「僕がバレエ・ダンサーを夢見てはいけないの?」不朽の感動作が23年ぶりに蘇る!『リトル・ダンサー デジタルリマスター版』
『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』(2011)、『愛を読むひと』(2002)、『めぐりあう時間たち』(2008)など、上質なドラマの名手として知られるスティーヴン・ダルドリーの監督デビュー作にして、いまもなお多くの人に愛される不朽の感動作『リトル・ダンサー』が、デジタルリマスター版で23年ぶりにスクリーンで色鮮やかに蘇る。
世界中に笑いと涙と感動を巻き起こした青春ドラマ
2000年9月にイギリス公開された本作は、世界の映画祭で高い評価を受け1億ドル超えの大ヒット、日本でも2001年1月から公開されると、少年ビリーが偏見や環境に負けず、夢に突き進む姿に多くの観客が胸を熱くした不朽の感動作だ。
監督は、本作で長編デビューとなったスティーヴン・ダルドリー。『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』『愛を読むひと』など上質なドラマの名手として知られ、本作から3作続けてアカデミー賞の監督賞・作品賞の候補となる快挙を成し遂げている。
また、バレエ・ダンサーを夢見る主人公ビリーを演じたのは、『ロケットマン』や『異人たち』など今や世界的な実力派俳優となったジェイミー・ベル。当時13歳だった彼は、2000人を超える候補者の中からオーディションで選ばれた。ビリーにとって踊ることは、自分を表現する手段。軽やかな動きでなく、力強く激しく「これが僕のバレエなんだ」と訴えてくるダンスシーンの数々は圧巻だ。さらに、世界的バレエ・ダンサーのアダム・クーパーが特別出演しているのも見逃せない。
音楽は70年代に一世を風靡したグラムロックのT・レックスによる名曲の数々や、ザ・クラッシュ、ザ・ジャムの人気曲などが使用され、ビリーの心に寄り添うように鳴り響き、観る者のすべての魂が揺さぶられる。また本作に深く感動したエルトン・ジョンが、ミュージカル化を熱望。今や大人気のミュージカル『ビリー・エリオット』が誕生した。
僕がバレエ・ダンサーを夢見てはいけないの?
予告編では、バレエと運命的な出会いをした主人公ビリー(ジェイミー・ベル)がどんどんバレエにのめり込んでいき、「ロンドンのロイヤル・バレエ団で踊る」という大きな夢を抱き、ひたむきに邁進する姿が見られるものとなっている。
町中をキラキラと弾ける笑顔で飛び回るやんちゃな11歳の主人公ビリーは、今まで見たこともなかったバレエの世界に一目惚れをする。毎日家族に内緒でバレエの基礎から回転までコツコツと練習を重ねる日々。しかし父親に見つかり、「バレエなんて、男がやるものじゃない」と怒られてしまう。なぜバレエをやってはいけないのかわからないビリーは、その後も親には内緒でウィルキンソン先生(ジュリー・ウォルターズ)の指導のもと、ダンスの才能を開花させメキメキと上達していく。
真剣にバレエに打ち込むビリーの姿に「ロイヤル・バレエ学校を受験してみたら?」という先生の提案に猛反対する家族。でもビリーは夢を諦めることなく、踊り続ける。その姿を見た父親は「ビリーには未来がある。俺だってあいつの夢を叶えてやりたい」と涙ながらに話し、次第に周囲も変化していく…。
ポスタービジュアルでは、「僕バレエ・ダンサーを夢見てはいけないの?」というコピーと共に、日本公開当時を思わせるチュチュを着た女の子たちの間にボクシンググローブとヘッドガードをつけた主人公のビリーが居心地悪そうにしている姿が印象的なものとなっている。
『リトル・ダンサー デジタルリマスター版』は10月4日(金)より新宿ピカデリーほかにて全国公開