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⽇本橋三井ホールで開催、『⼟岐⿇⼦ SPECIAL LIVE “Serendipities!” feat.川⼝⼤輔』のオフィシャルレポートが到着

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⼟岐⿇⼦

11月2日に東京・日本橋三井ホール公演で開催された『⼟岐⿇⼦ SPECIAL LIVE “Serendipities!” feat.川⼝⼤輔』のオフィシャルライブレポートが到着した。

12月4日(木)には恵比寿 ザ・ガーデンホールで”Winter Edition”での追加公演の開催が決定しており、POPでゴージャスなX'MAS LIVEが届けられる。追加公演のチケットはイープラスにて一般発売中。

11月2日(日)、日本橋三井ホールで土岐麻子のライブを観た。よく似合っていた。まろやかな音の鳴りもそうだし、モダンな中にどこか懐かしさを感じる会場の佇まいも好相性。そんな環境面にぴったりの選曲もなされていたのだが、その要となっていたのが川口大輔の存在である。昨年に土岐が同会場でライブをした際、川口と一緒にやりたいと思って日程を押さえたというエピソードもライブ中に明かされていたが、土岐と川口のタッグが生み出してきた、洗練されつつもメロウで、ダンサブルな要素も多く含んだ楽曲の数々は、会場の環境や場の空気にピタリとハマっていたのだった。

定刻を過ぎたあたりで照明もBGMもそのまま、すっと川口とバンドメンバーが姿を現した。フロントにセットされた鍵盤に川口がスタンバイ。後ろを固めるのは、近年の土岐のライブではお馴染みとなった高木大丈夫(Gt)、井上薫(Key)、林あぐり(Ba)、伊吹⽂裕(Dr)という盤石の布陣だ。暗転すると同時にスタートした緩やかなインプロヴィゼーションを合図に土岐が現れ、1曲目の「トーキョー・ドライブ」が始まる。まろやかなエレピの音とシュアなリズムセクションによる軽やかなグルーヴが放たれ、土岐の歌声が朗らかなニュアンスをもって響く。

この日の選曲は、昨年リリースされた最新アルバム『Lonely Ghost』からの「KAPPA」「August」「Lonely Ghost」、定番曲の「Gift~あなたはマドンナ~」とカバーソング2曲を除き、あとは川口大輔が作曲を務めた曲たちが並んだ。土岐×川口の作品がとりわけ多くリリースされていたのが2000年代終盤から2010年代前半にかけてなので、必然的に懐かしさを覚える曲、普段のライブではなかなか聴けない曲も多く、ファン垂涎のセットリストである。「SUPERSTAR」から「smilin’」へ、さらには“prism boy”のアカペラでのハモリをイントロにした“乱反射ガール”とライブは展開していき、ソウルやR&Bにファンク、ジャズといったブラックミュージック由来の要素に加え、どこかしら煌びやかな華を忍ばせた楽曲の数々がライブを加速させていく。

最初のMCでは、土岐と川口が小学校の同級生であったこと、大人になって再会したら音楽の方向性が一致しており、ともに作品を制作するに至ったことが語られた。住んでいた地域が近かったことはたまたまだろうから、土岐の発言を借りれば、たしかに「すべてがSerendipity(=思いがけない発見や偶然の幸運)」だけれど、こうして両者の生み奏でる音に触れると、なんだか全てが必然であったようにも思える。そして本人曰く「演奏するみんながイメージ等を共有していないと成立しないタイプ」である川口の楽曲を、譜面通りに弾くだけでは醸し得ないノリやグルーヴ満載で届けているバンドの面々が土岐の音楽に触れたきっかけこそ、川口との初タッグだった「ファンタジア」だというのだから、もう出来過ぎなくらいの話じゃないか。

そんな演奏面の完成度を堪能できたのは「Kung Fu Girl」。オリエンタルなイントロからディスコビートが弾み出せば、場内からは自然とクラップが湧き起こる。鍵盤が2名いる編成によってより重層的となった音と絶妙にマッチするリリックも映え、言語だけでなく音としての面白さも味わえる歌である。中盤にはバラードの数々も披露され、その中で川口が個人的にひどく落ち込んでいた時期に書き、メロディに合わせて土岐がこの歌詞を乗せてくれたことが嬉しかった、と川口が語ったのが「夏の横顔」だ。寂寥感を滲ませつつも、どこか慈しみにも似たニュアンスを感じさせる土岐の歌声が素晴らしい。ピアノメインで届けた「ホロスコープ」しかり、ノスタルジックではあるもののメランコリックには傾かず、包容力たっぷりにまとめあげていた。

観客とのシンガロングでピースフルな時間となった「NEW YEAR, NEW DAY」からライブは後半戦。16分の緻密なシンバルの刻みから8分でどっしり推進するベース、ワウを効かせたギターがエキサイティングなプレイを繰り広げた「Flamingo」を経て、川口がアレンジを手がけたカバーソングとして真心ブラザーズの「サマーヌード」を投下。リムショットを用いたパーカッシヴなドラムにボサノヴァ系のコード感は、川口のルーツにあるというラテンミュージックの香りが濃い。土岐のスキャットやアウトロでの各パートのソロなど見せ場も十分であった。ラストは「Gift~あなたはマドンナ~」によって一際晴れやかな空気が場内を満たし、ステージを後にする面々を送る拍手はすぐさまアンコールを求める手拍子へと変わる。

アンコール一曲目はASIAN KUNG FU-GENERATIONの「ソラニン」カバー。カバーアルバム『HOME TOWN ~Cover Songs~』に収録された際に、編曲を川口が手がけていた曲だが、なんとも不意をつかれた感がありテンションはさらに高まる。メロディこそ原曲に忠実なもののサビで大胆に音数を減らしたり、ラストへ向けてオーケストラの如く壮大に白熱していくアレンジは、ライブ現場ですさまじい破壊力を発揮していた。続く「Lonely Ghost」をしっとりと歌い上げた後は、ラストに満を持しての「ファンタジア」。あらゆる素敵な偶然を必然へと変えてゆく、洒脱なAORサウンドがホールに響き渡っていた。

土岐麻子と川口大輔。名タッグによる贅沢な一夜にはまだ続きがある。舞台は12月の恵比寿・ザ・ガーデンホール。『土岐麻子 “Serendipities!” Winter Edition feat.川口大輔』と題した追加公演の開催が既に決定している。MCでも語られていた通りクリスマスも意識した内容となるそうなので、また違った装いのセットリスト・構成となるはず。この日のライブに触れた者を代表して言わせてもらうと、見逃す手はまずない。

文=風間大洋
撮影=SUSIE

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