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【完全フカセ】で狙うマダイ釣り徹底解説 初心者でも大型マダイやヒラマサが釣れる!

TSURINEWS

鷹巣沖は美しいマダイの宝庫(提供:週刊つりニュース中部版・鈴木利夫)

桜前線が北上すると、福井県の越前沖では春の乗っ込みマダイシーズンが開幕する。同県の鷹巣沖は日本海屈指のマダイの宝庫と知られ、5月1日に解禁日を迎える。この日の爆釣を夢見て、多くのアングラーが完全フカセ釣りで訪れる有名なポイント。今回は鷹巣沖でマダイ釣りの醍醐味を堪能できる完全フカセ釣法を紹介したい。

鷹巣沖でマダイ狙い完全フカセ釣り

深場で越冬した魚たちが水温上昇とともに、浅場で産卵するため移動する。これを乗っ込みと言う。今年は4月に入ると日中気温が一気に上昇した。これに伴い海水温が高くなれば、乗っ込みの本格シーズンは到来となる。

マダイのメッカ、鷹巣沖は九頭竜川の南に位置し、雨が降るたびにこの大河から栄養素を含む雪代が流れ込む。この豊穣の海には多種の魚が生息し、マダイはその中の浅場に産卵する。

こんな爆釣も夢ではない(提供:週刊つりニュース中部版 鈴木利夫)

完全フカセ釣法なら初心者や女性、子供も大型のマダイが仕留められる。鷹巣沖は和布(めら)港から10分ほどの近距離で、水深25~50m前後の浅場がポイントとなる。

乗っ込みの大ダイのメッカ、鷹巣沖の解禁はもうすぐ。今年も鷹巣沖はドラマが待っているはずだ。完全フカセ釣法で大型マダイの自己記録更新に、チャレンジしていただきたい。

完全フカセ釣法とは

完全フカセ釣法は、船長が魚探で魚影を見つけた後、アンカーを落としたカカリ釣りとなる。船上からまきエサのオキアミをまき、潮の流れに仕掛けを乗せてマダイを狙う。オモリは使わず、潮の流れに合わせてサルカンやハリ、さしエサの重さだけで流していくのだ。

浅場なのでマダイの引きがダイレクトに伝わる(提供:週刊つりニュース中部版 鈴木利夫)

潮の流れが緩いときはサルカンの上に、発泡ウキ(6~8号)を付け、潮の抵抗を受けさせて仕掛けを流す。

ちなみに3人以内で乗船するのがベスト。完全フカセではヒットゾーンさえ見つかれば、連発することも珍しくない。浅場で大型マダイがヒットすれば、ダイレクトに強烈な三段引きを堪能できる。

この釣法の醍醐味は、マダイがヒットすれば勢いよくラインが飛び出して、スプールが回転音を発する。この瞬間は誰もが興奮し、この釣りの魅力にハマってしまうのだ。さらに浅場ゆえの豪引がダイレクトに手元に伝わる。

タックル

完全フカセ釣りは、潮の流れに乗せて仕掛けを流す釣法なので、ロッドは外ガイドがお勧め。オモリ負荷30~50号で、長さは3m前後の胴調子サオを推奨したい。リールはフロロカーボンライン6~7号を最低300m巻けるクラスが最適である。浅場なら手巻きリールでも支障ないが、潮の流れ具合で仕掛けを150m以上も流す場合がある。仕掛け回収のタイムロスなどを考えれば、電動リールを推奨したい。

完全フカセのタックル(作図:週刊つりニュース中部版 鈴木利夫)

電動リールを勧める理由はもう1つ。マダイがヒットした場合、ライントラブルが少ないことだ。手巻きであればバックラッシュなどのトラブルもある。ラインは完全フカセ釣りに適したフロロカーボンライン6~7号だが、ライントラブルで少々高切れしても何ら問題はない。初心者なら船宿で釣り道具一式、仕掛け、ライフジャケットの貸し出しがある。

完全フカセの仕掛け

ハリスは5~6号で長さ8~10m。ハリは完全フカセ用6~7号、伊勢尼11~12号で2本バリが基本だ。完全フカセ釣りで一番重要なのは、まきエサとさしエサを同調させること。よってサルカンはできるだけ小さい方が良い。大きなサルカンにハリの重さが加われば、さしエサはまきエサに同調しない。

完全フカセ釣りの仕掛けと小物類(提供:週刊つりニュース中部版 鈴木利夫)

その対策として潮流に関係なく、発泡ウキの使用も考慮したい。同船者とラインや仕掛けが同じであれば、マダイがヒットした距離がいち早く探れる。同船者と同じ仕掛けで挑んでほしい。

仕掛け投入

仕掛け投入前にドラグ調整を行い、船長からの投入合図を待つ。その間にまきエサのオキアミは、シャク4杯ほど海面にまき、リールのクラッチをフリーにする。必ずさしエサのオキアミの尾はカットし、1匹掛けか2匹掛けで丁寧にハリに刺して船長の合図で投入する。

オキアミの刺し方(提供:週刊つりニュース中部版 鈴木利夫)

仕掛けの投入を終えたら、再びオキアミをまいて、いったんまきエサは中断する。やがて仕掛けが潮に乗ればリールのカウンターで数値15mほどサオを大きく振りながら、手でラインを送り出す。ここでクラッチを入れてラインが引っ張られるまで我慢し、1~2分ぐらい待つ。

サオ先が引っ張られたら、クラッチを切ってフリーにすると、潮の流れでゆっくりスプールが回転し始める。ここから数分間隔でまきエサをまいていくのだ。後はマダイのアタリを待つだけ。

仕掛けの回収は、同船者とカウンターを見ながら流す距離を変えて行い、さしエサが残っているかどうかなど情報交換する。全員でいち早くヒットゾーンを探し当てることが重要。全員で情報共有すれば、ヒットゾーンは必ず見つかるはずだ。

仕掛けを回収してさしエサがなければ、次投はその距離の手前付近でアタリが出ることが多いので要注意。同船者と仕掛けを同じにするのが基本だが、ヒットゾーンを見つけるまでは、発泡ウキ5~7号を使う。それぞれ違う号数の発泡ウキを付けて、仕掛けを流す。

ヒラマサなど青物のヒットも多い(提供:週刊つりニュース中部版 鈴木利夫)

常に仕掛けはさしエサ先行で流すことが、完全フカセ釣りの基本。浅場なら20m付近の近距離でヒットすることもある。全員で2~3回仕掛けを流せば、誰かにアタリが出るはず。マダイのヒットゾーンを探し当てたら、全員が速やかにヒットした仕掛けに合わせよう。

そして仕掛けを投入したら、ヒットゾーンの手前10m付近でラインの出を止めて、さしエサ先行でラインが引っ張られるまで約1~2分待つ。これはマダイの群れの上前方から、さしエサを違和感なく送り込むため。この一連の作業が重要で怠ってはならない。

常にさしエサを先行させる意識を持っていれば、ヒットゾーンで必ずラインは飛び出す。しかし時間が経過すれば潮流の状況は変わるので、常に同船者と情報交換も忘れてはならない。

ヒット&タモ入れ

ラインが飛び出したら、早アワセは絶対にしない。イトフケがなくなるまで待ち、再びサオがたたかれたタイミミングで大きくアワセを入れよう。同船者がヒットした場合は、オマツリしないように速やかに仕掛け回収するなど、お互いに協力したい。

浅場でのヒットはたまらなくスリリング(提供:週刊つりニュース中部版 鈴木利夫)

完全にハリ掛かりすれば、手元に生命反応が伝わりサオが大きく曲がり込む。釣り人にとっては至福の瞬間である。ここから慌てず手巻きで、マダイ特有の三段引き楽しみたい。

ただし浅場でヒットしたマダイは大暴れするので、ヒットゾーンにいるマダイの群れは警戒する。誰かのサオが曲がっているときは、同船者はまきエサを欠かさないようにしよう。これは後で自分が仕掛けを投入したときのためにも、必要なまきエサと言えるだろう。

近距離でヒットしたマダイは手繰り寄せても、大暴れして船底に潜り込もうとする。ここでバラシは避けたいので、タモ入れは船長に任せよう。

バラシの要因&対策

完全フカセ釣法でのバラシの要因&対策を解説しよう。

早アワセ

マダイはエサをくわえて突っ走り、違和感がなければ反転してエサをのみ込む習性がある。この反転した突っ込みで、引きアワセすれば大丈夫だ。だからマダイがエサをくわえて、ラインを引っ張ったタイミングでのアワセでは早過ぎる。

アワセが緩い

サオがたたかれたタイミングで素早くアワセを入れるわけだが、ここで焦ってアワセを入れずに巻き上げてしまう場合がある。

閂(かんぬき)にハリ掛かりしていれば完璧(提供:週刊つりニュース中部版 鈴木利夫)

これではハリ掛かりが甘く、巻き上げ途中でハリが外れてしまう。引きアワセは遠慮せず、大きく2~3発ほど入れることが必要だ。マダイを取り込んだときに、マダイの口横の閂(かんぬき)にハリ掛かりしていれば完璧だ。

タモ入れ時

船べりまで手繰り寄せてきても、タモ入れ時に安心してハリスを持つ手を緩めると、ここでハリが外れてしまう。マダイがネットに入るまでは、絶対に緩めないようにしよう。

ライフジャケット着用&マナーを守ろう!

ヒットすれば良型以上であることが多い(提供:週刊つりニュース中部版 鈴木利夫)

鷹巣沖は浅場と言っても日本海の大海原で、突風が発生するかもしれない。船上で自分の身を守るためにも、必ず救命胴衣(ライフジャケット)着用すること。

<週刊つりニュース中部版 鈴木利夫/TSURINEWS編>

この記事は『週刊つりニュース中部版』2024年5月10日号に掲載された記事を再編集したものになります。

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