サカナ好きにオススメの夏休み自由研究テーマ:口が長いサカナの不思議を調べてみよう
まっすぐ長く、そして鋭く伸びたカジキの上あご。突出して見える、サヨリの下あご。一体何に使うの?と、不思議に思った事は無いだろうか。今回は、夏休みの自由研究向けテーマとして、口が長い魚に注目していきたい。
魚には様々なフォルムがある
自然界には実に多種多様な魚が生息しており、その殆どが釣りの対象魚として認知されている。その中にはやたら口が目立つ魚達も存在する。今回はその中から以下の魚たちと、その釣り方に注目していきたい。
カジキのなかま
口が目立つ魚と言えば、だれもが真っ先に思い浮かべるのはカジキではないだろうか。上あごは著しく突出し、もはや口ではなく吻(ふん)と呼ばれる部位を形成している。流石にカジキを釣るのは現実的ではないが、主にトローリングや大型ルアーのキャスティングで釣られている魚だ。
サヨリ
釣りの対象魚として身近なサヨリは、カジキとは逆に下あごが見事に突出している。こちらは堤防からでも簡単に釣ることが出来るので、アミエビやコマセを撒きながら、ウキ釣りで釣るのがオススメだ。
ダツ
先の二種と違い、ダツは上下のあご両方が見事に突出している。ダツが多い海域でない限り、狙って釣るのは少々難しいが、ルアーや小魚餌のノマセ釣りに時折釣れてくる事がある。
カマス、タチウオ
先の三種に比べると控えめではあるが、これらも他の魚と比べると口そのものがやや突出して見える。もし釣るなら、カマスは専用仕掛けを用いたサビキ釣り、タチウオは引き釣りやウキ釣りがオススメ。どちらもフィッシュイーターなので、ルアーで狙ってみても面白い。
何故口に注目するのか?
我々が楽しむ釣りという遊びは、アユの友釣りを除くと、エサを食べる魚の習性を利用して「魚の口に針を掛けて」釣り上げる。という事は、「魚の口」を知る事がとても大切だ。ここでは、著者が考える研究の材料を紹介したい。
口の形状に合わせた針
日本人は、太古の昔から釣りを楽しんできた。その結果、多種多様な魚の口の形状に合わせた針や釣り方が各地に存在する。研究のネタとして、釣りの対象魚に合わせた「釣り針」に注目してみると面白いはずだ。
エサに注目してみる
これらの魚たちが、「普段どんな餌を食べているのか」「どのような食べ方をしているのか」といった事に注目してみると、何故こんな口の形状なのかという答えが見えてくるはずだ。特にカジキは実に面白い生態(口の使い方)をしているので、是非調べてみてほしい。
体も長い?
口が突出している魚は、シルエット全体も総じて細長い。こういった理由を調べてみても面白いはずだ。
実際に調べてみよう
では、口の長い魚達について、実際に調べるにはどうしたらいいのだろうか。ここでは、著者が考える方法を紹介しよう。
水族館へ
大型の水族館であれば、カマスやサヨリ、タチウオを展示している場所もある。ダツがいる水族館もあるだろう。生きたカジキを展示している場所はおそらく無いが、骨格標本や生態を紹介している水族館ならあるかもしれない。是非、夏休み中に足を運んでみてほしい。
YouTubeを活用
YouTubeの映像の中には、カジキが狩りをしている動画や、魚の捕食シーンに着目した動画も多数存在するので、実際に視聴してみるのがいいだろう。
ネット記事や図書館
詳しい図鑑であれば、体の特徴や理由を詳しく説明しているし、ネット記事でもこれらの情報は容易に手に入る。図書館に行って様々な図鑑を見てみたり、ネットでも色々と調べてみよう。
釣ってみる
流石にカジキは現実的ではないが、タチウオやカマス、サヨリなら堤防からでも十分に狙えるし、ダツがヒットするポイントもあるはず。生きている姿をその目で確認して、よく観察してみてほしい。
自由研究材料としての注意点
今回のテーマを自由研究の題材にするにあたって、注意してほしい点を紹介しよう。
丸写しにならないように
先述したように、今は図鑑やネット記事で多くの情報が手に入る時代。今あなたが読んでくれている、この記事もそうだ。それだけに、読んだことをそのまま丸写しにすることは避けよう。読んだ情報を細かく分析しつつ、時折自分自身が感じた事や疑問、それについての考察も書いていくのがオススメだ。是非、「自分の言葉」として表現してみてほしい。
絵をふんだんに使いたい
写真を掲載するのもいいが、魚の口を比べている絵や、口に合わせた釣り針の形状や特徴を絵で表現するとより分かりやすくなるはず。自分が感じる「ココが面白い」といった点や、「ココが特徴的だ」と思う説明書きも書き加えておこう。
鋭い歯に注意!
今回紹介する魚の中でも、タチウオやカマス、ダツは大変歯が鋭い。うっかり口周辺を触ると大けがに繋がるので、生きているうちは絶対に口周辺を触らないでほしい。また、死んだ後でも、歯に触れる際は軍手をする・直接触らないなどの対策を行ってほしい。
魚の口って面白い!
今回は「口が長い魚」に注目して書いてみたのだが、この他にも「おちょぼ口」であるカワハギの仲間や、「硬くて強靭な歯」を持つイシダイ・イシガキダイ・コブダイ等の魚、「たらこ唇」のカレイの仲間、「口が飛び出す」マトウダイなど、口が面白い魚はまだまだ沢山存在する。この夏は是非、「魚の口」に注目して、自由研究を頑張ってみてほしい。
<荻野祐樹/TSURINEWSライター>