【伊勢原市】日展に伊勢原から3人入選 工芸で文化振興に弾み
日本最大の公募美術展として知られる「第118回日本美術展覧会(日展)」が10月31日から11月23日にかけて国立新美術館で開催されている。「日本画」「洋画」「彫刻」「工芸美術」「書」の5部門からなる、世界でも類を見ない規模の総合美術展の工芸美術部門において、伊勢原市在住の3人が入選を果たすという快挙を成し遂げた。
石田在住の村山恵子さんは、陶芸作品「生命の木・III」で入選した。同作は、どこから見ても異なる表情を見せる有機的かつ造形的なフォルムと図案が特徴だ。上へ上へと向かう力強い生命力と成長が表現されている。
同じく石田在住の中村綾也さんの入選作は「祈り」。金属の部類に属し、メタルエンボッシングアートや七宝焼き、鍛金といった複数の技法を組み合わせた意欲作だ。世の中のさまざまな出来事に対し、作品を見る人の気持ちがリラックスし、平和への気持ちを抱けるようにとの願いが込められている。
板戸在住の石橋伸一さんは、今回が初入選。作品「鬨(とき)の声」は本漆を用いた作品で、現代社会で起きている戦争や飢餓といった深刻な状況に対する思いを作品を通じて強く発している。
3人を代表して村山さんは「1つの市から3人が入選するのは画期的なこと。伊勢原市の工芸が伸びていく大きなきっかけになる。あとに続く人たちのためにも、色々な分野の工芸の形を見ていただきたい」と、今後のさらなる発展に期待を寄せた。
文化支援にも意欲
この朗報を受け、萩原鉄也伊勢原市長は「伊勢原市は健康文化都市宣言をしている。文化の方面にも力を入れていきたいと思っていたので、今回の3人の入選は非常にありがたいこと。しっかりとできることを探し、文化の方面でも伊勢原市を盛り上げていきたい」と市としての文化支援にも意欲を見せた。