アイドル四天王【浅香唯 最新インタビュー】① わたしがステージに立っている本当の意味
浅香唯デビュー40周年!
1985年6月21日、シングル「夏少女」でデビュー。1986年に放送がスタートした『スケバン刑事Ⅲ 少女忍法帖伝奇』の主役、風間唯役で大ブレイク。1980年代後半には、工藤静香、中山美穂、南野陽子と共にアイドル四天王と呼ばれ、アイドルの一時代を築く。
確かに『スケバン刑事』の風間三姉妹も浅香唯を語る上で欠かすことのできないキャラクターではあるが、彼女の軸足は常に《歌》にあった。「虹のDreamer」「C-Girl」「セシル」といったナンバーワンヒット、そしてNOBODYが楽曲を手がけた「恋のロックンロール・サーカス」は今もライブで大きな盛り上がりを見せるキラーチューンだ。
そんな浅香唯のデビュー40周年アニバーサリーとして6月21日にZepp Shinjukuで行われた公演は即ソールドアウト。追加公演が7月19日にCLUB CITTA'(川崎)で行われた。そして、この日の公演の模様が、歌謡ポップスチャンネルで『浅香唯デビュー40周年記念コンサート 追加公演@CLUB CITTA'』として9月21日の夜8時より放送される。
この放送に先駆け、Re:minderでは浅香唯へのロングインタビューを敢行。節目となるの40周年のライブについて、そしてアイドル・浅香唯を今も続けることへの心の内幕、さらには盟友・中山美穂への思いなど、様々な心情をたっぷりと語ってもらった。第1回は、40周年記念公演を終えた今の思いを中心にお届けします。
アンコールではファンが「GOAL」を大合唱
―― 40周年おめでとうございます。先日の追加公演は、浅香さんと観客の気持ちがひとつになって、とにかく楽しいライブでした。ファンの皆さんがアンコールの前に「GOAL」を大合唱したのがすごく印象的でした。あの時はどんな気持ちでしたか?
浅香唯(以下:浅香):私はあの曲を歌うと涙ぐんでしまうぐらい、「GOAL」は思い入れのある曲です。4年半の充電期間を経て復帰した時、ファンの皆さんと集まってイベントをやったんですね。その時みんなで歌った曲でした。それを知っている人も多いと思います。だからみんなで歌う「GOAL」は、その時のことを思い出して泣けるんですよね…。ファンのみんなもそれを分かってくれていたのだと思います。私が歌う「GOAL」ではなく、みんなで歌う「GOAL」が特別なもの。あの瞬間、“素敵なファンの人たちと巡り会えて本当によかった” と思いました。
―― この日のライブは、バンドのメンバーも、観客も、みんなで40周年の追加公演をお祝いしようという気持ちが会場に溢れていました。
浅香:はい!そうですね。私自身もそれを強く感じました。初めて私のライブに来てくれた方もいたみたいだし、若い方も来てくれて…。だからそういう方々が “置いていかれる” ライブには絶対にしたくないという思いが最初からありました。昔からいてくれてるファンの人たちだけで盛り上がる内輪ノリのようなライブにはならないようにと思っていました。それを昔からのファンの人たちも分かってわきまえてくれて、みんなで盛り上がるライブを作ってくれました。
“自由に楽しんでいいよ” という気持ちを伝えたかった
―― 昔からのファンの人たちも、自分たちだけ楽しめればいいという盛り上がり方ではなかったですね。
浅香:そうですね。昔から応援してくれているファンの方や新しいファンの方、久しぶりにライブを観に会場に駆けつけてくれた方々みなさんが戸惑ったり乗り切れずに引け目を感じることなくみんなが同じテンションでいてくれたらいいな~という思いがあったので、嬉しい盛り上がり方でしたね。MCの時に “どうぞ座ってください” って言ったのも、どうしたらいいか分からず戸惑う人がいても嫌だったので… 。
―― そこはみんな助かったと思います(笑)
浅香:私の楽曲って、なかなか座れるチャンスがなくて。MCで “座ってください” と言いながらアップテンポな曲になってしまうこともあります(笑)。でも、みなさんが戸惑わないようにしたいなと思っていたので “自由に楽しんで” という気持ちを伝えたかったんです。ライブをどう楽しむかというのはお客さんの自由にしたいなと。だけど、古くからファンでいてくれる人も初めての人も、同じテンションでいて欲しい。それが実現できたのが嬉しかったですね。自分たちだけが盛り上がろうではなく、周りも一緒にちゃんと乗せてあげよう、連れて行ってあげようとしてくれた人が多かったと思います。
―― ファンの方って、浅香さんのルックスや歌が好きというのは大前提にあると思うのですが、それ以上に心の部分も好きなんだなと思いました。
浅香:そうだと嬉しいですね。ファンの皆さんは、私が心配性で緊張しいなのが分かっていて、“大丈夫だよ” って我が子を思うような気持ちで見守ってくれています。みんなに助けられてステージに立っているなというのは毎回実感していますね。
ステージに立っている本当の意味
―― 浅香さんのファンは女性も多いですよね。
浅香:不思議と昔から女性のファンが多かったですね。私たちの世代のアイドルのファンというと男性が多いと思われがちですが、意外といらっしゃるんです。
―― 今のアイドルって、意外と女性のファンが多いようです。女性が、こうなりたいと憧れる要素が今のアイドルにとっては必須条件だと思うのですが、浅香さんは、ご自身のどういう部分に同性が憧れていると思いますか?
浅香:やはり元気なのかな? その元気というのが、ジャンプして “イエーイ” という元気ではなくて、なんでも前向きに捉えられる生き方としての元気さっていうのかな。見方を変えると脳天気ともいえるのですが(笑)、そのポジティブな元気さに共感してもらえていると思います。
―― 僕も先日のライブを観て “明日も頑張ろう” と思いました。
浅香:ありがとうございます!私は、それがステージに立っている本当の意味なんです。ライブを観終わって “ああ疲れた” ではなくて “楽しかった!よし、明日からも頑張ろう!” というエネルギーになってもらえたらいいなと思ってやっています。
―― それは、デビュー当時からですか?
浅香:そうですね。この思いはずっと変わらないです。
―― それが浅香さんの原点ですね。
浅香:そのためだけにステージに立っていると言っても過言ではないです。ステージの成功とか失敗とかって、上手くできたとか、ミスがあったとかではなくて、ファンの人がどう捉えてくれたかというのがめちゃくちゃ大事ですね。だから、“こうすればよかった、ああすればよかった” と自分目線でステージを振り返るより、ファンの人たちが観終わってどう思ってくれたかのほうが、はるかに大事です。
「ヤッパシ…H!」でドラムにチャレンジ
―― 今回のライブに向けて苦労されたところはありましたか?
浅香:今回は、まず、「ヤッパシ…H!」を歌いながら、ドラムにチャレンジしたことですね。実はドラムって、元々得意でやっていたものではなくて…。楽器の演奏には興味があり、昔シンセドラムの演奏をほんの少しだけやったことがあるんです。でも1回やって、“うわ、難しい” とすぐにやめてしまいました。それから楽器の演奏というものに背を向けて生きてきたのですが(笑)、敢えて、私の人生の中で絶対にやらないであろう楽器にチャレンジしようと思い、2年前ぐらいに “私、40周年のライブでドラムを叩きます!” というのをステージ上で発表しちゃいました。言ってしまえばやらなくてはいけなくなるなと思い、言ったんです。でも “あの宣言をみんな忘れてくれているといいな” なんて思っていたのですが、 “唯さん、ドラムやってますか?” とか “練習始めましたか?” とか、そういうコメントをいただくようになって。
―― 浅香さん、Instagramをやっているからですね。
浅香:そうなんですよ! “うわ、覚えてる” と。逃げられない状況をファンの皆さんに敢えて作ってもらった感じです。それでプロドラマーの夫の指導のもとドラムを始めたんですが、他の仕事が忙しいなどの理由で練習ができないと、これまで覚えたことがゼロに戻ってしまうんです。それで、 “すみません… もう1回ゼロからお願いします” みたいに数ヶ月後に再開するとか。そういう繰り返しでした。それで1曲を通して叩くのが無理だったら、間奏を叩くぐらいでもいいかなと思っていたのですが、夫が “いやいや、1曲叩こうよ” と。
―― 歌いながら叩くというのは難易度が高いですよね。
浅香:ドラムって、本来は力んではいけないのですが、それも「ヤッパシ…H!」という明るく歌う曲の場合だと、そのバランスが難しくて…。ドラムのリズムと歌う時のキャラクターが合わないんですよ。だから最初は、叩くだけで精一杯でした。歌えるどころではなかったですね。だから叩きながら歌えるようになるまではかなりの時間がかかりました。
―― かなりの特訓だったのですね。あの時のドラムはお世辞抜きで、いいドラムだなと思いました。力の抜き具合とか、味のあるドラムでした。
浅香:夫から見れば、直したいところはたくさんあったみたいです。本当のドラマーを目指すのであれば、課題点はたくさんあるけど、浅香唯の良さを残そうと思ったら余計なことを言わない方がいいと思ったと。
―― 確かに浅香唯のドラムでした!
浅香:そうらしいです。私には正解がわからなくて、正解はプロの人が叩いたドラムということになりますが、そこではなく、“浅香唯らしさ” を残してくれました。
――「ヤッパシ…H!」で叩こう!と思ったのも、みんなに楽しんでもらえたらということですよね。
浅香:そうなんです。 “私を見て” というよりも、みんなで楽しもう!というのが大前提にあったので。
レコードを出した当時の私にできるだけ寄せて、乗り移らせて、思い出して
―― あの場にいた人は、「ヤッパシ…H!」でドラムを叩いた浅香さんを何年経ってもずっと覚えていると思います。以前にインタビューさせてもらった時、「ヤッパシ…H!」を歌う時は自分に少女が憑依するというお話をされて、それがすごく印象的でした。今もそんな感じですか?
浅香:どの曲もそうですけど、レコードを出した当時の私にできるだけ寄せて、乗り移らせて、思い出してというのを心がけています。当時はこんな気持ちで歌っていたなとか、私が「セシル」の主人公だったらこうだなとか。曲の中にいる女の子に寄り添ったキャラ設定をしています。
―― ファンの人たちも懐かしさを楽しむのではなく、今を楽しんでいる感じがしました。
浅香:「C-Girl」も私が “もうさすがにガールじゃないけどね” と言いながら歌っていた30代とか、迷いがあった時代もありました。今「C-Girl」を歌っていいものなのかと。アイドルと言われることにも抵抗を感じる時期もありました。だけど、そういったことを振り切ってから、より歌詞の世界に入り込めるようになれましたね。
インタビュー第2回では、アイドルとしてデビューした10代から今に至るまでの心境の変化を中心に語ってもらいました。
Information
浅香唯デビュー40周年記念コンサート 追加公演@CLUB CITTA'
40周年を迎えた浅香唯の記念コンサートをテレビ初放送!今回のステージでは、アイドル時代の数々のヒットナンバーから最新曲までを歌唱、さらにドラム演奏にもチャレンジする。
▶︎ 放送局:歌謡ポップスチャンネル
▶︎ 放送日時:2025年9月21日(日)20:00〜22:00