大海原に漕ぎ出す醍醐味! ゴムボートフィッシングの魅力と出船までのステップ!
みなさんは普段、どこで釣りをしていますか? サーフ、管理釣り場、乗合い船、河川敷…。釣り場は数多くありますが、私のオススメは船外機付きゴムボートでの釣行です! ゴムボートと聞くと、「不安」だとか「危ない」というイメージを持つ人がいますが、決してそんなことはありません。
そんなゴムボートフィッシングの魅力と出船までのステップについて、ボート購入から今の愛艇にたどり着くまでといった、私のボート遍歴を交えてお話したいと思います。
ゴムボートで漕ぎ出すまでのステップ
今からさかのぼること約10年。職場の先輩に誘われて海釣り公園や管理釣り場で釣りを楽しむようになったころのことです。その先輩が小型船舶免許を取得し、ゴムボートを購入。サーフから出すとのことで、同行することとなりました。
初めて見る船外機付きのゴムボート。「こんなもので海に出て大丈夫? 無事に帰ってこられる?」というのが最初の印象でした。結局、初めての釣行での釣果はゼロでしたが、すぐに大海原へ出るという冒険に引き込まれてしまいました。そして同時に、楽しそうに操船している先輩を見て、「自分も船長になりたい!」とも思いました。
そのあとも何度か先輩のゴムボートに乗せてもらい、ボートシーバスや手漕ぎボートなども堪能するうちに、「自分で自由にポイントを探ってみたい」という気持ちが日増しに強まっていきました。
そして、初めてのゴムボート釣行から半年後。ついにそのときが訪れたのです。
初めてのマイボート購入
インターネットで「2馬力 レンタルボート」と検索し、神奈川県逗子市にある「マリンボックス100」さんへお邪魔。なんと、初めて船外機付きの2馬力レンタルボートを操船する機会に恵まれました!
初めての操船ということで、エンジンの始動方法すら分からず不安な気持ちでいっぱいでしたが、スタッフの方が懇切丁寧に教えてくれたお陰で無事に出船! 2馬力エンジンだと全速力でも10km/h程度ですが、海風を受け、陸上よりも速く感じました。
この日の釣果は、カワハギ3尾ほか、メバル・カサゴ・アジ・イナダなど。釣果がまずまずだったことも手伝って、完全に自分でボートを操る楽しさを覚えてしまいました。
記念すべきマイボートでの初釣行で53cmのクロダイをゲット!
このことがきっかけでその後、ゴムボートへの情熱を含め、ゴムボートを所有していた友人に相談したところ、なんと友人のゴムボートと2馬力エンジンを安く譲ってもらえることになったのです!
2馬力エンジンであれば免許は不要で、車のように名義変更も必要ないことから、早速、翌週の休みにサーフエントリーで念願の船長デビューを果たしました。そして記念すべき初釣行で53cmのクロダイを釣り上げることができたのです!
それからは、海況がよければ毎週のようにゴムボート出船をしました。まさに車の免許を取得したころのような気持ちでしたね。
私の場合は、初めてのゴムボートを新品で購入するのではなく、友人から安く譲り受ける(中古艇を購入)ことができました。初めて所有するには、いろいろと分からず不安ななかで、さまざま情報を収集したり、出費が嵩んだりするのはハードルが高いもの。もし可能であれば、知人を頼るのがいいかもしれません。
しかし、そのように都合よく知り合いがいない場合は、各ボートメーカーでさまざまなイベントやキャンペーンを展開していますし、大手釣具店さんに話を聞いてみるのもよいかと思います。
実際に私が新品のゴムボートを購入したときは、行きつけの釣具店(上州屋)の店員さんからカタログを渡され、『わくわくキャンペーン』というお得なセットを勧められたことから購入に至りました(笑)。
快適・安全のために艤装は大事!
「艤装(ぎそう)」とはあまり聞き慣れない言葉だと思いますが、限られた(ボート内の)スペースの中で実用的・効率的な物を作ったり装着したりする、いわばカスタムのことです。
ゴムボートはそのサイズ感から、1~3人ぐらいの少人数での釣行に最適だと思います。いかにして釣りをしやすいようにするか、ゴムボートの醍醐味はココにあるといっても過言ではないと私は思っています。
ゴムボーターのなかでは艤装について盛んに情報の共有や交換がされています。私も魚探の新調や既製品の3連ロッドホルダーの装着、認証旗用のホルダーの自作などを行ってきました(ほかにもたくさんの艤装を施していますが、それはまた改めて…)。
認証旗用のホルダーやロッドホルダーなど、安全・快適に好みで船上を艤装しています
艤装する際には、「快適かつ安全に」ということを意識しています。とくに安全装備で欠かせないのが「認証旗」です。ゴムボートは一般的には全長3m前後ですので、広い海の中で少し岸から離れるだけですぐに見えなくなります。波間にもまれても同様です。ほかの船舶に認識されにくいので、必ず認証旗を掲げるようにしています。
自分好みのボートを手に入れるまで
私は今のゴムボートが5代目となります。乗り継いできたボートそれぞれに思い入れがあります。少しだけ私のボート遍歴を…。
初代から4代目まで
初代は前述の友人から安く譲ってもらった海外製の「ゾディアック」というゴムボートでした。このボートは必要最小限の装備で、チューブに台座を付ける、ロープローラーを付けるといった艤装をした程度です。
少しサイズが小さかったこともあり、1年ほど乗って一回り大きいサイズに乗り換えることにしました。
2代目は小型船舶免許を取得したあとに、「分割式FRPボート」をネットオークションにて購入。エンジンも免許が必要な、これまでより少し大きな出力のものにしました。
何度か使用しましたが、釣行頻度の多い私にとっては可搬性が重要であることを痛感したため、再びゴムボートを考えるようになりました。
3代目は同じくネットオークションにて「ジョイクラフト」というゴムボートを購入しました。このときに前述の友人から6馬力エンジンを安く譲ってもらいました。
ボートは5人乗りで登録しましたが、実際には2人までしか乗ったことはありません。すると今度は、逆にサイズを持て余してしまい一回り小さいものを考えるようになりました。
そして4代目は、3代目をダウンサイジングした同じ「ジョイクラフト」のゴムボート。こちらは初めて新品で購入。3代目に比べて少し軽い点と、新型のため剛性や走破性が上がっている点が決め手となりました。ドーリー(車輪)もエンジンをチルトせずに運べる大型のものにしました。
ついでに、このころはフィールドによってエンジンを使い分けたいと考えていたので、2馬力エンジンも購入したといった具合です。
そして現在の愛艇へ
つい先日の話ですが、前述の友人から5代目となるゴムボートと9.8馬力エンジンを購入した私。9.8馬力エンジンは以前から憧れていたもので、エンジンだけを購入したかったのですが、友人に「ボートだけ残されてもなぁ…」と言われたのでまとめて購入しました(笑)。
過去のゴムボートは「PVC」というポリ塩化ビニル系素材のもので、初心者でも扱いやすいとされるものでした。しかし今回の5代目は、「CSM」というゴム系素材を使用した「アキレス」のゴムボート。素材が柔らかく走破性も十分と感じたため、3年使用した4代目を手放し、現在はゴムボート1艇でエンジン2機を使い分けています。
どういったところが魅力か?
ゴムボートの魅力はなんと言ってもその「可搬性」のよさはもちろん、自由にポイントを探ったり、広い海での釣りをマイペースに堪能できる点だと感じています。ポイントが絞れずにボウズで納竿することも多々ありますが、休日にゆっくりと大海原に浮かぶことで、とても幸せな気分を味わえるのは最高です! 釣果がよければなお嬉しいですけどね!
また、ゴムボーター仲間が増えたことで、より楽しく安心して釣行できるのも魅力ですね!
ただし注意点としては、事前に当日の海況を入念にチェックすることや、ライフジャケットほか法定備品の確認など安全面への配慮は重要。注意報や警報が発令されていないか確認をして、少しでも不安を感じるようであれば日程を再調整する英断も必要です。
私は以前、ライフジャケットを忘れてしまったことが一度だけあり、そのときは出船を諦め(泣く泣く)帰宅しました…。海上でトラブルが起きてからでは取り返しがつかないので、これから始められる方も無理をせず、安全への配慮は怠らないようにしましょう!
といったワケで、ここまでゴムボート釣行についてお伝えしましたが、2馬力エンジンであれば免許不要なのですぐにでも始められます。オカッパリでは釣れないような魚をねらうこともできますし、釣れないときのクルージングも楽しいものです。ただし、海況の事前チェックを必ず行うことや安全装備の積載など、海上でのルールやマナーを守ることはお伝えした通り。
安全面をクリアすれば、とても楽しく可能性が広がる釣りスタイルですので、ぜひ一緒に大海原に出掛けましょう!
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レポーター
プロフィール:城戸 祐介
釣り歴10年、ゴムボート歴9年。エサ釣りから始まり、最近ではおもにSLJやタイラバ釣行を神奈川や千葉で楽しんでいます。ゴムボート釣行の魅力をみなさんに知っていただくと同時に、ゴムボーター仲間を増やしていけたらと思っています。「きんどん」という備忘録をYouTubeにて公開していますので、よかったらチャンネル登録をお願いします♪
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