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1人4万円の定額減税、どう使ったら一番有効になるかを考えてみた

mymo

令和6年度の税制改正で、所得税と住民税の定額減税が行われることが決定しました。減税そのものは2024年6月からスタートしますが、内容が非常に複雑なうえに、一部詳細については現段階(2024年3月)でもまだ公表されていません。

今回の定額減税は給付措置とセットになっており、個人の状況次第で内容がかなり複雑になります。これが今回の制度を非常に分かりにくくしているため、本記事では敢えてあらゆるパターンを網羅せず、対象を給与所得者の定額減税に絞り、わかりやすく整理したうえで効果的な使い方について考えてみます。

定額減税とは 

【画像出典元】「stock.adobe.com/78art」

定額減税とは、令和6年(2024年)6月から行われる所得税と住民税の減税のことです。名前に「定額」が付いているのは、1人につき所得税が3万円、住民税が1万円と減税額があらかじめ決まっているためです。

定額減税の対象者

定額減税の対象者は、国内に居住する令和6年分の所得税の納税者です。ただし、令和6年分の年収が2000万円(合計所得1805万円)を超える場合は、定額減税の対象外になります。

簡単に言うと、給料から税金を天引きされている人や個人事業主として確定申告して税金を納める人の大半が、定額減税の対象者ということです。

税金を天引きされていない人は?

給与所得者であっても、一定金額以下の収入の方は、毎月の給料から所得税を天引きされていません。したがって、定額減税の対象者にはなりません。

個人事業主の方も同様で、来年の確定申告で納税額が0円であれば、定額減税の対象者にはなりません。

ただし、その場合は給付措置の対象となったり、その分だけ扶養者の定額給付が増えたりします。これは状況によってかなり複雑に分かれるため、今回こうしたケースは割愛します。

定額減税のしくみ

【画像出典元】「N ON NE ON/Shutterstock.com」

では次に、定額減税のしくみについて、できるだけわかりやすく整理してみます。ここでは、対象を給与所得者に絞り、以下の3つのパターン別にどのように定額減税が行われるのかを考えてみましょう。

給与所得者で扶養家族が2人いる場合

上述のように、定額減税は所得税が3万円、住民税は1万円ですが、扶養家族が増えると人数分だけこの金額が増えます。したがって、この設例の場合は、以下の金額が定額減税となります。

所得税の定額減税の金額・・・3万円×3人(本人+扶養家族2人)=9万円住民税の定額減税の金額・・・1万円×3人(本人+扶養家族2人)=3万円

所得税については、6月の給料より減税を開始し、定額減税の残額が0円になるまでこれを続けます。たとえば毎月3万円の所得税を源泉徴収されている方であれば、6月以降の所得税額は以下のようになります。

6月の源泉所得税・・・0円(所得税3万円-定額減税3万円=0円、残額6万円)7月の源泉所得税・・・0円(所得税3万円-定額減税3万円=0円、残額3万円)8月の源泉所得税・・・0円(所得税3万円-定額減税3万円=0円、残額0円)9月以降の源泉所得税・・・3万円

これに対し、住民税の扱いは少し違います。住民税に関しては、6月の天引きを0円とし、定額減税を11ヶ月で割った金額を7月から2025年5月までの住民税から控除します。

この設例の場合、住民税の定額減税は3万円ですから、まず、3万円を11ヶ月で割ります。

7月以降の住民税から控除する金額=3万円÷11ヶ月≒2800円

したがって、たとえば7月以降の住民税が毎月1万円の場合であれば、給料から天引きされる住民税の金額は以下のようになります。

7月から来年5月まで毎月給料から天引きされる住民税=1万円-2800円=7200円

独身世帯

独身世帯の場合は扶養家族がいませんから、減税額は所得税が3万円、住民税が1万円となります。

これを、と同様に計算し、所得税と住民税の定額減税を行います。

配偶者が扶養家族ではない場合

配偶者に一定以上の所得があり、扶養家族ではない場合は、それぞれの収入から減税されます。たとえば、夫・妻・長男の3人家族で、長男は夫の扶養家族になっている場合を考えてみます。

夫の扶養家族は1人ですから、減税額は所得税が6万円(3万円×2人)、住民税が2万円(1万円×2人)です。これをと同様の方法で計算し、給料から天引きされる所得税や住民税から控除していきます。

一方、妻には扶養家族がいませんから、減税額は所得税が3万円、住民税は1万円です。これをと同様の方法で計算し、夫と同様に給料から天引きされる所得税や住民税から控除していきます。

控除できない場合はどうなる?

住宅ローン控除などがある場合、ローン残高次第では、年末調整でかなりの所得税が還付されます。したがって、せっかくの定額減税がすべて控除しきれないケースが考えられます。

こうしたケースでどうなるのかは今のところ発表されていませんが、恐らく控除しきれない金額については給付されると言われています。

定額減税のお得な使い道

【画像出典元】「stock.adobe.com/ELUTAS」

ご自身がどれくらいの定額減税を受けられるのかが分かったところで、最後に定額減税の有効な使い道を3つ紹介します。

ふるさと納税

1つ目の使い道は、ふるさと納税です。ふるさと納税は大変お得な制度で、実質的に2000円を負担するだけで、さまざまな返礼品を貰うことができます。

ですが、最初に支払い(寄附)が発生してしまうため、最終的にはお得になると分かっていてもなかなか踏み出せない方もいらっしゃるのではないでしょうか?そのような方に定額減税分の資金を使って寄附することをお勧めします。

今回の定額減税分でふるさと納税を行えば、支出が先になることはありません。また、支出した分だけ来年の住民税が安くなるので、定額減税からふるさと納税へ寄付した分は来年の住民税の減額という形で大半は戻ってきます。

なお、ふるさと納税の寄付上限額の算定は定額減税を控除する前の所得で決まるため、定額減税によるふるさと納税への影響はありません。

ミニ株

日経平均が最高値を更新し、株式投資には興味があるものの、それ程のお金を出せない方にお勧めなのがミニ株(単位未満株)投資です。通常の株式取引は100株単位でしか購入することができませんが、ミニ株であれば、1株から購入でき、少額での売買が可能になります。

ただし、単位未満株のため値段を指定せず成行注文しかできず、約定にも時間がかかるうえに決して大きなリターンは望めない点などには注意が必要です。

書籍

資産運用や投資に関する本を購入し、知識を身に付けておくのもお勧めです。現在投資を行っている方も、将来投資をしようと思っている方も、知識を身に付けておいて損はありません。最近はインターネットで情報を収集される方が多いと思いますが、書籍からの知識の方が広範囲に得られます。

ただし、初心者の方であれば、節約やお金との向き合い方の本を先に読むことをお勧めします。資産運用には常にリスクが伴いますが、節約はリスクと関係なく資産が増やせるからです。

※資産運用や投資に関する見解は、執筆者の個人的見解です。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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