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【今週の『キングダム』の話題は?】飛信隊、邯鄲(かんたん)を前にする! 史実の邯鄲の歴史と「邯鄲の夢」は?「奥深く」〈875話〉

アニメイトタイムズ

写真:アニメイトタイムズ編集部

『キングダム』は「週刊ヤングジャンプ」にて連載中の、紀元前中国 戦国時代の大河ロマンです。作者は原泰久先生。コミックスは累計2200万部を突破し、連載は20周年を迎えています。主人公は、のちに秦の始皇帝となる嬴政(えいせい)と、「天下の大将軍」を目指す李信(りしん)の2人。歴史の壮大な流れを背景に、彼らが成長していく姿は、熱く読者を惹きつけてやみません。

ここでは、5月14日(木)発売の「週刊ヤングジャンプ(2026.5.28 No.24特大号)」に掲載された『キングダム』最新875話「奥深く」のあらすじを、SNSでの反響も含めて振り返っていきたいと思います。

 
※本記事には『キングダム』最新話のネタバレが含まれます。コミックス派やアニメ派の方等、ヤングジャンプ未読の方はご注意ください。

 

突破した飛信隊

さて、秦(しん)軍44万人vs.趙(ちょう)軍40万人以上がぶつかる、「秦趙大戦」の11日目。飛信隊が、趙軍 第二戦線を突破したところです。

趙軍 第二戦線とは、李牧(りぼく)の南北の移動により築かれた兵の層、いわば“壁”です。前線と王都 邯鄲(かんたん)の間を隔てる最後のとりででもあります。

手強い壁に苦戦する秦軍ですが、蒙恬(もうてん)が、“楽華隊(がくかたい)・羌瘣(きょうかい)軍・飛信隊がひとつの軍となり動く” ことを提案。策は成功し、3隊ともこの壁を突破しました。

 

一気に趙の心臓を目指す!

楽華と羌瘣軍には、趙兵後軍が駆けつけますが、飛信隊の前にはがら空き。「抜けたぞォ 進めェ この先に敵はいないぞォ いよっしゃアア」ということで、平原に突入した信たちです。戦場を背中に、そのまま前進していきます。

平原には小さな邑(ゆう、城壁に囲まれた小さい町)が点々とありましたが、どこからも兵が出てくる気配はありません。軍師 河了貂(かりょうてん)は気づきます。

「秦軍も総力戦だけど… 趙軍はもっと出し尽くしている… 李牧は第一・第二の防衛線に勝負をかけて 本国の戦力のほとんどを使い切ってしまってる」

ということは、このまま前進すれば誰の邪魔も入らず、邯鄲に侵入できる!?

 

我呂(がろ)の提言

この時、我呂が信と河了貂に、ひとこと。「飛ばし続けると後ろの歩兵と分かれちまうぞ 何だかんだ 主力は歩兵(あいつら)だ」

そうなんですよね、戦場は軍隊という群れ同士の動きによって勝敗が決まるところなので、単独プレイはあまりお勧めできないかも……。兵站も追いつかなくなってしまいますし。

しかし、信にはもう前しか見えていません。戦線を突破した上に、王都に続く平原に立っているという初めての状況に、気持ちの高まりを抑えられないのでしょう。我呂の意見は無視して、前進していきます。

 

邯鄲だ!

11日目の夜です。

秦軍 録嗚未(ろくおみ)の野営地には、“飛信隊が戦線を突破し前進している”ことが報告されます。また、羌瘣軍と楽華隊が、飛信隊を追おうとする趙兵たちを足止めしていることも。

味方が正確な位置を特定できないほど前進している飛信隊に対して、「あのガキ…」とつぶやく録嗚未。複雑な表情を浮かべます。

ろくおみは、王騎・謄の下にいた将で、戦場経験という点では、信より先輩です。そんな彼には、信の行動は、集団戦にふさわしくない減点に見えるのでしょうか? それとも、単に手柄を横取りするなという気持ちとか? 味方から離れすぎてしまうことを心配しているとか? とにかく、予想外の出来事に「おいおいちょっと待ってくれ」という様子の録嗚未です。

12日目。

飛信隊が進んだ先に見えたのは、邯鄲です。趙の王都 邯鄲の城壁が目の前に。

ここまで 来たぞ 飛信隊    …っ オオ

邯鄲です! SNSでも、「ついに王都じゃん 趙が終わる」「信たちの兵糧は大丈夫? 違和感あるな」「さすがに一隊で王都落とせないでしょ」「簡単に邯鄲に到着←審議中」など、興奮と心配の声などが上がっていました。

 

 

邯鄲の歴史と「邯鄲の夢」

ここからは、史実としてわかっている邯鄲についての雑学です。

 

邯鄲の歴史

邯鄲の場所には、殷(いん)代以前から都市があったことがわかっており、殷の時代になって都城が築かれた、とされています。この場所は、西から流れ来る滏陽河(ふようが)と南を流れる漳河(しょうが)に囲まれた交通の要衝です。人と物が集まり大きな市場へと発展するしかない、という土地ですよね。

周代は衛(えい)国、春秋時代には晋(しん)国の版図となり、いずれも主要都市として扱われました。前500年ごろには、晋の正卿(宰相)である趙(ちょう)氏が世襲で治める城都となっています。

戦国時代になると晋が趙・魏(ぎ)・韓(かん)の3つに分裂。邯鄲は趙の版図となり、前386年には王都となりました。この、邯鄲を王都とする趙が、『キングダム』の趙というわけですね。

話はそれますが、趙王の苗字は「趙」です。趙王の祖先は、晋の正卿(宰相)までたどれるのです。また一説には、秦の嬴政(嬴氏)も趙氏の出という説もあるようです。まあ、よくわかりませんが、遠くたどれば趙と秦は親戚関係があるかも、というぐらいなのかもしれません。

 

邯鄲の夢

「邯鄲の夢」とか「邯鄲の枕」という故事成語をご存知でしょうか。聞いたことはあるが意味は知らないや、と焦った筆者は急ぎ調べましたのでしばしお付き合いを。

「邯鄲の夢」の意味は、「人生の栄枯盛衰のはかないことのたとえ」(デジタル大辞泉より)だそうで、元の話は、唐(とう)代の沈既済(しんきせい)の小説『枕中記』(ちんちゅうき)にあるとのこと。

主人公の盧生(ろせい)は、あてもなく故郷から都 邯鄲に出てきます。邯鄲の宿屋で、ある道士に枕をもらった盧生。もらった枕で眠ると、自分が立身出世を果たし栄達の限りを尽くしたすえに子孫に囲まれ大往生する、という夢を見ます。最高の気持ちで目覚めると、そこは元の宿屋で、主人が火にかけていた粟の飯すら炊きあがっていないという有様。

ほんの一時の夢見、ここに盧生は人生の儚さを悟った、というわけです。

邯鄲という大都会での出世欲が、盧生にこのような夢を見させたのでしょうか。人間界で推奨される立身出世の一生も、大地や都城に比べたらあっという間の出来事に過ぎないという、広大な中国ならではの故事成語ですね。

 
『キングダム』にはこのような老成した言葉は似合いませんが、邯鄲が中華全土で一二を争う大都会なのであろうことはわかりました。そんな邯鄲を目の前にした飛信隊、このまま踏み込むのか? 味方を待つのか? どうする? 続きが気になりますが、今回はここまでです。

 

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