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発達障害のあるわが子は保険に入れる?保険以外の備えについても【専門家回答】

LITALICO発達ナビ

発達障害のあるわが子は保険に入れる?保険以外の備えについても【専門家回答】

監修:渡部伸

行政書士/親なきあと相談室主宰/社会保険労務士

発達障害のある子どもの保険のギモンに専門家が回答!アンケート結果も

発達障害のあるわが子の将来のために、生命保険や医療保険、学資保険に加入したいけれど「障害があると保険に入れないの?」と疑問や不安を感じている方も多いのではないでしょうか。今回は「発達障害のある子どもの保険の疑問」について専門家にご回答をいただきました。また、発達ナビで行ったアンケートについても結果を発表いたします。

発達ナビにて行った「発達障害のある子どもの保険」についてのアンケート結果では、9割以上の方が「発達に特性のある子どもの保険について気になることがある」と回答しています。どのような不安があるのか、いくつかコメントを紹介します。

色々と調べて、発達障害の診断があると加入できない事もあると知っていたので、診断がおりる前に入れる保険(終身)には入っておきました。
現在は内服もしていないので入れる保険もあるかも知れませんが、不安が一つでも減らせれば良いですよね。
(しのっぺさん)

https://h-navi.jp/selective_surveys/245

入れないことを知った時子供が二次障害や落ち着きのなさを避けるべく診断を受けてコンサータ飲んでるのがだめって
なんだかなーと思いました。
(略)
(りうさん)

https://h-navi.jp/selective_surveys/245

医療保険の役割とは?どんな種類があるの?

日本では公的医療保険は
・被用者保険(雇用されている従業員とその扶養家族が対象)
・国民健康保険(それ以外の自営業やパート・アルバイトの方や被用者保険に加入していない75歳未満の方が対象)
・後期高齢者医療制度(75歳以上の方と一定の障害があると認定された65歳以上の方が対象)
の3つに分かれています。この国民皆保険制度によって国民全員を公的医療保険で保証し、安い医療費で高度な医療にかかることが可能になっています。

それ以外にも公的医療保険だけでカバーできない自己負担分やその他の費用を補うために「民間の医療保険」にも加入することができます。民間の医療保険にはさまざまな種類があるので、保障内容を確認しご自身に合った民間の医療保険を選ぶと良いでしょう。

発達障害があっても生命保険、学資保険、医療保険に入れるの?専門家QA

Q:子どもに発達障害があります。生命保険、医療保険などには加入できるのでしょうか。

A:発達障害があるからといって、それだけで保険に加入できないということはありません。ただし保険契約の告知の際に、本人の情報に嘘があったり、隠し事があったりした場合は、保険金の支払いが拒否される可能性があります。お子さんの状態や病歴を、正直にきちんと伝えることが大切です。
また、告知を求められる項目が一般的なものよりも少ないタイプの保険や、障害がある人のために開発された医療保険などもあります。お子さんの状況に応じた商品を探してみてはいかがでしょう。

Q:学資保険は子どもの発達障害の有無にかかわらず加入できますか?親なきあとも心配で、扶養共済についても知りたいです。

A:学資保険は、被保険者となるのはお子さんですが、保険料を支払う契約者はほとんどの場合両親のどちらかになると思います。告知義務については、契約者である親に対してのみという学資保険があります。こういった商品であれば、お子さんに障害などがあっても加入できるでしょう。
扶養共済は、正式名称は「障害者扶養共済制度」で、その名の通りお子さんに障害があることが加入の条件となります。障害のある子を扶養している親が加入し、加入時の年齢に応じた掛金を毎月一定期間納めることで、加入者の親が亡くなるか重度障害になった後、お子さんに毎月2万円(一口)の年金が、お子さんが生きている間ずっと支給される仕組みです。役所の障害福祉の窓口で申し込むことができます。

Q:生命保険や医療保険の申し込みには「告知」が必要なのでしょうか?どのようなことを告知すればよいのでしょうか。

A:申し込みの際に求められる「告知」の内容は、保険会社によって若干異なりますが、例としては以下のようなものがあげられます。
・被保険者の過去の傷病歴
・被保険者の現在の健康状態
・服用している薬
・告知日現在の入院の有無、入院・手術予定の有無
・過去〇年以内の医師による治療、疾病の指摘の有無・内容
・障害の有無と種類
・ほかの医療保険契約等の情報

Q:発達障害グレーゾーンの場合には「告知」は必要ないのでしょうか?

A:保険を契約する際には、現在の状態を正直に伝えなければならない「告知義務」があります。保険会社から聞かれたことに対して、不利になるかもしれないと考えて障害のことを隠したり、故意ではなくても伝え忘れたりすると、「告知義務違反」となって、契約が解除されたり、保険の給付金が受け取れない場合があります。告知を求められた項目に対して、医師の診断があるのであれば、きちんと伝えましょう。ただ、診断は受けていない「グレーゾーン」の場合は、会社によって判断が分かれる可能性があるので、障害分野に詳しい保険募集人やファイナンシャルプランナーなどに相談してみることをお勧めします。

Q:保険加入以外にも今後の備えなどでできることはほかにありますか?

A:保険に関しては、さまざまな公的な制度があります。
高額療養費制度は、医療費の家計負担が重くなり過ぎないように、1ヶ月の間に医療機関や窓口で支払った金額の自己負担分に歯止めをかけるものです。後日払い戻しを受けられますが、事前に高額になることが分かっていれば、あらかじめ限度額適用認定証を提示する方法もあります。

自立支援医療には、精神通院医療、更生医療、育成医療の3種類ありますが、発達障害の子が対象となるのは主に精神通院医療です。こちらはあらかじめ自治体の窓口に支給認定の申請を行う必要があります。認められれば、指定した精神医療の医院や薬局の支払いの自己負担額を、通常3割のところ1割に減額してもらえます。

また、自治体ごとにさまざまな医療費助成制度を実施しています。事前の手続きが必要なものが多いので、お住いの地域の障害者のしおりやWebサイトなどで確認してみてください。

(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

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