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御岳山から岩石園へ。滝や渓谷を巡るロングコース ~東京都 青梅市・檜原村~【東京発日帰り旅】

さんたつ

『散歩の達人 首都圏日帰りさんぽ』より、旅先で気軽に楽しめる散歩コースを紹介。歩行時間や歩行距離も明記しておりますので、週末のお出かけにご活用ください。 御岳山(みたけさん)から大岳山の途中に岩石園(がんせきえん) がある。昭和10年(1935)に整備された渓谷の道である。滝をいくつか巡り、その苔むす渓谷の中を歩いて、馬頭刈尾根から檜原村へと下りるコース。

苔むす渓谷、滝、急坂に出合う

東京で、人気の高尾山に匹敵する山となると、青梅市の御岳山ではないだろうか。高尾山には薬王院、御岳山には武蔵御嶽神社があるからだろう。高尾派と御岳派があるとすれば、筆者は御岳派だ。理由は高尾より人が少ないからというだけのことだが。

その武蔵御嶽神社から七代(ななよ)の滝、岩石園(ロックガーデンともいう)を巡り、綾広(あやひろ)の滝から大嶽神社へ。そこから馬頭刈(まずかり)尾根を歩いて檜原村の千足(せんぞく)に下りるコース。標高は1000m程度だが、距離は少々長いので早めのスタートを。

御嶽駅からケーブル下までバスで移動。山道を歩けば1時間程度で御岳山ケーブルカーの御岳山駅まで行けるのだが、今回はケーブルカー利用で山上へ。駅近くの展望台から東京都心部を眺めると、今日は靄がかかってぼんやりとしか見えない。

御岳山の山頂にある武蔵御嶽神社。

御岳山の山頂には武蔵御嶽神社があり、途中に御師(おし)の集落がある。現在、宿泊ができる宿坊が、二十数軒ほどあるようだ。集落内を抜けて石段を上がって山頂へ。今は立派な神社が立っている場所に昔は城があったという話もある。御岳城という名称だったらしい。

七代の滝。全7段で落ちていて、全体では落差50mというが、ここの部分だけでは数メートル。

神社から隣の日の出山などを眺めた後、石段を下りて長尾平へと向かう。長尾平は展望のいいところなので、パスせずに寄りたい場所だ。その先の分岐から下って七代の滝へ。小さな滝だが、苔むした岩肌の間を水が落ちる様は雰囲気がある。ここから鉄階段を上がって天狗岩へ。

東京とは思えぬ、別世界が広がる岩石園

この先が岩石園。岩石園は昭和10年(1935)に当時の東京府が綾広の滝までの沢沿いの道、約1.5km間を整備して遊歩道にしたもの。苔むした岩石や渓流の景観が、東京とは思えないほど。「東京の奥入瀬」という人もらしいが、それはやや大げさかもしれない。

岩石園。ロックガーデンとも。昭和10年(1935)に当時の東京府が整備した御岳沢沿いの約1.5㎞の道。
落差10mほどの綾広の滝。古来より御嶽神社の禊(みそぎ)の神事が行われている。

その岩石園の中を抜けて、綾広の滝へ。滝前に鳥居があり、紙垂(しで)が下がっている。現在も滝行が行われているようで、神聖な雰囲気だ。周囲の景観もいい。滝からサルギ尾根上の芥場峠へと上がって、大嶽神社へと向かう。道は最初は平坦だが、徐々に勾配が増してくる。途中から岩場の道もあり、危険なところにはクサリも。

大岳山の登り口にある大嶽神社。オオカミの狛犬が神社を守っている。

大嶽神社の手前には朽ちた山小屋。これは大岳山荘で、かつては東京都が管理していて、宿泊もできたようだが、2008年に閉鎖された。大嶽神社の脇から大岳山への登山道があるが、今回は低山が趣旨なので、上がらずに標識の「馬頭刈尾根 富士見台」方向へ針路をとる。

ほぼ平坦な尾根道を進み、東屋のある富士見台へ到着するが、富士の富の字も見えない。富士見台の先には鉄の急階段がいくつかあり、どうにか下り切ると「この先道悪し」の標識。的確な指摘であった。

つづら岩から下りて行くと綾滝がある。落差21mの滝で、音もなく静かに落ちる様が綾織物を垂れ下げたような様子。
綾滝のさらに下に落差が38mもある天狗滝。

ロッククライミングの練習場になっているつづら岩から、いよいよ奥多摩三大急登ともいわれる坂を下る。さすが三大急登の下り。どうにか下りきると、音なしの滝が出現。糸を引くように落ちる綾滝である。そのさらに下方には豪快な天狗滝がある。山と渓谷と滝を満喫できる奥多摩の名コースかもしれない。

長尾茶屋

“天空のソムリエ”のホットワインで有名

長尾平分岐点にあるホットワインで有名な茶屋。店主はかつてソムリエをしていて、御嶽神社の宮司に「天空のソムリエ」という名をいただいた。山の水で淹れたコーヒーも美味しい。

●11:00~16:00頃(月・土・日・祝のみ営業)。御嶽山駅から徒歩30分。

武蔵御嶽神社

中世は武士、江戸時代は講で賑わった神社

昔から山岳信仰の場として知られた神社。中世には武士の尊崇を集め、国宝や重要文化財の武具や鎧などが納められている。江戸時代になると講という信仰集団が参拝に訪れるようになり、山上に御師の集落もできた。

取材・文=清野編集工房
『散歩の達人 首都圏日帰りさんぽ』より

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