岸和田沖一文字の落とし込み釣りで45cmカンダイ【大阪】エサは岩カニにヒット
イ貝の生育不良で落とし込み釣りが受難の夏となった2024年7月20日、岸和田沖一文字で岩カニのエサを使った夕マヅメの短時間勝負に挑んだ結果、辛うじてカンダイ45cmを仕留め、面目躍如となった。
イ貝の生育不良で落とし込み釣り苦戦
2024年夏、岸和田一文字は波止タコが絶好調。岸和田渡船のホームページには、連日二桁釣果に1kg越えの大物とタコの写真が満載。
その一方で船長から「(波止の)壁にイ貝は全然付いていない。今年はダメだね。イ貝が採れないから販売もなしですわ」と聞かされ、チヌ(クロダイ)の落とし込み釣りの大ファンの私は茫然自失。
落とし込み釣りが受難の夏となった現実を受け止められず、イ貝がダメなら岩カニで挑もうと決意し、7月20日の午後3時の便で岸和田沖一文字(通称:沖の北)に釣行した。
午前中はルアーマンと波止タコ釣りの人がいて落とし込み釣りはできないので、あえて夕マヅメ狙いの短時間勝負を試みた。
なお、岸和田一文字の詳しい特徴その他の解説は、過去の投稿をご覧いただきたい。
午後3時便の波止上はガラガラ
午後3時便に乗り込んだのは10人あまりと少なく、大半は波止タコ狙いの旧一文字がお目当ての釣り人。沖一文字へは私ともう一人のみで、波止に降り立つと驚いたことにガラガラの状態。多くの釣り人で賑わう午前中とは別世界だ。
大型タコ狙いの釣り人と、北端に固まっているアジ狙いとフカセ釣りの釣り人が数名いるだけ。少し寂しい感はあったが、落とし込み釣りのフィールドがガラ空きなのは好都合だ。
ここで沖一文字に関する情報を一つ。監督当局の指導で今年から、沖向きに上がるために沖一文字に備え付けられた梯子が撤去されているので注意してほしい。
午前中に岸和田渡船から釣り人が借りて使う形でわずかな数の梯子は用意されているが、沖一文字で自由に自分の釣り座を構えたい人は、三脚持参での釣行をお勧めしたい。
エサとタックル
釣りエサは近辺の釣りエサ店で岩カニを購入して持ち込んだ。タックルは、落とし込み専用竿4.2mとリールに、ストライプカラーの落とし込み・ヘチ専用の2号ライン。ラインの先には市販の目印仕掛けとハリスは1.7号を直結する。ハリスは硬めのものがよい。
針はチヌ針3号で、チモトにはガン玉2Bをかませる。エサの付け方は、岩カニは活きの良さを保つため、足の付け根から針を刺す横掛けにした。
夕マヅメ狙いとはいえ外気温は灼熱の30度台で、岩カニは簡単に弱ってしまうのを防ぐため、海水バケツに氷パックを漬けて水温調節に細心の注意を払った。
内向きで釣りスタート
午後4時前頃からぼちぼち落とし込み釣りを開始しようと、波止の沖向きに上がったら悲惨な光景が目に映った。波止際の水面はゴミだらけで、落とし込み釣りが出来そうにない。本命のフィールドがアウトとなり、仕方なく内向きで落とし込み釣りをスタートした。
内向きは水深が浅く潮の流れもイマイチで、夕暮れ前になってようやく「見えチヌ」が登場するというのがこれまでの釣行の印象。とはいえ竿を出さないことには釣りにならない。
波止の中央のオイルフェンスを起点に、北向きへと探り歩いていく。当日は夜7時頃の満潮で、夕マヅメに向けては上り潮と条件は良いと自分に言い聞かせ、わずかな可能性を信じて釣り歩く。
岩カニを徐々に消費
岩カニをつついてくるのはフグやベラなどのエサ取りが大半。反応があってから少し待ってみても食い込みには至らない。仕掛けを上げてみると、岩カニには三角の歯形がついていた。
この手のエサ取りのアタリは無視するも、エサは部分的にかじり取られてしまうので、岩カニを徐々に消費してしまう。
夕方6時半の迎え便で帰る予定にしていたので、夕方5時頃から本気を出すつもりだったが、追い上げタイムに岩カニの残量を気にしながらの釣りはストレスになる。
サビキ釣りのアジとフカセ釣りは好調
波止の北端に固まっていた釣り人たちは、常連も一見さんも皆、上り潮の夕マヅメの時間帯をしっかりと自分のモノにして釣果を伸ばしていた。
サビキ釣りのアジは20cm級の良型も混じり、数釣りを堪能。フカセ釣りの人は良型の波止グレが二桁に迫る勢いで、そこに「チヌや」と歓声をあげてホクホクのえびす顔。
まだ釣果をあげていない私は焦ったが、この魚の活性の良さはきっと自分にもチャンスがあるはずだと、気持ちを奮い立たせた。
カンダイ45cmを捕獲
内向きの海水の色は澄み気味で、上り潮による雰囲気が釣れそうな予感を抱かせる。その予感が的中したのは夕方5時前。目印仕掛けの落下速度が一瞬緩んだ次の瞬間、強めのアタリが竿先から伝わった。
食い込みを待つと、一気に竿先がひったくられた。主導権を取り戻そうと何とか立て直した後は、魚の豪引きと私のロッドワークとの真っ向勝負。糸を出し過ぎると海底の根に潜られてジ・エンドなので、耐えて耐えつつ、豪引きに対してテンションを和らげるように竿全体で力を吸収し、海面に魚を浮かせにかかる。
奮闘の末海面に姿を見せたのは赤色の丸々とした魚体。本命のチヌではなくカンダイだったが、夕マヅメのチャンスに狙って釣れた魚には違いない。慎重にタモ入れし、45cmの獲物を捕獲した。
本命のアタリを2度とも失敗し納竿
いよいよ夕マヅメの本気の時間帯に入ったと、1時間足らずのラストスパートに賭ける。ゴミだらけだった沖向きが、潮の流れによってゴミが減り、何とか落とし込み釣りができる状況になった。
沖向きは水深があり潮通しが良いので、チヌ狙いには格好のフィールドだ。エサ取りのアタリは無視して、岩カニの付け替えを惜しまず歩みを進めていると、目印仕掛けの落下速度が緩んだ。
食い込みを待ったが竿先の反応が止まり、仕掛けを上げると岩カニは噛み潰されていた。貴重な本命のアタリを逃してしまった。悔やむ暇はないと釣りを続行。
すると納竿5分前頃に、明確な引き込みアタリに遭遇。聞き合わせをするとヒット。竿先が絞り込まれたが、途中で無念の針外れ。天を仰いで無念のタイムアウト。
釣果を伸ばせず最終釣果はカンダイ45cm1匹だけで終わったが、狙って釣った落とし込み釣りの釣果ということで、辛うじて面目躍如となった。
<伴野慶幸/TSURINEWSライター>