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ジグザグのガイド配置で感度が1.7倍向上?「とれないアタリをとる」バスロッドの秘密

つり人オンライン

ジグザグのガイド配置で感度が1.7倍向上?「とれないアタリをとる」バスロッドの秘密

 バスがルアーをくわえても、釣り人は気付いていない──30年前、アメリカのビデオでその事実を知った青木哲さんは、以来「とれないアタリをとる」を自身のロッド作りの課題に据えてきた。転機は7年前、「ZIGZAGガイドシステム」の発明である。小口径すぎないガイドを左右交互に並べるだけで感度は1.7倍。ロッドにかける魔法の正体とは─。 

写真と文◎Basser編集部

1986年に日本初のバスフィッシング専門誌として創刊された『Basser』の編集部。バスフィッシングのテクニックだけでなく、日本や本場アメリカのトーナメントシーン、ムーブメントを伝え続けてきた。

ZIGZAGガイドシステムが生まれた理由と感度向上の仕組み

かつてアメリカのバスフィッシングのビデオを見た青木哲さんは「アングラーは想像以上にアタリに気付いていない」という事実を知る。それはアングラーと水中を同時に撮影した作品だった。バスがルアーをくわえても釣り人は気付かず、反転後にはじめてフッキングするケースが多発していた。

それが30年前。以降、「とれないアタリをとる」は青木さんのロッド作りにおける大きな課題となった。急な前進があったのは7年前。「ZIGZAGガイドシステム」の発明である。

青木哲(あおき・さとし)1971年7月19日生まれ。大阪府出身。兵庫県・西宮市にてプロショップ「擬似餌屋」を営む。ジーニアスプロジェクトを主宰しロッドやリール、カスタムパーツ、シンカー類など小物を開発。トーナメントアングラーでもあり2025年はJB TOP50にエントリー。

マイクロガイドの長所と短所を研究して生まれた発想

当時、感度向上に繋がるアイデアとしてマイクロガイドが登場。ガイドを小口径化し個数を増やすことでラインとロッドの接点が増え、それが感度を高めた。しかしマイクロガイドにはラインの遊動範囲を狭めすぎてしまう作用もあった。結果的にルアーのアクションを抑えてしまったり、ラインスラックが出にくくなることでバイトが遠くなるケースも考えられた。マイクロガイドのメリット・デメリットを研究した結果青木が生みだしたのがジグザグガイドシステムだった

青木が手掛けるロッド「グラビアス」と「ザグレウス」は全11機種すべてにジグザグガイドシステムが採用されている

ティップから4~5個のガイドをジグザグに配置する狙い

小口径すぎないガイドをジグザグに配置することで、ラインが弛んだ状態でもガイドとの接点を増やす。たったそれだけのことが劇的な感度の向上につながった。すべてのガイドを対象にするわけではなく、あくまでティップから4もしくは5つのガイドをジグザグに配置。結果的に飛距離や操作感を犠牲にすることなく高感度化に成功。ちなみにすべてのガイドをジグザグにすると飛距離に影響が出てしまううえ、ロッドの重量バランスが崩れてしまった。

飛距離を落とさず、なおかつ見た目もそこまで違和感がないのが5個前後のガイドをジグザグに設置するパターンだった。

ティップガイドは通常のセッティングだが、そこから1~5個のガイドがジグザグに配置されている。ジグザグガイドの個数を掘り下げていくと、感度とバスフィッシングの関係が見えてきた

初めて釣りをした人でもわかるアタリの違い

ロッドは感覚的なタックルであるがゆえに、素材や技術の進化によるそのメリットをすぐに体感しにくい場合がある。しかし、ジグザグガイドシステムと通常のガイドセッティングの差はその日初めて釣りをした人でも判別可能なほどわかりやすい

ラインが張った状態でズル引きをした際の凹凸察知などはもちろん、ラインが弛んだ状態でライトリグをステイさせているときもハッキリしたアタリが出ることが増える。また、ラインを張らず緩めずの状態でタイトアクションのミノーを優しく巻く際のアクションの伝わり具合などがまるで変ってくる。たとえば小型のスイムジグにシャッドテールをセットし、テールの揺れを感じてみる……といった比較がもっともわかりやすいかもしれない。ミドストが得意なプロスタッフからは「手もとの感触でチェイスがわかるようになった」という声も上がった。

通常のガイドセッティングと比べると感度は1.7倍向上(ラインを張った状態)。ラインが弛んだ状態だと、通常のガイドだと手もとに伝わらないものを感じられるようになる

三原直之はなぜジグザグ3個を選んだのか

興味深い話がある。ジーニアスプロジェクトのスタッフであり、青木が製作するロッドやリールを愛用する三原直之さんだが、ジグザグガイドには最初は興味を示さなかったという。「サイトが主体なので感度はいらない」というのが理由だった。

三原直之は自身のシグネチャーロッドを設計する際、青木にガイドセッティングを依頼。ジグザグ配置のガイドの個数を試行錯誤した

グラスコンポジットの巻き物ロッドにジグザグを採用した理由

しかし、自身のシグネチャーロッド「ロデオライドリバイバー700MH-Gテンファイブ」にはジグザグガイドを採用。テンファイブはグラスコンポジットの巻き物ロッドだ。グラスコンポジットに感度を求めるとはこれいかに……。

三原「ジグザグのほうがアベンタRSをデッドスローで巻きやすい。ラインが弛んだ状態で巻いて、ラインの重みでルアーを動かすようなイメージの釣りです。ジグザグが適度な抵抗を生んでくれて、引き感が気持ちよくなるのと、細かいニュアンスを反映させやすくなるんです

流れ込みでバイトを得た三原。ラインが弛んだ状態でも変化を感じ取れるのがジグザグガイドの強み

試行錯誤の末に落ち着いたジグザグ3個という塩梅

しかし、通常の「ジグザグ5個」だと三原にとっては気持ち抵抗が強くなりすぎた。「ラインがルアーを引っ張りすぎる」と感じたという。試行錯誤のなかで一度はノーマルのガイドセッティングに戻したこともあったが、最終的に「ジグザグ3個」に落ち着いた。それがいい塩梅だったのだ

青木「ロッドはバスを釣るための道具ですから、感度がすべてじゃないですよね。たとえば感度がいくら高くなってもルアーのアクションを殺す方向性だとダメだし、人間側の感度がイイってことはバスも違和感をもちやすいってことです。釣り方によってラインが張りっぱなしの釣りもあるし、スラックが常に出ている場合もありますよね。そういった諸条件を加味してセッティングを決めています」

ジグザグガイドシステムはロッドにかける魔法である。まずは一度その違いを味わってほしい。

ジグザグ3個のセッティングに落ち着いたシグネチャーロッドでキャッチした一尾

※このページは『Basser 2026年8月号』に掲載した記事を再編集したものです。

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