「高学年特化」放課後の居場所 キララ賞受賞の池井さん
地域に元気を与え、人と人のつながりを生み出す活動に取り組む若者を応援する神奈川県内生活クラブ主催の「2024年度キララ賞」に、横須賀市根岸町在住の池井将さんが選ばれた。2月1日に横浜市で同賞の贈呈式があり、副賞50万円が贈られた。
地域体験コーディネーターを名乗る池井さんは、学童保育指導員の経験を生かし、全国的にも珍しい小学高学年を対象にした少人数形式の子どもの居場所づくりを行っている。根岸町にある山林を伴う古民家を利用して拠点となる「ぬくもり」を開設。自然体験などを柱に、放課後の多様な過ごし方を提供している。
多くの学童保育では、利用者の大半が低学年であり、その層を中心とした運営になりがち。「異年齢で過ごすメリットはあるものの、求める遊びが異なるため高学年児童の満足につながっているかに疑問があった」と池井さん。3年前に独立し、たき火や動物とのふれあいなど、大人が目の届く範囲で自由に過ごすことのできる場所を用意することにした。午前中の時間には、不登校児童・生徒の居場所としても機能。こうした一連の取り組みが評価された。
少人数運営にも独自の考えがあり、「指導員と深い関係が築けることが大きなメリット。大人数で過ごすことが苦手な子もいる。選択肢を増やすことで豊かな放課後の時間を与えたい」と池井さんは話した。