【ネタバレ】『サンダーボルツ*』タスクマスターは初期脚本で全く別の展開だった ─ 脚本家も知らず「ショックを受けた」
(MCU)映画『サンダーボルツ*』には、コミックファンの間でも人気のタスクマスターが『ブラック・ウィドウ』(2021)以来の再登場を果たす。演じるのは、もちろん同作につづいてオルガ・キュリレンコだ。
本作のタスクマスターには思わぬ展開が待ち受けている。脚本家のエリック・ピアソンでさえ、その決断には驚かされたそうだ。
この記事には、『サンダーボルツ*』のネタバレが含まれています。
<!--nextpage--><!--pagetitle: 【ネタバレ】
脚本家も知らなかった?-->
この記事には、『サンダーボルツ*』のネタバレが含まれています。
©2025 MARVELタスクマスター、初期脚本では最後まで生きていた
『サンダーボルツ*』におけるタスクマスターの処遇には当初から心配の声が聞かれていた。予告編などのプロモーションにタスクマスターはほとんど登場しておらず、本編の出番が少ないのではないかというものだ。その予想は残念ながら的中し、タスクマスターはOXE社の資料庫でエレーナやUSエージェント/ジョン・ウォーカー、ゴースト/エイヴァ・スターと激突し、突如現れたゴーストに頭部を撃ち抜かれて死亡する。
本作の脚本家エリック・ピアソンは、『ブラック・ウィドウ』(2021)でタスクマスター/アントニア・ドレイコフの物語を執筆したこともあり、このキャラクターには相当の思い入れがあったようだ。米では、タスクマスターの死に「みなさんと同じくらいショックを受けた」と語っている。なんと、ピアソンはタスクマスターが死ぬことを聞かされていなかったのだ。
もともと『サンダーボルツ*』の企画を立案したピアソンは、登場するキャラクターのほか、ボブ/セントリー/ヴォイドの精神をめぐる物語の骨格を築き上げた。しかしその後、『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』の脚本改稿に携わるために企画を離脱。最終的な脚本は、ジェイク・シュライアー監督と共同脚本家のジョアンナ・カロ、イ・ソンジン(※ノンクレジット)が責任を負うことになったのである。
ピアソンによれば、自分が最後に執筆した草稿と、完成した映画との「最大の違い」がタスクマスターの死だったという。米では、「(自分の脚本では)タスクマスター/アントニアは最後まで生き延びていた」と明かした。「彼女とゴースト/エイヴァにはサブプロットがありました。2人とも研究所で育ったので、エイヴァにとってアントニアは姉のような存在。自由になり、自立する方法を教わるんです」。
ところが、この要素は脚本が完成した時点でまるごと削除されている。『ファンタスティック4』のため撮影現場を訪問できなかったピアソンは、事前に変更の相談をまったく受けていなかったこともあり、初期の編集版を観て衝撃を受けたそうだ。
「なぜそうしたのかはわかります。おそらく、僕が観客として心から驚いたことがその理由でしょう。[中略]ジェイク(監督)が言ったのは、“観客を驚かせ、緊張感を高めたかった”ということ。ここは危険な場所で、誰ひとり安全ではないことを伝えたかったんです。彼らが悪事に手を染め、冷酷で残酷な人生を送ってきたことを確実に知ってもらわなければいけない。」
ピアソンはタスクマスターの死を心から残念がりながら、作劇の意図には理解を示している。サンダーボルツ改めニュー・の面々は『アベンジャーズ:ドゥームズデイ(原題)』に登場するが、タスクマスターの出番はひとまずここまで。人気のあるキャラクターだけに、いつか何らかの形で再登場することを願うばかりだ。
ちなみにシュライアー監督は、タスクマスターを死亡させた理由について、でも「危険度や緊張感を出すことが必要でした。創作にあたって、そこが重要だった」と答えていた。やはり、当初から狙いは明確だったのだ。
映画『サンダーボルツ*』は公開中。
Source: ComicBook.com,