ファンに問いかける二人の関係性と結末――『牙狼<GARO> 東ノ界楼』道外流牙役・栗山航さん×莉杏役・南里美希さんインタビュー
2005年に放送が始まり、多くのTVシリーズや劇場版として脈々と続く人気特撮作品『牙狼<GARO>』の新作『牙狼<GARO>東ノ界楼』が1月29日より放送開始!
今作は、2024年に放送された『牙狼<GARO> ハガネを継ぐ者』の続編。クレアシティでの激しい戦闘を終えた流牙は、鎧を浄化するためにラインシティへ向かう途中、ホラーが大量発生する街サガンを発見。そこで龍族の魔戒法師・エルミナと共にホラーと戦う莉杏と再会します。人々を救うために戦う流牙と莉杏に襲い掛かるホラー、そして忍び寄る怪しい影。流牙の新たな戦いが今、始まります。
アニメイトタイムズでは、道外流牙役を演じる栗山 航さんと莉杏役の南里美希さんへインタビュー。流牙と莉杏の共闘は約8年ぶりということで、再びタッグを組んだ感想や本作の見どころなどを語っていただきました。
【写真】『牙狼<GARO> 東ノ界楼』栗山航×南里美希インタビュー
現場に入ればすぐに流牙になれる
──本作は『牙狼<GARO> ハガネを継ぐ者』の続編になります。2年ぶりにTVシリーズが決まった時の感想をお聞かせください。
道外流牙役・栗山 航さん(以下、栗山):今回に限らず、『牙狼<GARO>』の新作への出演オファーをいただいた時はいつも「やるしかないな」という気持ちしかなくて。流牙として「前作を上回るものにしなくては」という決意と「ファンの皆さんに喜んでもらうにはどうしたらいいんだろう?」ということを考えていました。
流牙になる時は、いつもそれほど苦労はないんです。ただ『牙狼<GARO>』はアクションがかなり激しいので、ケガをしないようにというのが唯一の心配ですね。
莉杏役・南里美希さん(以下、南里):莉杏を演じるのは映画『牙狼〈GARO〉神ノ牙-KAMINOKIBA-』以来、約8年ぶりになるので、お話をいただいた時はとてもビックリしました。
『神ノ牙』に出演した時は20代でしたが、今の私はもう30代です。あの激しいアクションについていけるのかなという不安もあったんです。でも、現場に足を踏み入れたら8年のブランクなんてなかったかのように、ナチュラルに演じられたことに自分でも驚きました。
栗山:僕も現場で見ていて、ビックリしました。
南里:本当ですか?(笑)
8年ぶりの再タッグで感じたお互いの成長と進化
──8年ぶりでも二人の掛け合いの時は呼吸がバッチリ合っていたんですね。
南里:私はそう感じましたけど、栗山さんはどうでしたか?
栗山:もちろんバッチリでした。『神ノ牙』以降も連絡を取り合っていたので、めちゃめちゃ久しぶりという感じはなくて。流牙と莉杏の空気感はそれほど変わらずにやれたんじゃないかと思いますし、現場に入ったらすぐに当時の空気感になっていました。
僕が驚いたのは8年ぶりのオファーを受けた南里ちゃんの度胸です(笑)。そのうえ、当時とまったく変わらない容姿で現れ、アクションではむしろ以前よりパワーアップしていました。1話の完成映像を観させていただいた時、「めっちゃキメれるようになってる!」って。
南里:え〜嬉しい!
栗山:『神ノ牙』から8年経っていたので、いろいろな経験もしているでしょうし、人間的な深みは出るだろうなと想像していましたが、まさかアクションが進化しているとは思わなくて。「まさかこの8年の間に陰でアクションの特訓をしていたんじゃ!?」と。
南里:そうかもしれません(笑)。オファーがいつ来てもいいようにとは、心のどこかで思っていたのかも。
栗山:『神ノ牙』の後も『牙狼<GARO>』のことを忘れずに愛を持って見守ってくれていたんだなと思いました。
南里:もちろんです! 『牙狼<GARO>』は役者としてだけではなく、個人的にも大好きですから。
──8年ぶりに栗山さん演じる流牙と一緒にお芝居やアクションをした感想は?
南里:『牙狼〈GARO〉 〜闇を照らす者〜』(2013年放送)の時の栗山さんは20歳前で、まだ少年みたいな顔立ちで。それからずっと見てきているから、流牙は少しずつ素敵に年を重ねてきて、渋みも増して、貫禄も出て、「最強の黄金騎士ってこういうイメージなのかもしれない」と思えたくらいの圧倒的な存在感でした。
各キャラクターの描写が丁寧かつ繊細に描かれる
──本作の台本を読まれた感想をお聞かせください。
栗山:観ていても演じていても最後まで結末がわからないのが『牙狼<GARO>』シリーズの特徴です。
ただ今回は、結末に関するお話を事前に聞きました。僕と南里ちゃんとプロデューサー陣、そして監督で何度も綿密に話し合いを重ねた上で、「納得のいくような芝居をしたいね」と。なので、これまでの流牙のお話の中でも特に想いが強いです。
今回はシンプルに皆さんが思っているような結末になると思います。その結末に持っていくために、どういうふうにアプローチをしていくのか。どんなふうに流牙や莉杏が考え、行動して、この結末に辿り着くのかを深堀していきました。人の感情の繊細な機微みたいなところを見られる作品になっていると思います。
南里:台本をいただいた時、例え結末が同じでもニュアンスによって、皆さんに与える印象が大きく変わるお話だと思いました。ラストシーンも監督と栗山さんを交えて何度も何度も相談しながら微調整して、本当に細かく丁寧に作り上げたことを覚えています。
私自身は、莉杏を演じながら最初から最後まで葛藤し続けていました。莉杏の気持ちはこうだけど、「魔戒法師としての使命や役割を考えたらその決断は正しかったのかな」とか。台本を読んでいても、現場にいる時も、ずっと葛藤や戸惑いが渦巻いていました。きっと作品の中で描かれている各キャラクターの感情の機微が細かく、深く描かれていたからじゃないかと思います。
ミステリアスなメインビジュアルの意味とは?
──公開されているメインビジュアルの莉杏もかなり意味ありげですね。
南里:あれは莉杏なんでしょうか?
栗山:えっ!? 俺は莉杏だと思っているけど。
──放送前の段階では伝えるのが難しいですよね。
南里:そうなんですよ! 他の取材や生配信でも「話せることがない! どうしよう!?」って困っています……栗山さんはどうですか?
栗山:ラストシーンを観ていただいた後、「あれでよかったのか?」を『牙狼<GARO>』ファンの皆さんに問いたいです。
南里:めっちゃ分かります!
栗山:僕たちは現場で「これがベスト」と思って作りましたが、「本当にこれで正解だったのかな」という気持ちもあります。『牙狼<GARO>』ファンの方が「今回で流牙シリーズを締めたほうがきれいだな」と思うのか、それとも続きが見たくなるのか、とても気になるんです。
南里:今までのシリーズの中でも今回ほどファンの皆さんの感想が気になったことはないかもしれません。今回はまったく反応が読めないです。
──今回、注目なのは新しい鎧が登場しますね。
栗山:流牙シリーズでは、彼にしかできないことをやりたいと思っています。今作では“謎の魔戒騎士”の存在と魔戒法師レクトルの出現です。流牙シリーズだからこそできたのかなと思っていますし、観ていただければこの発言の意味がわかっていただけるはずです。
──そして『牙狼』シリーズといえば毎回豪華なキャスト陣が登場しますが、今回もすごいですね。
南里:確かにそうですね。『仮面ライダー』シリーズなどアクション作品に引っ張りだこの宮原華音ちゃんとか。
栗山:今回は流牙と莉杏の物語だと思っているので、莉杏のことしか見えていなくて。なので豪華なキャストや新しい鎧について尋ねられても「ああ、そうだったな」と言う感じで。サイドストーリーもあるんですけど、流牙は莉杏のことしか見えない状況で。それくらい莉杏とのストーリーが僕にとってあまりにも重すぎました。
南里:それほど流牙にとって莉杏の存在が大きかったとは。意外でしたね。
全編グリーンバックの撮影、監督3人がそれぞれの持ち味を発揮
──『ハガネを継ぐ者』でもメガホンを取っている木村好克さん、アクションを指揮する鈴村正樹さん、特撮ファンから熱い支持を得る田口清隆さんという盤石な体制ですね。
栗山:鈴村監督はこれまで一緒にやってきたので流牙について一番わかっているし、莉杏のことは南里ちゃんがわかっているから、シーンごとに「この時の牙狼、そして莉杏はどう思っていたのかな?」という話し合いが多かったです。
木村監督は感情的なシーンを大切にしてくれるので、僕らの感情が途切れないように1カットで撮影(最初から最後までカメラを止めずに一気に撮影する手法)してくださりました。
田口監督は「この人は本当に特撮が好きなんだな」とわかる撮影方法を用いてくれて。撮影方法や演出などは三者三様でしたが、皆さん全員から『牙狼<GARO>』や流牙への愛情が感じられて嬉しかったです。
南里:栗山さんと同じですね。監督の皆さんは「空気感や世界観は、二人が一番わかっていると思うから」と言ってくださいました。
──VFXも並々ならぬ気合が入っていて、グリーンバックを用いた撮影がメインだったとか。
栗山:メインというより、全部です。『牙狼<GARO>』シリーズではドラマパートを全編グリーンバックで撮影したのは初めてだったそうで、そこは新たな挑戦でした。最初のほうはシステムトラブルもありましたけど、段々全編グリーンバックにも慣れてきて、最終的に順調に撮影を終えることができました。
──世界観を表すイメージボードを見ても世界観が壮大なことがわかります。
栗山:グリーンバックに入る前に「ここはこういう世界観だよ」と見せてくれて、本番では見せていただいたイメージから膨らませるように演じていたんです。僕たちが背景になじむことができるのかという心配も多少ありましたけど、1話の映像には壮大な世界観が広がっていて、感動しました。
撮影の時は人工物がまったくない状態なので、ぐっと世界に入り込めるんですよね。これからの作品に対して、「すごくいい未来が見えたな」と思いました。
南里:元々、『牙狼<GARO>』はグリーンバックでの撮影が多かったので、慣れてはいましたが、過去の作品ではロケ+グリーンバックでの撮影でした。CGの技術も当時より格段に上がっていると思いますが、全編グリーンバックの中に役者とスーツアクターの方だけいる世界観がむしろしっくりきて。『牙狼<GARO>』は特撮で非現実的なファンタジーの世界観なので、ピッタリ合うし、今までの『牙狼<GARO>』の映像に少し違和感を感じることがあった方にも観やすくなったと思います。
決して曖昧な形で終わりません
──改めて『東ノ界楼』の見どころのご紹介をお願いします。
栗山:まず新世界にいる流牙や莉杏、新しい『牙狼<GARO>』の世界観を楽しんでいただきたいです。流牙としては莉杏との関係性、二人の物語の結末ですね。演じている時は感情がなかなか追いつかなかったし、撮り終えた今でも悩み続けています。
南里:決してあいまいな終わり方ではありませんが、捉え方はそれぞれ違うかもしれません。皆さんが日常生活を送る上で、親や上司、学校の先生や先輩などと関わっているとモヤモヤすることがあると思いますが、そういうものを重ね合わせると考え方や捉え方が変わってくるのかなと。
莉杏は、最初から最後まで葛藤が連続する役だったので、莉杏の心の細かい機微を私なりに丁寧に演じたつもりです。莉杏が何を想い、行動しているのかにも注目していただけたら嬉しいです。
──最後に、ファンの皆さんへメッセージをお願いします。
栗山:最終話を観終わった後に「これで本当にいいのか?」と思ったのか、「続きが観たい!」と思ったのかをぜひ教えてください。もちろん各話の放送中や放送後にSNS等でリアルタイムにつぶやいてくれたら嬉しいです。『牙狼<GARO>』の輪をみんなで広げましょう!
南里:大好きな『牙狼<GARO>』に莉杏として帰ってくることができたのは奇跡だと思っています。
この8年の間、ファンの方からSNS等で「早く、続編に出てください」という温かい声をたくさん、絶え間なくいただいていました。それが本当に嬉しかったですし、この声に応えたいなという気持ちがずっとあったんです。応援してくださった皆さんへの恩返しの意味も込めて、全身全霊で莉杏を演じました。待っていた気持ちをもう少し膨らませていただいて、1話が放送される日を楽しみにしていてください。
[インタビュー/永井和幸]