フリーズドライはおうちで作れる?再現方法や注意点を徹底解説
完全なフリーズドライは家庭では難しい
「フリーズドライ」とは、食品をいったん凍らせてから水分だけを取り除く保存加工技術のこと。おうちでも作れたらいいのに……と思ったことはありませんか?
実際に家庭で作るとなると、完全なフリーズドライはむずかしいのが現実です。その理由は市販品と同じ製法では専用設備が必要なため。ただし、「それに近い状態」に再現する方法はあります。
フリーズドライの基本原理
フリーズドライの基本原理
食品を凍らせる
真空状態で水分を昇華させる
水を液体にせず飛ばす技術
なぜ家庭では再現できないかというと、フリーズドライとは、ただ凍らせて乾燥するだけでなく、凍らせて真空状態で乾燥させる必要があるからです。
本来のフリーズドライ製法は真空装置が必要で、温度や圧力をコントロールすることが必須となるため、家電では再現不可能なのです。
家庭で完全なフリーズドライが作れない理由
家庭で完全なフリーズドライが作れない理由
冷凍するだけではダメ
乾燥機・オーブンとの違い
危険な自己流方法
冷凍するだけではダメ
冷凍するだけではフリーズドライにはなりません。冷凍した場合は水分は残ったままですが、フリーズドライは、凍った水分を真空状態で昇華させて取り除く工程が必要となります。
通常の冷凍庫では水分は氷のまま残るため、時間が経っても乾燥できず解凍するとす分が出てしまいます。
乾燥機・オーブンとの違い
乾燥機やオーブンは、熱で水分を蒸発させます。凍結乾燥は、低温で水分を抜くため食感や風味が保たれますが、熱乾燥では細胞が壊れてしまい、食感や風味が別物になってしまいます。
危険な自己流方法
自己流の方法では、安全面や衛生面でリスクがあります。本来のフリーズドライ製法は、真空装置をはじめ専用設備を使い管理された状態で作られます。家庭では同じように管理できず細菌が繁殖したり劣化したりと品質を保てないおそれがあるため、無謀な再現は避けたほうが良いです。
おうちでできる「フリーズドライ風」の作り方
おうちでできる「フリーズドライ風」の作り方をご紹介します。本格的なフリーズドライは再現できませんが、凍結と低温乾燥で近づける方法です。水分を飛ばして軽くし、保存性を高めることを重視して、長期保存は避け早めに使い切ることを前提で作ってみてください。
ポイント
完全再現ではない
保存性・軽さを重視
使い切り前提
1. 冷凍→低温乾燥の方法
1. 薄く切る
りんごと柿をよく洗い、皮付きのまま薄く切ります。2〜3mm程度の薄さがおすすめです。
2. 冷凍庫で完全凍結
重ならないように金属トレーに並べて冷凍庫に入れ、ひと晩以上りんごと柿を完全に凍らせます。
3. 冷蔵庫で乾燥
冷凍庫から出し、乾燥した場所で2週間以上乾燥させます。常温乾燥、または冷蔵乾燥させたり、そのまま冷凍室に1ヶ月以上おくことで乾燥させたりすることも可能です。
今回は冷蔵庫の冷気の吹き出し口付近(主に冷蔵室の上段奥や中段)に入れ、2週間以上乾燥させ、途中で何度か裏返しました。
※家庭用の冷凍庫での乾燥は真空凍結乾燥に比べ、完全に水分を抜くまでに長時間の凍結と乾燥時間が必要です。中途半端な温度帯は細菌が増えやすくなること、しっかり乾燥させないとカビの原因になることを考慮し、衛生管理や温度管理をきちんと押さえてください。
市販フリーズドライとの違い
項目 / 市販 / 家庭
食感の違い / サクッと軽い / やや硬め
保存性の違い / 長期保存可 / 短期保存向き
味・香りの違い / 風味保持が優秀 / 風味やや劣る
フリーズドライ風に向いている食材・向いていない食材
向いている果物 / いちごバナナりんご
向いている野菜 / コーンにんじんほうれん草
フリーズドライ風に向いていない食材は、脂の多い肉や魚、チーズ、厚切りの根菜など。脂の多いものは乾燥を妨げ酸化しやすく傷みやすいです。また厚みがあるものはなかなか乾燥できません。脂が少ない果物や野菜などを選び、なるべく薄くカットして挑戦するようにしましょう。
おうちではフリーズドライ風の作り方で楽しんでみよう!
フリーズドライは、家庭の設備では再現することはできません。とはいえ、「冷凍」と「低温乾燥」を組み合わせれば、“フリーズドライ風”を楽しむことは可能です。
成功のポイントは、食材選びと薄く切ること、低温でじっくり乾かすこと。そして何より衛生管理を徹底することが重要です。本記事を参考にぜひ無理のない範囲で挑戦して、自分なりの“フリーズドライ風”を楽しんでみてくださいね。
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。
ライター:稲吉永恵(野菜ソムリエ / ローフードマイスター / オーガニックコンシェルジュ)