仲良しだった夫と子どもたちが徐々に衝突するように。ステップファミリーの行く末は…【体験談】
20歳と18歳、そして再婚相手との間に生まれたばかりの0歳の子どもを持つ、ママライターの“ふみちー”です。私の連れ子がそれぞれ15歳、13歳の時に、今の夫と再婚しました。
子どもたちと何度も会い、一緒に遊びに行くなどを繰り返した結果、「再婚したら?」と、子どもたちから提案されたことを機に再婚を決意。夫もバツイチで、自分の子どもに会うことができないからか、私の子どもたちと一生懸命に向き合ってくれています。
子どもたちもそんな夫を受け入れて、最初はとても楽しく過ごしていたのですが…。
「子ども扱いする夫」vs「思春期真っただ中の子どもたち」
一緒に暮らし始めてひと月たった頃。子どもたちが夫にいら立ち始めました。
私は「子どもも大人も対等主義、すべて自己責任でやりましょう」という方針で子育てをしていましたが、夫は「いつまでたっても、子どもは子ども」という考え方。思春期の子どもたちをまるで小さな子どものように扱い、あれこれ指示をするのです。
さらに「親の指示にはすぐに従いなさい」と強制するので、子どもたちはボソッと「うるさい…」と言ったり、不機嫌そうに無言で部屋へ行ったり。耐えかねた子どもたちは少しずつ反抗し始めました。
夫も良かれと思っているため自分を曲げず、一歩も引きません。
険悪ムードに怒声が響く・・・・・・「ギクシャク」親子の行方は?
その結果、家庭内はいつもピリピリとした空気に…。
そんな険悪ムードが続いていたある日、リビングにいた子どもたちに、夫が「お母さん、熱出して寝ているよ」と言っているのが聞こえました。それに対し2人は、「おなかすいたね」と言ったことで夫が大激怒。
子どもたちにすれば、「ごはんを食べていないと、お母さんが心配して起きてくるから、みんなでごはんを食べておこう」という意識から出た言葉でしたが、いきなり叱られたことに納得がいかないようでした。
幸い、私の熱はすぐに治まりましたが、夫と子どもたちはギクシャクしたまま…。お互いに言いたいことは、私を介して話す状態になってしまいました。
すれ違いの原因は?! 空回りする「それぞれの本当の思い」
これではらちが明かないと思い、急きょ家族会議を開きました。
いつの間にか議長役の私。互いの話をよく聞いてみると、夫は「父親らしくしなければ。子どもたちに認めてもらわねば」と、必死になっていたようです。それがエスカレートし、自分の言い分を押し通してしまっていました。
一方で子どもたちは、「仲良くやろう、迷惑かけまい」と、夫に気を使いすぎていたことがわかったのです。すれ違いの原因がはっきり見えました。すると子どもたちからこんな発言があったのです。
家族・親子に必要な『距離感』とは? 互いを認めて尊重することが大切
「お父さんにはお父さんの、私たちには私たちの考え方がある。お父さんと一緒にしろと押し付けるのが嫌なだけ。考え方に違いがあっても家族であることに変わりはない」。
威厳のある父親であろうと盛大に空回りしていたことを悟った夫は、素直に謝罪。そして「仲良くしていきたいから、もっと本音を言ってほしいし、甘えてほしい」と、自分の気持ちを伝えました。
家族会議の後は仲良く3人で出掛けるようになり、人間関係を改善するには、話し合いが大事だなと痛感したできごとでした。
その後、夫との間に赤ちゃんが生まれました。今ではみんなで赤ちゃんの取り合いで、微笑ましい言い争いが毎日勃発しています。
「ステップファミリー」や「子連れ再婚」というのは、あまり良い印象を持たれていないと思う時があります。確かに、虐待のニュースが多かったり、わが家のように実際に衝突が起こったりすることもあります。
しかし、それは血のつながった家族でも同じだと思います。血のつながりがあろうとなかろうと、お互いの考えをきちんと認め、尊重して共同生活をしていくことができれば、どんな形でもうまくいくのではないかと感じています。
[ふみちー*プロフィール]
18年ぶりの赤ちゃんを育てるのにてんやわんや。上の子たちの頃との子育て事情の違いに、浦島太郎のような気分になることがあります。便利グッズを活用したり、手厚い子育てサポートを活用したりしながら楽しく子育てをしています。
※この記事は個人の体験記です。記事に掲載の画像はイメージです。
イラスト:POLI_portlab