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楽しいチームがいい? 厳しいチームがいい? 6歳児のチーム選び二択問題

サカイク

子どものサッカーチーム選びの悩み。強くないけど楽しいチームが良いのか、上手くしてくれる厳しいチームがいいのか......。

下の兄妹もいて少年団の手伝いはできないし、スクールは近所にない。低学年から家族の時間もなく過ごすのはちょっと、と思うけど、楽しさ重視のチームを選んでいずれプロになりたいと言い出したら周りに追いつけないかも? どんなチームに入れればいいの? というご相談。

今回もスポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、これまでの知見をもとにお子さんにとって一番いい環境の選び方をアドバイスします。
(文:島沢優子)

(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)

 

<<威圧的なコーチに叱られ泣く7歳の息子。抗議する勇気もありません問題

 

<サッカーママからのご相談>

はじめまして。子どものサッカースクール選びについてのご相談となります。

小学校1年生(6歳)の子どもがサッカーをやりたいとの事で現在クラブチームを探しています。

幼稚園では園のサッカースクールで少し習っていましたが、小学生となった現在、なかなか近くにちょうど良いチームがなく、その中でも2チーム候補があります。

1つはみんなで楽しくという感じで、試合の成績はあまり良くないとの事。少年団に近い感じです。試合も少年団との試合が多いようです。もう1つは気合が入っており、1年生から選手コース選択のみで、3年生から土日どちらも練習のコースのみのチームです。

スポ少はまだ幼い妹がいる事を考えるとお手伝いも厳しいので、クラブチームで検討しています。サッカースクールは近くにありません。

楽しい方が良いのか、 厳しくても上手になるチームが良いのか......。我が子は、私が言うのも変ですが下手ではない感じです。

本人も時にサッカー選手になりたいと言ってみたり、ほかのスポーツも気になってみたり、など心はまだ定まっておらず、ただ純粋にサッカーが楽しいという感じです。

親としては正直まだ家族の時間をゆっくり過ごしたいし、低学年からガツガツはなぁ......という気持ちが本音です。

けれど、サッカーやるにつれ、プロになりたいと本人が思うようになったら? 逆に最初からガツガツさせて、サッカー自体嫌になったら?  などと考えて、答えが出ずにいます。

息子の気持ちが1番ですが、少しでもサッカーの事やクラブチームの事を聞いて子どもと判断したいと思っています。両親がサッカー未経験で知識もなく困っております。ご意見宜しくお願い致します。

 

 

<島沢さんからの回答>

ご相談ありがとうございます。

息子さんはまだ1年生。サッカーの入り口にたったばかりですね。さまざま心配が付きまとうのも理解できます。「最初が肝心。なるべくいい環境に」と思うのが親心でしょう。

 

■子どもにとって「一番いい環境」とは?

では、お母さん、息子さんがサッカーをする「一番良い環境」って何でしょうか?

1)楽しくできなくてもいいから強いところが良い。
2)コーチたちからガンガン怒鳴られても、歯を食いしばって耐えるのがスポーツだから、そういう環境で良い。
3)親御さんも勝ちにこだわって子どもに厳しくするチームのほうが、覇気があって良い。
4)うまい子だけが試合に出ても、勝ちにこだわるからであって、競争心を植え付ける環境としては良い。

いかがでしょうか? 「いやいや、島沢さん大袈裟ですよ。今時そんなチームありませんよ」と思われますか?

子どもが小さいとき、親が考えなくてはいけないのは、まずはリスク管理だと思います。お子さんの心身の安心安全が守られるところが第一条件です。もちろん、厳しく指導しているところがすべて危険とは言いません。

もし、お母さんのイメージする「厳しさ」が、コーチが怒ったり強い口調で叱責するようなものであれば、そのような厳しさは少年サッカーには必要ないと私は考えます。

 

■クラブを見る際に気をつけたいポイント

前回の連載「威圧的なコーチに叱られ泣く7歳の息子。抗議する勇気もありません問題」で、私が考える「クラブを見る際に気をつけたいポイント」を挙げています。

1)子どもが笑顔で楽しそうにサッカーをしているか。
2)子どもだけでなく、コーチの方たちにも笑顔が見えるか。
3)見ている親たちが子どものプレーに対し、暴言やネガティブな声掛けをしていないか。
4)試合は全員出場できるか。

こちらを参考にしていただき、今一度、ご家族、息子さんと「良いチームってどんなチームだろう?」と話し合ってみてはどうでしょうか?

そのうえで、ご両親の意向も息子さんに話してみましょう。お母さんは「親としては正直まだ家族の時間をゆっくり過ごしたいし、低学年からガツガツはなぁ......という気持ちが本音です」とあります。

であれば、お母さん一家にアジャストしたチームは「家族の時間もゆっくり持てて、低学年からガツガツサッカーをやらせないところ」になりますね。

 

■まだ6歳、成長過程でチームを変えることもできる

そのように考えるにあたって、以下のお母さんの「心配」が頭をもたげているようです。「けれど、サッカーやるにつれ、プロになりたいと本人が思うようになったら?」と心配されています。

お母さん、息子さんはまだ6歳です。

本人が自分からプロになりたいと願い「もっと強いチームでやりたい」「もっと強いチームでもしっかり試合に出てやれる自信がある」といえば、そこで環境を変えればいいのです。

その時点で移籍先を探しましょう。そんなに強くないチームで光っていたお子さんが、もっと強いチームに移籍するケースはいくらでもあります。

逆に、強いチームに入ったけれど、まったく試合に出られなかったりして、少しレベルを下げてチームを変えるお子さんもいます。私はどちらも正解だと思います。

子どもは成長過程でいくらでも変化します。小学生時代にレベルを下げてチームを変えた後者の子どもが、急に体が大きくなって、上達することはいくらでもあります。高校生くらいになったとき、強いチームに移籍した子どもよりすごい選手になっている。そんなケースは、指導者の皆さんからたくさんお聞きします。

 

■小学生年代のスポーツで最も大切なこと

(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)

 

小学生のスポーツで、最も大切なのは、そのスポーツをいかに楽しく感じるかです。この連載でもずっと言い続けていますが、小学生でサッカーを大好きになれば、中学や高校年代になって、試合に出られないとか、思う通りにいかなくてもあきらめずにサッカーと向き合えます。その時間にこそ人としての成長があり、サッカーをすることで手にする大きな宝物です。

以上のことを参考に、チーム選びを考えてみてください。

最後にひとつだけ付け加えると、お母さんは少しばかり不安が強いようです。

「けれど、サッカーやるにつれ、プロになりたいと本人が思うようになったら? 逆に最初からガツガツさせて、サッカー自体嫌になったら?  などと考えて、答えが出ずにいます」とあります。

私も子育てしてきたのでお気持ちは察します。が、子育ては「わが子への不安を、信頼に変える旅」です。

自分で立ち上がることもできない赤ちゃんだった子どもが、いろいろなことができるようになり、自分で考えられるようになる。その都度心配していた私たち親は、少しずつわが子から手を離し「信頼」できるようになければいけません。

そして、最も身近な親から信頼を勝ち得た子どもは、「僕は大丈夫」という自尊感情を持てるようになります。

お母さんの旅を応援しています。

 

島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実 そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート 夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』『世界を獲るノート アスリートのインテリジェンス』(カンゼン)など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てる テニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。最新刊は『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)。

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