本日オープン!「広島もとまち水族館」に行ってみた <水族館×アート>生きているギャラリーの取材レポ
2025年10月31日、広島県の街中にある基町クレド・パセーラに「広島もとまち水族館」がオープンしました。
一般公開を前に開かれたメディア向け内覧会に参加し、館内の雰囲気や見どころ、館長の「推し魚」まで取材を実施。魚好き必見の見どころをまとめました。
魚好き必見! 8つの展示エリアの見どころ
広島もとまち水族館の館内は、8つの展示エリアに分かれています。
66基ある水槽には、魚類や両生類、哺乳類など約200種・3000の生き物を展示。一般的な水族館とは異なり、演出や舞台美術にもこだわって作られているところがポイントです。
8つの展示エリアを実際に見て感じたことを詳しく説明します。
展示エリア1 Welcome プロローグ
広島もとまち水族館で最初に出迎えてくれた水生生物はニシキゴイ。足元の低い水槽内で優雅に泳ぐコイと、壁や天井でのびのびと泳ぐ映像のコイのコラボがインパクト抜群です。
エリア全体が暗めなので、コイが泳ぐたびに揺れる水紋が趣深く感じられます。「コイ」と「紅葉」という広島らしい風景に、さっそく心をグッとつかまれました。
展示エリア2 Forest 四季のシーン
水族館のコンセプト<水といのちのミュージアム>がダイレクトに伝わる「展示エリア2 Forest 四季のシーン」。
ここではエボシカメレオンやニシキマゲクビガメなどの生きもののほか、ミーアキャットなども展示されています。
水槽の配置がただの横並びではないため、好きな展示から見ていくことができます。流木が大胆に配置されている水槽群もあり、レイアウトの美麗さにも注目です。
展示エリア3 White 静寂のシーン
「展示エリア3 White 静寂のシーン」は名前の通り、部屋一帯が真っ白の珍しいエリアです。
スカラレエンゼルやディスカスなど、模様や体色が鮮やかな魚が多く展示されているようです。
展示室に色がない分、生物により注視できるのが面白いポイント。魚好きならかなり楽しめる空間となっています。
展示エリア4 Marine note 多様性のシーン
このエリアに入ってすぐに目に入ってくるのは、中央付近の水槽で泳ぐミズクラゲたち。ここでは落ち着いた青い光が空間全体を包んでおり、まるで海の中に迷い込んだよう。
ミズクラゲ以外にもチンアナゴやハリセンボンなど、おなじみの海の生物たちを観察することができます。
展示エリア5 Coral 色彩のシーン
「展示エリア5 Coral 色彩のシーン」は、サンゴ礁を思わせるラッピングで全体が包まれているエリア。入ってすぐのところにある四角形の水槽では、椅子に座って上から魚を眺めたり、横からサンゴ礁をじっくり観察したりすることができます。
館長を務める佐藤文宏さんは、「低い位置からじっくり魚を見ることができるので、子どもたちに人気のエリアになるのでは」と話していました。
展示エリア6 海の花鳥風月 神秘のシーン
このエリアは光の切り絵作家・酒井敦美さんが手がけた作品と魚のコラボレーションが美しく、水族館の中でもひときわ目を引くスポットです。
水晶のような丸い水槽で泳ぐプテラポゴン・カウデルニイも幻想的に感じられます。写真映えする撮影スポットも多数あるので、記念撮影にもおすすめです。
展示エリア7 Zipangu 黄金のシーン
金色の部屋で、優雅に泳ぐヒレナガゴイや金魚たち。2026年3月31日までの期間限定で展示されている、毛利元就の甲冑(レプリカ)と魚のコラボレーションが見どころの「展示エリア7 Zipangu 黄金のシーン」。
このエリアでは「和」と魚の美しさがストレートに伝わってくる展示になっていました。
また、展示エリアには飲食スペースも完備! 魚や両生類がモチーフになった、食べ物や飲み物は、水生生物好きならテンションが上がること間違いなしです。
展示エリア8 Message エピローグ
ここは絶滅・進化を表す時計とアジアアロワナが泳ぐ水槽が一体になっており、「Message」という名前通り、メッセージ性の強いエリアとなっています。
決まった時間に特別な演出があるので、時間まで待って「メッセージ」を見てみてはいかがでしょうか。
館長の「推し魚」は? 注目の水生生物もチェック
佐藤文宏館長に個人的に好きな魚を聞いたところ、展示エリア5「Coral」にいるハタタテハゼを挙げてくれました。
「見ているだけで癒される。何時間でも見ていられる」と語るほどの“推し魚”です。
実際にハタタテハゼを観察すると、愛嬌のあるひらひらとした泳ぎと小さな体でありながら美しいグラデーションがかった体色がとても魅力的でした。展示エリア5のどの水槽にいるのか探してみてくださいね。
また、館長によると、展示エリア2「Forest」にいるオオサンショウウオも注目の水生生物。安佐動物公園からやってきたそうです。
オオサンショウウオといえば、人が両手で抱えるほどの大きさを想像しますが、広島もとまち水族館にやってきたのは、小ぶりのかわいいサイズ。大きい生体ももちろん素敵ですが、この愛らしい絶妙なサイズ感はぜひ実際に見てください。
見逃せない……!<絵画>のような展示のこだわり
展示エリアを見ていて感じたのは、「水槽がまるで1枚の絵画のよう」だということ。
魚1匹1匹、水槽1基、ひいては水族館内全体がアートな空間に仕上がっていました。
光やレイアウトの工夫で、魚たちの魅力がより際立って見えるのが印象に残りました。
展示のレイアウトが美しい水族館
広島もとまち水族館は、魚だけでなく水槽のレイアウトや展示エリアのラッピング、配置など全てにこだわり抜かれた施設だと感じました。
工夫がこらされているので、子どもから大人までじっくり楽しめるでしょう。水族館の「魅力」をぜひ体感してみてくださいね!
(サカナトライター:井村詩織)
参考サイト
広島もとまち水族館-~毛利輝元没後400年記念事業~ 『広島城と毛利元就の甲冑展示in広島もとまち水族館』を開催します