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結成42年のPERSONZが、いつの時代でもポジティブな曲を歌い続ける理由「私たちの音楽を聴いて人生の一部が変わった人が必ずいる」

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PERSONZ 撮影=ハヤシマコ

結成42年のPERSONZによる、キャリア初の47都道府県ツアー『PERSONZ RELOAD TOUR “DISCOVER JAPAN 47”』が4月17日よりスタートした。関西では大阪、守山、奈良公演が終了したが、8月11日に神戸文化ホール 中ホール(兵庫)、11月1日にロームシアター京都 サウスホール(京都)、3日に和歌山県民文化会館 小ホール(和歌山)が控えている。


3月には代表曲「DEAR FRIENDS」を含むセルフカバーベストアルバム『RELOAD BEST』をリリースするなど、精力的に活動するPERSONZ。さらに厚みを増した各楽曲が47都道府県でどのように鳴らされるのか、ボーカルのJILLとベースの渡邉貢に話を訊いた。

「DEAR FRIENDS」ができたとき、PERSONZが確立されました

――『PERSONZ RELOAD TOUR “DISCOVER JAPAN 47”』は、これまでのライブ活動でまだ行ったことがない県が数ヶ所あったことがきっかけになったそうですね。

渡邉:2025年に初めて沖縄へ行って、そこで「行ったことがないのは、残り数県だな。せっかくだから行こう」ということになったんです。ただ、その数ヶ所だけ行くのも変な感じがしたので、「だったら全都道府県を回ろう」ということになりました。あとバンドも最近、調子や雰囲気がとてもいいんです。ライブをやる楽しさだけではなく、成長も感じられて。コロナでしばらくお客さんの前で演奏できない期間もありましたし、ライブができる喜びを再確認できているのも大きいのではないでしょうか。そういう空気感にも後押しされて、「47都道府県行こう」って。

JILL:私たちはみんな10代の頃にロックに目覚めて、それから42年、バンドをやり続けていて。これだけ同じメンバーでバンドが続いているのは私の周りでもほとんどありません。で、今がちょうど熟してきた時期。そこで「47都道府県を回ろう」という話になり、「DISCOVER JAPAN」という言葉が出てきたんです。このタイトルは1970年に国鉄が打ち出したキャンペーンタイトルでもあって、私の中にずっとこの言葉があったんです。

――1987年国鉄の分割・民営を控え、日本各地への観光促進がなされたキャンペーンですね。

JILL:今はオーバーツーリズムで外国の方も日本に来ることが当たり前になったけど、当時は日本人が国内を旅することも特別感が高かった。そういう時代を振り返ると、旅っていろんな発見があって、自分自身の発見もできるよねって。バンドとしてライブへ行っても、その土地で生まれるリアクションが違いますし。あと、私たちの47都道府県ツアーをきっかけに、ファンの方も「そういえばここには行ったことがなかったな」と、初めての場所へ足を運んでみてほしいんです。私たち自身も、エンターテインメントをやる中でそういう大きな流れを作る必要もあると考えました。普通に「ツアーをやりました」ではなく。しかも、そういう企画を平均年齢64歳のバンドがチャレンジするという……(笑)。

――長く活動しているからこそ、たとえば1980年代にリリースされた楽曲も、ライブなどを通して常にアップデートされている印象です。3月リリースのセルフカバーアルバム『RELOAD BEST』でも往年の名曲が再録されました。代表曲「DEAR FRIENDS」(1989年)はこれまでも何度かアレンジされたものが発表されてきましたが、現在のバージョンはサウンドの厚みや生々しさが特に感じられます。

渡邉:『RELOAD BEST』の収録曲はずっとライブでやってきたものばかりで、それをそのまま再現しました。ただどれも、いろんなアレンジをしてもそれに耐えうる曲ばかりで、歌の本質の部分が変わらないんです。それが自分たちのバンドの曲の一番の強み。どんなアレンジをしても聴こえ方が変わらないというのは、なかなかないはず。「DERA FRIENDS」は特にそうなんです。非常にシンプルな曲ですが、芯が太い印象です。

JILL:「DEAR FRIENDS」ができたとき、PERSONZが確立されました。私たちはもともとメンバー全員が曲を作っていて、プロデューサーを立てることはしませんでした。私が思うロックはマニュアルがないもので、そういうバンドを作りたかったんです。ただそうした活動の中で渡邉さんがキー曲を作るようになり、今のPERSONZができていきました。

渡邉:一度もプロデューサーをつけたことがないからこそ、レコーディングから曲を完成させるまですごく時間がかかるんです。でも今になって思うのが、そうやって時間をかけてきた経験が“財産”になっているということ。僕たちは今、レコーディングでも全員が一緒に集まることはないんです。それぞれが自分のパートをレコーディングしていて、ドラムが出来上がると、次にベースや打ち込みものも加え、そこに本田さんがギターを綺麗に入れてくれる。作業量的にも大変なことなのですが、時間をかけて一曲、一曲作ってきた“財産”があるからこそ良い形になります。プロデューサーがいれば道を示してくれるけど、我々はその道を自分たちから探すところから始めてきましたし。

「PERSONZを聴いていました、という方たちと出会える嬉しさ」

JILL

――そんなPERSONZの楽曲で一貫しているのが前向きさです。どのような状況であっても決してセンチメンタルな方向に流されない。ポジティブさを押し出した楽曲だからこそ、どの時代にも受け入れられる要素なのだと思います。

JILL:私が中学生のとき、日本で流行っていたのが四畳半フォークでした。まさにセンチメンタルの時代だったんです。でも海外のロックを聴いて訳詞を読むと、どれもすごくポジティブだったんです。「負けるんじゃない」「俺は、俺らしく生きていくぜ」みたいな。「これはいいな」と自分にフィットしました。それが、自分が書く歌詞の礎になったんです。あと、これはつい最近自覚したことなんだけど、ミュージカルが好きなのも影響しているかも。ミュージカルの音楽もポジティブなものが多いんですよね。ストーリーもサッドエンドには向かわない。そういうものを見たり、聴いたりして育っているんで、自分も、この先にどんなことがあっても希望を諦めなければ良いところに辿り着くと信じていて。

渡邉:サウンド面で言えば、僕はマイナー(コード)の曲があまり得意じゃないんです。メジャー(コード)の曲の中に寂しさや悲しさのニュアンスを入れるのがテーマとしてあります。そういう曲を作ってJILLさんに渡すと、そういうニュアンスをうまく拾って歌詞を書いてくれます。あと、僕はPERSONZでしか作曲ができないタイプで、それでいいとも思っています。PERSONZらしさを意識して曲を作り、JILLさんがそこに詞を付けてくれたら“PERSONZの曲”になるんですよね。あと僕は、60歳を超えてから、「こうなりたい」「こういう風に思われたい」という欲もなくなってきて。

JILL:「Let It Be」みたいなことを言い出して、どうしたの(笑)。

渡邉貢

渡邉:昔は「『DEAR FRIENDS』みたいな曲を書いて」とリクエストされたりもして、とにかく曲作りに行き詰まることが多かったんです。アルバムも年に2枚作ったりして。しかも今振り返ると、若いときは自信がなかったから余計にきつかった。「曲が作れなくなったらどうしよう」って。でも今はそんなことが一切ないんです。その気になればいつでもPERSONZの曲が書けるし、どんなオーダーでもちゃんとやれるんです。それが成長なのかなんなのか分からないですが、悲観的になることはなくなりました。

JILL:あと今は、プロモーションで回っていると「若いときにPERSONZを聴いていました」とおっしゃってくれる方とたくさん出会えて、それも嬉しいです。バイきんぐの小峠(英二)さんはテレビ番組でご一緒して、「高校生のときに聴いていました」と言って、私の歌に涙を流してくださって。活動を持続しているからこそ、そういうみなさんに会える。だから今回の47都道府県のツアーでも、私たちの音楽を聴いて人生の一部が変わった人が各地に必ずいらっしゃるんじゃないかって。音楽って目に見えない力があると思います。47都道府県も回って「本当にお客さんは来るんだろうか」と不安もありますが、でもそれをやる価値は必ずあるはず。

渡邉:このインタビューまでに、すでに数か所でライブをやりましたが、まだまだ突破できそうなところがある。「もっとやれるな」って感じています。ですので、たとえば大阪や守山、奈良でライブを一度見ても、関西では兵庫(8月11日)、京都(11月1日)、和歌山(11月3日)がまだあるので来ていただいたら、「また違うものになっていたな」と思ってもらえるはず。

JILL:あとPERSONZのコンサートは今回のツアーを含めては高校生以下の料金が1,000円なんです。それに加えてお仕事なんかでどうしても開演時間に間に合わない方には3,000円で途中から入場できるレイトチケットというものも販売してるんですよね。そうやって以前から私たちの曲を聴いてくださっている方はもちろん、新しい方にもぜひライブをご覧になっていただきたいです。

取材・文=田辺ユウキ 写真=ハヤシマコ

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