「不治の病が治った」という言い伝えを持つ竹田市の湧水【鳴瀧湧水】
大分県は温泉だけではなく、綺麗で美味しい"水"の豊かな地域としても有名ですよね。
ということで今回は、環境省HP内「大分県の代表的な湧水」にも掲載される竹田市の『鳴瀧(なるたき)湧水』をご紹介します。
アクセス
鳴滝湧水があるのは、大分県の最大河川である大野川の上流に位置する竹田市入田地区。
大分駅からはおよそ58km。竹田ICを下り、県道639号、県道8号竹田五ヶ瀬線を進みます。
竹田市祖峰小学校と入田分館を2.5kmほど進むと「長小野湧水(鳴瀧)」の看板が見えてきます。
ここからは離合できない道で駐車スペースもほぼないため、この辺りに車を置いて歩いた方が良いかもしれません。
ここから橋を渡り250mほど行くと、看板と鳥居が見えてきます。
この鳥居をくぐり、舗装された道を100mほど歩けば鳴瀧湧水に到着します。
自然と生態系豊かな参道
鳴瀧湧水へは、鳥居をくぐり民家の間を通る参道を歩きます。
鳥居に記されている「鳴瀧神社」というのは高千穂町にある牛馬の安産の神様で、明治時代初期に地域が耕作農業に加えて牛馬の畜産を始めた頃、牛馬の安産を祈願して同神社から分祠されたと言われています。
私がここを訪れたのは5月下旬だったのですが、スイカズラの甘い香りが迎えてくれました。
小川の流れる道を歩いていると、羽が茶色く青みがかった体をしているミヤマカワトンボと思しきトンボが。
清流や山の水が流れ込む綺麗な池の周りなど、人目につきにくい場所で暮らしているのだそうです。
淡水の沢などに生息するサワガニも発見しました!
この時期は木苺や野苺などもたわわに実っていたので、100mほどの参道なのですが中々前に進みません。
鳴瀧湧水とは?
自然を満喫しながら参道を歩くと、鳴瀧湧水が見えます。
「鳴瀧」は名前の通り、落差6mほどの滝がざあざあと音を鳴らしながら流れています。
また、『鳴瀧湧水』は日本名水百選にも選ばれた竹田湧水群の中の長小野湧水の1つで、「不治の病が治った」という言い伝えを持ち瀧の中段には祠が祀られています。
通常"滝"といえば、上から水が流れ落ちているイメージを抱くと思いますが、よく見ると鳴瀧は岩肌から水が湧き出ている様子。
規模の小さな滝ではあるのですが、糸のように流れる水が絶え間なくあふれています。
毎時湧水量は40t。1日の湧水量は960tに及ぶ鳴瀧湧水。
なので日本の一般家庭で使用されている浴槽で例えると、1日4800据えのお風呂に水を溜められるくらいの量が湧いている計算になります。
そのため多少の雨で川の水が濁ることはないそうで、集中豪雨や台風などの影響で大雨となった後も1、2日で清流に戻ってたということです。
短い散歩コースで自然を満喫でき、竹田湧水群の中でも穴場である鳴瀧湧水。
みなさんも是非足を運んでみてくださいね。