一人一人が主人公! それぞれの“人生”を感じられる第2期が始まるーー『メダリスト』第2期リレーインタビュー第2回:明浦路司役・大塚剛央さん
『月刊アフタヌーン』2020年7月号での連載開始直後から大きな注目を集めた、つるまいかだ先生による本格フィギュアスケート漫画『メダリスト』。2026年1月24日(土)からは待望のアニメ第2期が放送開始し、全日本ノービス選手権への出場を懸けた中部ブロック大会が描かれていきます。そして、2027年には劇場版の公開も控えており、第2期のその先のストーリーが紡がれます。
間もなく放送されるアニメ第2期第15話では、全日本ノービス選手権への出場を懸けた中部ブロック大会が開幕。本格的にフィギュアスケートを始めてまだ2年目ながら、爆速で成長中の結束いのりの前に立ちはだかる数々のライバルたちによる美しい演技が披露されます。
放送に際してスタートしたリレーインタビュー第2回には、新米コーチながら、熱い指導でいのりを支える明浦路司役の大塚剛央さんが登場。第1期を含む第2期初回放送となる第14話までの振り返りや司に対する思い、今後の見どころなどを語っていただきました。
【写真】メダリスト:明浦路司役・大塚剛央、第2期はそれぞれの人生を感じられる【声優インタビュー連載第2回】
司は一話一話の積み重ねで作られていった
──第2期が始まったばかりということで、まずは第1期の話から伺わせてください。最終回まで演じ終えてみて、明浦路司という人物に対する印象や、演じる上での捉え方はどのように変化していきましたか? また、演じる際、一番大きな手がかりになったのは、どういったところでしたか?
大塚剛央さん(以下、大塚):オーディションで司役に選んでいただいたのですが、本番のアフレコで共演者の皆さんと一緒に収録するまでは、司がどういう風になっていくのか、僕自身もそこまで想像できていたわけではありませんでした。僕の中では、第1話のアフレコがかなり大きかったと思います。
もちろん、役作りの上で、原作を先まで読んで司の過去などもある程度は知っていたし、声が大きくて元気な印象だけど、実は負の感情もしっかり持っている。そういうキャラクターだということは踏まえた上で収録に臨んだのですが、まだいのりさんとの関係性ができていない前半のシーンでの接し方とか、後半の「俺がこの子のコーチになります!コーチとしてスケートを教えます!」と言うシーンなどで、けっこうディレクションをいただきながら作っていきました。あと、先の話数だと例えば、いのりさんがシンスプリントと診断された回は……。
──第9話ですね。
大塚:はい。新幹線の中で話すシーンは、僕が最初に持っていった芝居だと、気持ちがマイナス方向に行き過ぎて、いのりさんと一緒に落ち込み過ぎてしまっていたんです。でも、司はそうではなくて、「ごめんね」と言うけれど、もっとその先を見ている。そういったディレクションをいただきながら、どんどん肉付けしていったので、役作りの面での最初の大きな手がかりは第1話でしたが、その後も一話一話の積み重ねでどんどん作られていった感覚があります。
──では、第1話の中でも特に印象的なディレクションは、どのようなものでしたか?
大塚:原作で先の話まで読んでいたので、司の“人に寄り添っていく”ようなところの印象がすごく大きくて。第1話の段階でも、そういう雰囲気がちょっと出過ぎていたんです。でも、司って意外と大人げなかったり、ちょっと粗雑だったりするところもあるんですよね。そういったところは、ディレクションをいただいてから気づけた部分でしたし、司という人間のベースにあるのかなと思っています。
──大塚さん自身は、司のどのようなところに魅力を感じますか?
大塚:何事も決めつけないところでしょうか。コーチとしていのりさんに教えるシーンが多いのですが、誰と接するにしたって、その人にとってどういう言葉が一番届くのかを常に考えているような人物だと思うんです。そのあたりは、すごく魅力的だと思います。
──相手のことを考えるし、柔軟性もある?
大塚:そうですね。特に子供に対してだと、自分の経験に重ねて「自分はこうだったから、こうなんじゃないか」と言いたくなるというか、そうなってしまいがちだと思うんです。
でも、司は、その子がこれまでどういう風にやってきて、どう感じているのかをしっかりと考えて。その子が伸びるために、その子に響くことは何だろうって探っていく。そこが魅力だと思います。それに、まだ完璧ではないので司自身も悩んで一緒に成長している感じも人間味があって良いなと思います。
──司のいのりに対する距離感や立ち位置は、コーチとして絶妙だと思うのですが、大塚さんはいのりと掛け合うシーンで特に大事にしていることなどはありますか?
大塚:今、お話ししたように、子供だからとかではなく、「結束いのり」という1人の人物に対しての向き合い方は、大事にしている部分です。(いのり役の)春瀬(なつみ)さんと一緒に作っている感じがすごくあったので、春瀬さんの演じるいのりさんから発せられる言葉を、自分の中で司として大事に受け取って、それにしっかり返していくことができたら良いのかなと思っていました。
──ここまでのお話で伺ったシーンや台詞の他にも特に印象的なものがあれば、教えてください。
大塚:演じる上での大きな出来事としては、やっぱり第5話の夜鷹純と初めて邂逅して、「貴方に未来は決められない」と言うシーンですね。原作を読んでいても、このシーンから感じられるパワーがものすごくて。これをアニメで表現するために、司を演じる声優としてどう表現すれば良いのかすごく悩んだし、現場でもスタッフさんたちと一緒に、とても大事に作っていったところだったので、すごく印象に残っています。
──いのりのために夜鷹に宣戦布告する司の強さが印象的なシーンでした。
大塚:あの状況って、司にとっては本当にものすごい瞬間というか……。自分の中ですごく大きな存在の夜鷹純が目の前にいて、そこに立ち向かっていく。あそこで描かれている「人生二つ分の勇気の力」という台詞って、あれ以上に形容する言葉はきっとないと思うんです。
演じる上では、覚悟もありつつ、やっぱりまだ不安定さもあるところも意識したというか。いのりさんのコーチとして、まだまだスタートしたばかりという成長過程なところも感じられるシーンにもなっているのかなと思います。
その時々の新鮮な司の反応を出していきたい
──ここからは、第2期について質問させてください。第1話のアフレコ現場は、どのような雰囲気でしたか?
大塚:(第1期の)13話分の積み重ねがあるので、引き続き出演される方たちとは、より結束力が高まったと思います。でも、特に第2期第14話(初回話数)って、新しいキャラクターたちが本当にたくさんいたので。1人1人の役作りというか、キャラ決めもしなきゃいけない部分もありつつ、とても賑やかな現場だったし、「また、ここから始まるんだ」って雰囲気がすごくありましたね。
──ネタバレにならない範囲で伺いたいのですが、第2期の司は、どういったところが見どころになっていきますか?
大塚:司の基本的な人物像は、第1期でかなり捉えられたと思っていますし、そこに大きな変化は生じないので、演じる上で「第2期、どうしよう」みたいな不安はそこまでありませんでした。とはいえ、第2期でも司にとって大きな出来事が次々と起こります。マンガとアニメでは、少し表現や演出などが違ったりしてくるので、しっかりとアニメにアジャストして、引き続きその時々の新鮮な司の反応を出していきたいなと。司は本当にいつもリアクションが大きいので(笑)。それにけっこうギャップのある人物ではあるので、シーンごとの見せ方はしっかり考えているつもりです。
──放送されたばかりの第14話 について、特に印象的なことを教えてください。
大塚:少し時間が空いての第2期ということで、司の成長がちょっと感じられるシーンもあったりして、やっぱり積み重ねを感じられましたね。あとは、新しいステージで、いのりさんが立ち向かっていく新しいキャラクターたちも、アニメになったことで、より一筋縄じゃいかない感があるというか(笑)。一人一人、どういう演技をしていくんだろうという、これから先のワクワク感がものすごくありました。
──新ライバル総登場な回でしたね。
大塚:あと、原作をご存知の方は、岡崎いるか選手の登場で「いよいよあのキャラクターが!」みたいなところもあったのではないでしょうか。(月刊アフタヌーンの第2回)人気投票でも第1位でしたからね。僕もその気持ちは分かります(笑)。
観ていると、さらにみんなの活躍が楽しみになるし、そこに挑戦していくいのりさんがどういう成長過程を描いていくのか、もっと楽しみになる第1話になっていると思いました。
──第14話を拝見した際に、司と司をサポートする加護耕一が会場で会うシーンにグッと来ました。
大塚:司と加護家の関係性に関しては、第6話でアニメオリジナルの形で描かれているので、それを踏まえて観ると、さらに素敵なシーンだと思います。あと、第14話には、夜鷹と(狼嵜)光の出会いのシーンがありましたよね。あの場面は、コミックだとおまけ的な感じで描かれていたので、原作勢は「ここで挿入されるんだ!」と嬉しかったでしょうし、アニメから観ている人たちは驚いたのでは? すごく印象的なシーンだったと思います。
第2期では、司にもいのりにも大きな挑戦がある
──特に気になるキャラクターや、お気に入りのキャラクターがいれば教えてください。
大塚:僕は、鴗鳥家がずっと好きなんです。なんだかんだ、この親にしてこの子ありって感じもありますよね(笑)。鴗鳥慎一郎は、分かりづらいけれどものすごく愛情深い人で、息子の理凰さんに対してだけではなく、他の選手たちに対してもそうなんですよね。
原作では苦労の末、あんな白髪になっちゃったって描かれていますし。それぐらい周りに気を配っていて、すごく素敵な人物。それなのに描かれ方としてはけっこうコミカルでもあって、あのテンション感の中で、ものすごく色々な幅のある人だというのも面白いなって思います。
あと、理凰さんは可愛いですよね。第1期の最終回のバッジテストで、ジャンプに成功して本当にキラキラした笑顔を見せる理凰さんと、それを見てガッツポーズする慎一郎。あれはもうたまらないですね。お互いに素直じゃないけれど、ちゃんと信頼関係があって、ちゃんと見ているんだなって。2人の関係性が見えて、すごく好きなシーンでした。
──第2期の放送も始まって、少し気にはなっているけれど、まだ作品に触れたことのない人にアニメ『メダリスト』の魅力を伝えるとしたら、どのようなことを伝えますか。
大塚:とにかく、第1話を観てほしいって言います(笑)。そうすれば分かるはず。そこからコミックも読んだら、たぶん止まらなくなっちゃうと思います。僕自身、『メダリスト』のことは、オーディションの前から知ってはいたんです。ただ、フィギュアスケートが身近な存在ではなかったので、その世界で描かれる物語が、自分に対してどう響くのかなって少し疑問でした。
でも、オーディションの前に読み進めてみたら、そんな次元の話じゃないんですよね(笑)。もし感情移入できるキャラクターがいなかったとしても、この作品から伝わるパワーは絶対にあると思います。ただ、僕自身、人から「これ絶対に面白いから見て!」みたいに強く勧められると、「そこまで言われると、ちょっと……」みたいな天の邪鬼なところがあるので、あまり無理強いはしないんですけれど(笑)。本当にちょっとでも興味があるなら、1回触れてもらえたら、きっと好きになっていただけると思っています。
──第2期の初回第14話から観ても魅力は伝わる作品になっている?
大塚:もちろん、第1期を観た後の方がより面白いと思います(笑)。でも、第2期の第14話をパッと観ただけでも、すごく引き込まれて、気になるアニメにはなっているはずです。
──最後に、まもなく放送される第15話と、今後の見どころを改めて教えてください。
大塚:これは第1期から引き続きになるのですが、選手一人一人の思いと、コーチとの関係性、そして、コーチの思い。それらがすごく丁寧に描かれていて、そこに生きている人たちの辿ってきた道、人生をすごく感じられます。特に今は大会中なので、きっと自分が会場にいて観戦しているような気持ちで楽しめると思います。
あとは、競技を普通に観ていても感じられない、選手がどういうことを考えて滑っているのかもすごく丁寧に描いてあって。一人一人のキャラクターがみんな主人公というか、全員のスピンオフを描いてほしいくらい、みんなの活躍がこれから描かれていくので、楽しみにしていただきたいですね。
そして、第2期では、司にもいのりにも大きな挑戦があって、そのあたりはすごく見どころになっていくし、2人にとって、ものすごく大きな出会いなどが描かれていきます。原作を読んでいる方は、きっとすごく楽しみなシーンとかもあるのかなと思いますし、僕自身も完成したアニメではどういう風になっているのか、すごく楽しみにしています。
【インタビュー・文:丸本大輔】