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元ダイエー大越基氏の息子が立教大入学、父の教え胸に神宮目指す

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立教大の大越怜,立教大学野球部提供

父と同じ東京六大学へ、立教大・大越怜の挑戦

東京六大学に「大越」が帰ってきた。東筑高校(福岡)から今春、立教大学に入学した大越怜投手(1年)は、父がかつて上がった神宮のマウンドに立つ日を夢見て野球部の門を叩いた。

立教大学の投手陣にはプロ注目の荘司康誠(4年、新潟明訓高校)や、池田陽佑(3年、智弁和歌山高校)ら注目選手が多数おり、毎日が勉強の日々。「もっともっと考えてやらないと上のレベルでは通用しないと改めて実感しています。今の自分の体じゃ大学野球は通用しないと思うし、トレーニングだったり、投球のメカニズムの考えも甘いので、先輩たちにいろいろ聞いて、まずは神宮で投げている姿を親に見せられるように頑張りたいと思います」と意気込みを語る。

早鞆高で監督を務める父の基さんは「憧れの選手の一人」

早鞆高校(山口)で監督を務める基さん(50)は父であり、「憧れの選手の一人」でもある。仙台育英高校(宮城)時代、1989年夏の甲子園で準優勝投手に輝いた。

早稲田大学に進学後は1年春のリーグ戦から登板を重ね、胴上げ投手になるなど鮮烈なデビューを果たしたが、このリーグ戦を最後に退部し、やがて大学も中退。渡米した後、92年ドラフト1位で福岡ダイエーホークス(現福岡ソフトバンクホークス)に入団、投手として13試合、野手に転向して365試合に出場し、2003年に現役を引退した。

大越は父が引退した年に生まれたため、現役時代、ましてや投手時代を生で見たことはないが「お父さんはピッチャーのイメージが強い」という。「(89年の)甲子園の映像を見ることが多いですね。お父さんは真っ直ぐで押していけるくらいの球速があるけど、自分はあそこまで球速もなくて、変化球で芯をずらしたりするタイプなんで、あんまり参考にしたところはなかったですけど(笑い)」

同じ右のオーバーハンド投手ながら、基さんは150キロを超える直球を武器としていただけに、フォームなどを手本とすることはなかったという。

高2の年末に受けたアドバイスで開眼

基さんは福岡県内の自宅から山口県へ単身赴任しているため、普段は接する機会は少なかったが、ピッチングのことでアドバイスを求めた時は的確な答えが返ってくる。中でも印象に残っているのは、高校2年の年末、一緒にキャッチボールをしている時だった。

体の開きが早いために制球が定まらないことがあり、どうしたらいいか尋ねたところ「(地面に)左足がつくまで、上半身を全く動かないように意識して、左足がついてから体を回転するイメージで投げたらいいんじゃないか」と助言を受けた。大越は新チーム結成時からエースとなったが、秋の福岡県大会はベスト16で敗退。何かを変えなければと思っていた矢先、父の言葉がスッと腑に落ちた。

「ああこういうことなんだな、と。共感した教えでした」。その教えを意識しながら練習を続けていると、高校3年の春ごろから制球が安定し始め「試合を作れるイメージができた」という。

体の開きが抑えられたことで球速も増し、最速は130キロ台から142キロまでアップ。夏の県大会は3回戦で敗退し、父が活躍した甲子園に出場することは叶わなかったが、「もうちょっと上で野球をやってみたい」という意識が芽生え、東京六大学の一角である立教大学を志望するようになった。

東筑高で文武両道を実践、指定校推薦で立教大へ

ただ、父は大学で野球を続けることにあまり乗り気ではなかったという。全国から野球エリートが集う東京六大学のレベルや厳しさは、かつて早稲田大学に在籍していた自分が一番よく分かっている。それでも何度か話し合いを重ね、承諾を得ることができた。

「大変だとは思うけど、やれるだけやってみたら、と。早稲田の頃の話も何度かしました。厳しいぞ、みたいなことは言っていましたね」。もともと、文武両道を実現するために、福岡県内でもトップクラスの進学校である東筑高校に進学。3年間、学業面もおろそかにすることはなく、3年秋頃には指定校推薦で立教大学に進むことが決まった。

大学入学式前の3月下旬に上京して入寮。1カ月ほどの新人練習を経て、5月上旬に行われた軍分けでは一番下に位置するDチームに割り当てられた。高3の夏、身長175センチ、82キロあった体重は、引退後に79キロまで減り、大学入学後は環境の変化もあって、さらに3キロ減の76キロまで落ちた。

今秋の新人戦ベンチ入り目指し「できることを1個ずつ増やす」

同じ1年生では父の高校の後輩にあたる吉野蓮(仙台育英)、小畠一心(奈良・智弁学園)、竹中勇登(大阪桐蔭)の3投手がAチーム入りした。吉野は今春のリーグ戦で登板もしており、「悔しいなと思うことはある」と語るが、焦りはない。当面の目標は、Dチームから昇格し、今秋リーグ戦終了後のフレッシュトーナメント(新人戦)でベンチ入りすることだ。

「最速142キロじゃ、変化球がよくても六大学じゃ厳しい。トレーニングで球速を上げつつ、変化球の精度もあげたい。お父さんみたいになりたいとは思っていますけど、自分はまだそのレベルじゃない。焦らずにできることを1個ずつ増やして、お父さんのレベルまでいけたらいいなと思っています」

父の背中を追ってプロを目指したこともあったが「今はプロというより、4年間でできることをやって、そこからまたしっかり野球を続けるのか続けないのかを、周りの人と相談して決めたいなど思います」。まだ1年生。神宮の杜に「大越怜」の名を響かせるチャンスはいくらでもある。

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記事:内田勝治

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