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豆と油脂分を合わせる。フレンチの技を駆使した独創的な豆「レストラン ラ フィネス」杉本敬三さん

料理王国

豆と油脂分を合わせる。フレンチの技を駆使した独創的な豆「レストラン ラ フィネス」杉本敬三さん

RED U-35の覇者で、初代グランプリを受賞した杉本敬三さん。「レストランラフィネス」のオーナーシェフとして、フレンチ・ガストロノミー界の注目を浴びるこの実力派シェフは、「豆」というテーマについて、「面白い」と目を輝かせる。

自分なら、どんな豆料理を作るだろうか――。「ソラマメやグリーンピースが旬の時期なら、それを食材に選ぶでしょうね。〝味噌汁〞という和のタイトルで、見た目はフレンチ、というのも面白い。米のタルトと味噌やチーズを組み合わせるアイデアもいいかもしれません」。

黒豆と豚足に着目 7時間煮込んだコンソメを

発想は次から次へと湧いてくる。つねに和と洋が杉本さんの中でクロスオーバーしている。それが原動力であり、シェフの料理の魅力となっているのだ。「豆が主原料の調味料を使って、中華っぽい料理もアリだと思います」

しかし、杉本さんの「レストランラフィネス」で供するとなると、フレンチの枠は外せない。しかもガストロノミーである以上、家庭では絶対に使えないような非日常の食材や調理法にこだわりたい。最上の食材を仕入れ、コストも手間も惜しまないのが杉本流。そんな杉本さんが今回選んだのは、乾燥させると黒豆になることから「丹波黒」と呼ばれる京丹波の枝豆と、乾燥のレンズ豆だ。

フランス料理における豆使いのルールは、豆と豚肉などの油脂分とを合わせること。

杉本シェフは黒豆と豚足に着目した。ただし主役は豆。豚足が主張しすぎてはいけない。そのため、豚足は10回ほどゆでこぼしてから香味野菜を加えて煮込んだ。こうすると、ほどよい脂とゼラチン質が感じられる上品な仕上がりになる。これを細かく刻んで片面のみをカリッと焼い

メイン食材の黒豆は、京都の錦市場から仕入れている。普通の枝豆よりゆで時間が長い。今回の料理では、7分ほどゆで、豆をさやから出してひめかわをむいたら、東京シャモのコンソメの中で、さらに3分間ゆでた。

「レンズ豆、黒豆、豚足、トリュフ」は、トリュフの香りを逃さないようにワイングラスで蓋をした状態で提供する。

納得のいく料理を作りたいから、高級な食材も躊躇なく仕入れる。それを機械に頼らず、感性で調理するのが料理人の醍醐味だと思う。

【レシピ】レンズ豆、黒豆、豚足、トリュフ

器にレンズ豆入りのクレープ、スライスした黒トリュフ、小さく切って片面を焼いた豚足、東京シャモのコンソメに浸しておいた黒豆を重ね、その上に、豚足のピュレの薄焼きをのせた。

材料(作りやすい分量)

◦黒トリュフのガレット
レンズ豆…100g /卵…1個/小麦粉…大さじ3/黒トリュフ…8g /水、牛乳…各適量
◦豚足
豚足…10kg /水、ブイヨン…各適量/タマネギ…2個/ニンジン…2本/セロリ…2本
◦東京シャモのコンソメ
東京シャモ(メス)…15㎏/水…適量/タマネギ…3個/ニンジン…3本/セロリ…3本
◦その他
黒豆、塩、オリーブオイル…各適量

作り方

1.東京シャモは、モモと胸肉を外してミンチにする。残りの肉やスジや皮は鍋に入れ、水、タマネギ2個、ニンジン2本、セロリ2本を加えて7時間ほど煮込み、裏漉しして冷ます。
2.1でミンチにした肉とタマネギ1個、ニンジン1本、セロリ1本を入れて、静かに煮込み、透き通ったコンソメにする。
3.もどしたレンズ豆に水を入れて1時間ほどゆで、ミキサーにかけてから裏漉しして、レンズ豆のピュレを作る。
4.卵1個、小麦粉大さじ3、適量の牛乳と、3のレンズ豆のピュレを混ぜてクレープの生地を作り、フライパンにオリーブオイルをひいてこれを焼く。カリッと焼き上げたらセルクルで抜く。
5.10㎏の豚足を10回ほどゆでこぼしたら、ブイヨンとタマネギ、ニンジン、セロリとともに2時間ほど煮る。骨を取り除いて広げた状態でさましておく。
6.豚足の身のきれいなところは黒トリュフのガレットにのせる具に使う。細かく切り、テフロン加工のフライパンで油をひかずに片面だけカリッと焼き上げる。
7.6で使った以外の豚足は、水と一緒に(豚足:水=1:1)火にかけて沸騰させる。粗熱がとれたらミキサーにかけて裏漉しし、テフロン加工のフライパンで油をひかずに薄く伸ばして焼き上げたら、4と同じセルクルで抜く。
8.黒豆を塩でもみ、水で洗って7分ぐらいゆでる。さやから出してひめかわをむき、2のコンソメ(適量)の中に入れて、さらに3分間ゆでたら、蓋をしたまま置いておく。
9.器に4を置いたら、スライスした黒トリュフ、6の豚足(適量)、8の黒豆(適量)の順に重ね、さらにその上に7の豚足の薄いキャラメリゼをのせる。
10.トリュフの香りを逃さないように、9にワイングラスで蓋をしたら、8のコンソメを少し温めて豆を除いたスープ(約50g)とともにサーブする。

Keizo Sugimoto

1979年、京都府生まれ。辻調理専門学校に学び、19歳で渡仏。23歳でミシュラン一ツ星店「ボン・ラブルール」のシェフに就任した。フランス南西部を中心に6つのレストランで12年間研鑽を積んで帰国。2012年に独立し、翌年、「RED U―35」第1回大会で栄えあるグランプリを手にした。

上村久留美=取材、文 星野泰孝=撮影

本記事は雑誌料理王国242号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は242号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。

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