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【倉敷市】やきとり なっちゃん ~ 倉敷市水島でテイクアウトの焼き鳥屋を始めた店主が描くやさしい未来

倉敷とことこ

やきとり なっちゃん ~ 倉敷市水島でテイクアウトの焼き鳥屋を始めた店主が描くやさしい未来

仕事終わりやお出かけの帰り道、「今日は、ご飯を作る元気がないな」と思う日があるかもしれません。

そのようなとき、できれば熱々でおいしいおかずを家でゆっくり食べたいなと、頭に浮かぶ行きつけのお店があればうれしいですね。

倉敷市水島にあるテイクアウト専門の焼き鳥屋やきとり なっちゃん」は、日々の「ちょっと助かる」をかなえてくれるお店です。

「やきとり なっちゃん」のこだわりや店主夏山勝憲(なつやま かつのり)さんのあたたかな想いを紹介します。

やきとり なっちゃんとは

「やきとり なっちゃん」は、店主の夏山勝憲さんが2010年に移動販売からスタートさせたテイクアウトの焼き鳥屋です。

現在、倉敷市水島にある店舗はもともと仕込み場として使用していた場所でしたが、2017年ごろから本格的に店舗営業を開始。今では、水島で人気のテイクアウト専門の焼き鳥店として地域から親しまれています。

できたて熱々の焼き鳥を食べられる

お客様にできたての焼き鳥を食べてほしいという店主の想いから、「やきとり なっちゃん」では、注文してから焼くことをモットーにしています。

焼き鳥を焼くようす

筆者もよく買いにいっていて、焼き立ては特においしいと感じます。急いでいるお客さんの要望に応えるために、焼き置きをすることもあります。

真空パックの販売とケータリングの案内

また県外のかたにも食べてもらいたいと、出来立てをすぐに真空パックにして冷凍したもの全国発送しています。「おいしかったよ」と連絡してくれるお客さんもいて大変好評だそうです。

明るくてユーモアのある店主のなっちゃん

お店の名前にもなっている「なっちゃん」は、夏山さんのニックネームです。

お店で仕込みをする夏山さん

お客さんからも、なっちゃん、なっちゃんと呼ばれ、みんなから愛されているようすがうかがえます。

人気の焼き鳥メニュー

「やきとり なっちゃん」の焼き鳥は、塩味のみ肉本来のうまみを楽しんでほしいという、夏山さんのこだわりが込められています。塩と胡椒だけで仕上げた、シンプルながらぜいたくな一本です。

「やきとり なっちゃん」で販売している焼き鳥は以下のとおりです。

ほかにも、「ハツ」や「心のこり」など仕入れによって追加される焼き鳥もあります。午後7時までの営業ですが、その日仕込んである商品がすべて売れると、早く閉めてしまうこともあります。

ナンコツは大変人気があり、2025年5月現在は予約制で半年以上待ちの状況です

写真提供:やきとり なっちゃん 半年以上待ちの焼き鳥「ナンコツ」

「やきとり なっちゃん」の焼き鳥は、ほぼ国産の鶏肉を仕入れていて、鮮度には特にこだわっています。

さっそくおすすめの焼き鳥を紹介しましょう。

店主おすすめの「ヒネどり」

ヒネどり

店主夏山さんがおすすめするヒネどりは親鳥なので、身がしまっていて弾力があります。噛めば噛むほど味が染み出てきて、肉の甘さが口いっぱいに広がります。

一緒にさしてある玉ねぎがアクセントになってより一層味を引き立てているようです。

何本でも食べられる「手羽先」

手羽先

手羽先は、骨があるので一般的に食べにくいイメージがあります。

しかし「やきとり なっちゃん」の手羽先は、骨がするっと取れるので、パクパク何本でも食べられます。パリパリの皮やわらかい肉が絶妙な味を醸し出しているのです。

しその爽やかな香りが食欲をそそる「しそ巻き」

しそ巻き

筆者も買いにいくと、必ず注文する一品です。
しその爽やかな香り肉が相性抜群で、何度でも食べたくなります。夜ご飯のおかずとしても、満足感のある一品です。

お酒のおつまみにピッタリ「砂ずり」

砂ずり

くせがなくコリコリとした食感で、お酒のおつまみにもピッタリ
噛むほどにじんわりとうまみが広がり、ついつい次の一口に手が伸びてしまいます。シンプルな味付けだからこそ、素材の良さが際立っています。

貴重な部位の「ハツ」

ハツ

ハツは鶏の心臓の部位
名前だけを聞いて少し敬遠していたのですが、一度食べてみるとそのおいしさにすっかりハマってしまいました。ぷりっとした食感濃いうまみがクセになります。なかなか仕入れがないそうなので、メニューにある日はラッキーです。

営業開始時間になると、次々と注文が入り手際よく焼き鳥を焼いていく夏山さん。そのようすからは、お店の人気ぶりがよくわかります。多くのお客さんに愛されている夏山さんに話を聞いてきました。

「やきとり なっちゃん」店主へインタビュー

倉敷市水島でテイクアウトの焼き鳥屋を営む夏山勝憲さんに話を聞きました。

店主の夏山勝憲(なつやま かつのり)さん

「やきとり なっちゃん」の原点

──焼き鳥屋を始めたきっかけを教えてください。

夏山(敬称略)──

水島の焼き鳥屋で8年間修業して、2010年に独立しようと思ったのが始まりですね。

いきなりお店を持つのは難しく、まずは移動販売から始めました。知り合いの紹介で、移動販売するチャンスをもらいます。けれどもお金もなかったので、高速道路を使わず下道で他県まで4時間かけて車で通っていた時期もありました。

半年ほどそのような生活を続けていると、そのうち1日600本以上も売れるようになったのです。

少しずつ「やきとり なっちゃん」のお店の口コミが広まり、岡山県の井原市や鴨方町、笠岡市や里庄町のホームセンターやスーパーマーケットからも声がかかり、他の店舗でも移動販売ができるようになっていきました。

──現在の店舗は、いつから始めたのですか?

夏山──

もともとは仕込み場所として借りていたのですが、2016年ごろからテイクアウトのお店として週に1回オープンするようになりました。そのときは、別の飲食店の手伝いもしながらの販売だったので、本格的に「焼き鳥屋をやるぞ!」と覚悟を決めたのは2017年からです。

一人で焼いているため、普段はお店で販売していますが、イベントに呼ばれた際にはお店を休んで、出店先で焼き鳥を焼いています。

焼き鳥は気持ちで味が変わる

──お店のこだわりを教えてください。

夏山──

使用する素材の9割は国産を使っていて、鮮度にもこだわり、一つひとつ心を込めて仕込みをしています

焼き鳥って、同じ手順で作っても、気持ち次第で味が変わるんですよ。だからこそ、なるべく楽しい気持ちで仕込みに向き合っています。

お客さんには焼きたてを味わってもらいたいので、注文を受けてから焼くスタイルを基本にしています。ただし、急いでいるかたのために、少しだけ焼き置きをしていることもありますよ。

これからの展望

──焼き鳥を通して、これからやりたいことはありますか?

夏山──

ここまでやってこられたのは、本当に多くの人たちに支えてもらったおかげです。だから今は、不登校や障がいがある子どもたち・若者たちに、焼き鳥の技術を教えたいと思い、少しずつ行動を始めているところです。


将来的には、水道光熱費や家賃の負担が少ない“エコビレッジ”のような場所を作って、子どもたちが大人になったときに自分の好きなことをしながら、自由に自立して生きていけるような環境を作りたいです。焼き鳥を通じて、子どもたちの可能性が広がるような未来を作っていくことを目指しています。

エコビレッジ

エコビレッジとは、環境にやさしい暮らしをするために作られた小さな村やコミュニティ(集まり)です。
太陽の光を使い電気を作ったり、住民が協力して野菜を育てたりして、自然と調和しながら無駄のない生活をしています。地球にやさしく、未来の世代が安心して暮らせる社会を目指していることが大きな特徴です。

──Instagramでも想いを発信されていますね。

夏山──

忘れたくないこと初心を思い出すため、自分自身のために書いています。

それを読んで「助けられました」と言ってくれる人もいて、発信して良かったなと思う瞬間があります。夢は語ったほうがいいです。同じ志を持った仲間が集まってくるので、恥ずかしくても発信していくことが大事だと思っています。

知人にプレゼントしてもらったオリジナルTシャツをユニフォームにしている夏山さん

──最後に、読者に伝えたいことがあれば教えてください。

夏山──

焼き鳥は、ただの食べ物ではなくて、人と人をつなぐものだと思っています。誰かの最後の晩餐に選ばれるくらい、大切なものにもなれるのです。

だからこそ、心を込めて焼き続けたいし、若い子たちにその技術と想いを伝えていきたいと思っています。夢を否定せず、「君ならできる」と背中を押せる大人でいたいです。

おわりに

人と人とのつながりに支えられ、苦労を乗り越えて夢を実現してきた夏山さん。

自分には「焼き鳥しかない」と思っていた日々から、「焼き鳥で人とつながり、誰かの力になりたい」と歩みを進める姿は、まぶしいほどに輝いて見えました。

子どもたちに技術を教え、自立を後押ししたいと語る想いは、商売の枠を超えた夏山さんの生き方そのもの。

そして取材の最後に「歌って踊れる焼き鳥屋を目指しています!目標は、すんごくモテることです!って書いてね」と笑った夏山さん。

その言葉には、まっすぐな気持ちあたたかなユーモアが詰まっていました。

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