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初夢インタビュー 牛と共に生きる 牧場経営を目指す小川翔吾さん〈秦野市〉

タウンニュース

小林代表(右)と小川さん

今年は丑年。「牛と共に生きていきたい」と、牧場経営を目指し、準備を進める若者がいる。秦野市今泉の「小林牧場」(小林哲夫代表)に勤務する、小川翔吾さん(伊勢原市桜台・32歳)に「夢」を聞いた。

「普通のサラリーマン家庭で育った」という、小川さんが牛に興味を持ったのは幼児の頃。「伊勢原市は牧場があってよく散歩に行っていた。牛は身近な存在だった」。観光牧場で乳しぼり体験などをして、さらに牛への関心が高まった。幼心に牧場で働きたいと思うようになった。

中学時代の長期休みの自由研究のテーマは「牛」。自分で牧場主と交渉して仕事体験をした。「想像以上に楽しく、やることがすべて新鮮だった。ますます牛に関わる仕事がしたくなった」と、小川さんは振り返る。

牧場主になりたい

高校は畜産を勉強できる県立中央農業高校(海老名市)へ進学、さらに専門的な知識を学ぶため、酪農学部のあった北海道の酪農学園大学に進学した。大学では道内の牧場で実習を行い、より現実に近い環境で牛との暮らしを肌で感じた。「一頭一頭で性格も違うし、体調によって乳の量や味も変わる。仕事の奥深さや、やりがいを感じ、いつか自分で牧場経営をできたらと思った」という。

卒業後は北海道での就職も考えたが、家庭の都合で神奈川に戻り、海老名市の県畜産技術センターで非常勤として6年間勤務。その後は八王子市や伊勢原市の牧場で乳牛の世話をした。

牛と接する仕事に満足していたが、後輩と話している中でふと「牧場経営をしたい」という夢を思い出した。そのとき後継者を探していた牧場主の小林さんと出会い、昨年10月から働き始めた。

1日の搾乳量は700kg超

牧場の朝は早い。朝4時から牛舎内を掃除し、食事は牛一頭一頭に合わせて与える。生まれて間もない子牛の哺乳や乳牛の搾乳を終えるのは7時頃。そこから経営の勉強をし、午後3時からエサを与え、2回目の搾乳をする。

現在乳牛を30頭飼育し、1日でとれる牛乳の量は平均700キログラムを超える。「皆さんにおいしい牛乳をお届けしたい」と声を弾ませる。

若い力に期待

小川さんの印象について「牛を見る目に愛情を感じる。牛が好きという気持ちが伝わり頼もしい」と小林さんは語る。「約50年経営してきた施設や牛たちを若い人に継承したいと考えていた。彼なら上手く継いでくれる」と期待を寄せる。

小川さんは「人に恵まれてここまできた。やっとスタート地点に近づいたところだと思う。安定しておいしい牛乳を皆さんに届け、また自分と同じように非農家出身の後輩たちの力にもなれるような存在になりたい」と夢を語った。

今年4月の夢の実現を目指し、勉強中という小川さん。県畜産技術センターによると、実現すれば酪農新規就農者への第三者継承は、「神奈川県ではめずらしいケース」だという。

秦野市内の酪農家は現在14件。「きんたろう牛乳」(あしがら乳業(株))などに加工され、県内の一部店舗などで販売されている。

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