし、地域の皆さんもきっと楽しんでくれるだろうと思って。そうすると今度は、ワークショップに参加してくださる方からいろんな声を聞くようになるんですよ。肩が痛い、腰が痛いとかって。だったら「マッサージの先生を呼んでみよう」と「JUN」の店内にマッサージスペースを設けることにしたんです。

――ついつい健康トークをしてしまうのは、私も同じです(笑)

若松さん:健康になると、「キレイになりたい」って気持ちが出てくるんですね。今では、まつ毛パーマやネイル、お顔剃りの先生、床屋さんにも来てもらっています。

――話を聞くと、すべての取り組みがつながっていることがわかります。でもどうやって、ハンドメイド作家さん、ネイリストさん、マッサージ師さんと、いろいろな人を「JUN」さんに連れてくるんですか?

若松さん:私はですね、「自分が試してみてからでないとお客さまには紹介できない」と思っているので、飛び込みでお越しの方はすべてお断りしているんです。自分で出向いてリクルートしてきたり、お友達から紹介してもらったりするケースが多いですかね。

――若松さんがアンテナを張っていらっしゃるということですよね。

若松さん:店内には、化粧品や洗剤、歯ブラシなどの日用雑貨も置いているんです。「どこかに行かなくても『JUN』で必要なものが揃う」って、そんなふうにしたくって。

大学生から90代まで、幅広い年代に愛される。

――お客さんは、どんな年齢層の方が多いですか?

若松さん:キャンパスが近いので新大生もいらっしゃるし、すごく幅広いですよ。最高年齢は、いつも自転車で来てくださる93歳のお姉さんです。

――なんてお元気なんでしょう。

若松さん:オープンは10時なんですけど、9時半くらいから常連さんが「そろそろいいろっかね」って、いらっしゃるんです。「どうぞどうぞ」とお店を開けるので、午前中は割と年齢層が高めです。

――きっと皆さん、朝起きてから「JUN」さんに行くのを楽しみにしているんでしょうね。

若松さん:お客さま同士「これ着てみなせぇ」なんて言い合って、試着室でファッションショーがはじまるんです(笑)。私が接客中だったら、「じゅんちゃん、私に任せて」って、お客さまがお客さまに販売してくれることもあります。「すごく気持ち良いマッサージができるからやってみたら」って、お店の前を歩いている見知らぬお母さんに宣伝してくれたりもするんですよ。

――いちばん効果的な宣伝ですね(笑)

若松さん:常連のお姉さんたちは、お店に来る度にいろいろなお土産を持ってきてくださいます。採れたてのお野菜に、旅行先のお菓子、揚げたての天ぷらは「今すぐ食べて」ってエプロン姿のままで。ただ年齢層が高いから、亡くなられてしまった方もいます。

――そうですよね……。

若松さん:ご近所であれば、町内会のお知らせで訃報を知れるんでしょうけど、お客さまの場合はそうもいかなくて。ご家族が「生前、母がお世話になりました」とご挨拶に来てくださったことが何度もありました。

――お家で「JUN」でのことをたくさんお話しされていたんですね。

若松さん:きっとそうだと思います。ほんとうにありがたいですよね。いろいろな年代の方たちから、「愛されているな」と実感します。

活力の源は、飾らず、気取らず。

――お店は、理想の姿に近づいているんじゃないですか。

若松さん:ぜんぜん、まだまだですよ。もっともっと、面白いことをしていきたいって思っています。

――例えばどんな?

若松さん:最近、着物にハマっているんです。お客さまから着物のリメイクをリクエストされて。そのときはまったくピンときていなかったんですけど、よくよく考えてみると、お姉さま方が「着物をたくさん持っているんだけど、眠らせたままでいる」「売ってもいくらにもならない」と嘆いていらしたなと思って。それで、格安で着物をリメイクして販売することにしたんです。そうしているうちに、私、興味がわいて、今ではお着物教室に通っています。

――お客さんは、若松さんから元気や明るい気持ちをもらっていると思うんです。ご自身は、「こうありたい」みたいな考えをお持ちなんでしょうか?

若松さん:特に何も考えていないですよ(笑)。飾らないし、気取らないし、という感じでやっています。でも私、とにかく人が大好きなんですね。「あの人とあの人を会わせたら、きっと喜んでくれると思うな」っていつも考えているし、困りごとを聞いたら、一緒に悩んで、家までモヤモヤを持って帰っちゃうタイプなんです。

――最後の質問です。今、「次はこれをやるぞ」と思っていることは?

若松さん:9月の内野祭で、よさこいを上手に踊ること。お盆明けから、しっかり練習しないと。って、お店とはぜんぜん関係ないことでしたね(笑)

おしゃれの店JUN

新潟市西区内野町1048-1

025-201-7789

営業時間 AM10:00~

定休日 日曜日

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