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全国各地で稚魚放流が行われている「カサゴ」 理由は再漁獲の効率性?

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各地で放流されるカサゴ(提供:PhotoAC)

三重県南部の海に放流されたのは、根魚の代表格「カサゴ」。普段あまり養殖などは行われない魚ですが、実は各地で盛んに放流が行われています。

カサゴの稚魚放流

三重県南部の尾鷲市で4月1日、カサゴの稚魚の放流が行われました。水産資源の増加を目的に20年以上前から実施されています。

今年も例年同様、尾鷲湾などの9か所で、合計約1万7000匹ものカサゴが放流されました。放流された稚魚は、三重県尾鷲栽培漁業センターで3カ月間ほど育てられたもので、大きさは5cm程度だそうです。

カサゴ(提供:PhotoAC)


カサゴは、尾鷲地方では「ガシ」などとも呼ばれている高級魚で、とくに活魚は高値で取引されています。(『沖合で放たれると元気よく…カサゴの稚魚約1万7千匹を放流 34年後には漁獲サイズの20cm程度に』東海テレビ 2021.4.1)

なぜカサゴなの?

カサゴは高級魚ではありますが、成長が遅いこともあり、養殖が盛んなわけではありません。一体なぜ、わざわざ稚魚を育てて放流しているのでしょうか。

カサゴは、岩礁帯を好む習性のある「根魚」と呼ばれる魚たちの代表です。彼らは障害物の隙間に潜んで餌を待ち伏せするため、回遊性が低く、あまり移動をしません。

岩場から離れることは殆どないカサゴ(提供:PhotoAC)

そのため他の魚と比べ、放流後も同じ場所に留まりやすいとされています。結果としてその場に定着して成長してくれるため、成魚になってからの再漁獲の効率が良くなるのです。

各地でカサゴ放流

食用だけでなく、釣魚としても人気の高いカサゴ。釣られた分を補うため、全国各地で放流事業が盛んに行われています。

例えば東京湾では、湾奥各地で昨年9月に25000匹もの稚魚が放流されました。これは公益財団法人の日本釣振興会と東京湾遊漁船業協同組合が共催しているもので、毎年実施されています。一部の個体にはタグ付が行われ、その後の追跡調査などで生育状況等を確認する事が可能になっています。

釣り上げられたカサゴ(提供:PhotoAC)

放流された稚魚は、3年から4年で20cm以上に成長します。ただ、頭が大きく歩留まりが悪いカサゴは、漁業的価値を持つまでに時間がかかる魚。青魚などと比べ成長が早いとは言えず、また前記の通り回遊性も低いため釣り切られるとその場からいなくなってしまいます。そのため、多くの場所で20cm未満のものについて、リリースが推奨されています。

<脇本 哲朗/サカナ研究所>

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