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ヴェルスパ大分 新戦力加入で戦力に厚み、いかにフィットするかがカギ 【大分県】

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攻撃面を強化し、得点力アップを目指す

 継続を重んじる山橋貴史監督は、今季も攻守で「積極的にボールを奪い、ゴールを奪い切る勝負強さ」を求める。このスタイルに選手は慣れている。改めてそれぞれの役割を確認すれば、昨季と同等のレベルで戦うことは可能だ。

 

 しかし、さらなる上を目指すのならば、個々の能力アップは不可欠だ。J3昇格に再挑戦する今季は、過程にこだわり過ぎて結果的に昇格を逃した昨季の反省を踏まえて昇格という目標に向かって、より現実的な戦いが求められるだろう。今季JFLの戦い方を熟知する中村元ヘッドコーチを招へいしたのは、その覚悟の表れでもあるだろう。山橋監督は「勝負強さを身に付けないといけない。同点の状況を勝ち切る、ビハインドを負った展開で引き分けにするとか、最後まで戦い抜くことが必要」と泥くささを求める。

 

 昨季の総得点がリーグワースト3位だったため、得点力アップは急務となるが、ストライカーやアタッカー陣には昨季からの戦力を含め、今季の躍進を期待させる布陣となった。「技術が高く、うまいだけのチームでは怖さがない。多少強引でもゴールを狙うようなプレーが必要」と山橋監督が語るように、昨季終盤に見られた攻撃面での閉塞(へいそく)感を打開すべく、補強が敢行された。

 

今季もゲームメーカーとしてチームを引っ張る瓜生昂勢

 

 そこで新たな武器として期待されるのは、JFLで実績のある今村優介やFKに定評のある浜崎拓磨、さらに攻撃的MFとして10年ぶりにチームに復帰した福満隆貴だ。彼らがアクセントとなり、攻撃のバリエーションが増えれば相手も抑えにくいはずだ。そこへ既存の主力が絡んでいくことで、脅威は格段に増してくる。新加入選手のフィットは、開幕までの最大の課題だ。

 

 4年目を迎える山橋監督が、今季はどのようなチームをつくり上げるのか。昨季の失敗を教訓に競争力のある集団をまとめられれば、粘り強い戦いはできるはず。今季の目標を「勝ち点60取れば優勝できる。1試合平均2点を目標にしたい」と具体的な数字を明示した。手持ちの駒が増えた今季、組み合わせの最大値を弾き出すことができれば、「J3昇格」は自ずと近づいてくるだろう。

 

 J1、J2で多くの経験をつんだ福満隆貴

 

 

(柚野真也)

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