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やわらかくて甘くて…「やっぱりこれが好きだ」120年の名物だんごが愛されるワケ

Sitakke

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HBC テレビで、毎週月~金曜ごご4:50~7:00に放送中の情報ワイド番組「今日ドキッ!」。
北海道のさまざまな話題をご紹介している「今日ドキッ!」から、選りすぐりの情報をお届けします。

新しいお店が次から次へとオープンする一方、長く続いているお店があります。
北海道で50年以上続くお店にスポットをあて、愛されている理由を探るコーナー「ザ・ロングセラー愛されるにはワケがある」。
今回は、道南を代表する名物「大沼だんご」の知られざる歴史に注目しました。

創業120年「大沼だんご」の知られざる歴史

道内でも有数の紅葉の名所、函館の隣にある、七飯町・大沼国定公園。
この美しい景色を目に焼き付けようと、毎年多くの人が訪れます。
そしてこの紅葉と合わせて、外せないロングセラーが…

客:「串に刺さっていなくて、小さくて、やわらかくて。甘すぎず、大人の団子」
客:「あんと醤油の団子。一番おいしいです」

団子が見えないほど、たっぷりのあんと醤油がかかった「大沼だんご」!
串に刺さっておらず、弁当のような容器に入っているのが特徴です。

JR大沼公園駅のすぐそばにある、沼の家がその元祖。

4代目 堀口 愼哉さん:「店を始めたのは、1905年。日露戦争が終わった年と父親がよく言っていた」

今年で創業120年!
今は、4代目の堀口 愼哉さんと息子の貴弘さんが中心となり、明治から続く店を守り続けています。

4代目 堀口 愼哉さん「大沼の方を鉄道工事するっていうので、鉄道が開通するとより発展してくると思ったので、それを見越して商売を始めた」

1902年に北海道鉄道が開業。

沼の家ができた1905年には函館と札幌間が鉄道でつながりました。

店を始めた初代の亀吉さんは、鉄道の開通によって大沼に人の出入りが多くなると予想し、沼の家を始めたといいます。
でも、なぜ“だんご”だったのでしょうか…?

4代目 堀口 愼哉さん:「初代の奥さんが新潟出身で、新潟は米どころで大沼で団子を作ろうかとなった。列車を降りる人には店で団子を売っていたが、降りない人には駅弁としてホームで団子を買ってもらっていた。カゴで、団子を駅弁のように売りやすくするために、串団子じゃなくて平べったい団子。お弁当みたいな形で売るように」

創業当時は、大沼で降りない人にも、買ってもらえるようにと電車の窓からお客さんとやり取りをするスタイルで販売!
しかし、経営は簡単ではなかったようで…

4代目 堀口 愼哉さん:「団子だけでは食べていけなかったので、この車で鹿部までの乗合いのタクシーのようにしていた。それから地元の人の結婚式をしたり、休憩所として、団体の食事処にしたり」

当初は団子だけではなかなかうまくいかず、観光客の送迎や、店を休憩所として提供するなどしてなんとかやりくりしていました。
そんなときに支えになってくれたのが…

4代目 堀口 愼哉さん:「おかげさまで、地元の人が大沼に来たときに団子を買ってくれる。地元の人が一番来てくれる。その人が小さいころから食べている、昔から馴染みのある思い出の味みたいな」

地元客:「地元なんだ。食べたくなる。やっぱり小さいときから食べているから。これが好きだ」

地元客:「毎週来ている。飽きない。変わらないのがいい」

愛され続ける味を守るためには、譲れないこだわりがありました。

長男 堀口 貴弘 さん:「作り置きしない。毎朝仕込めるものは毎朝仕込んで、いいものを出していくっていうところはこだわっている部分」

沼の家の一日は、コメを機械で粉にするところから始まり、一つひとつ手作業で団子を丁寧に詰めていきます。

長男 堀口 貴弘 さん:「一日に回数としては朝・昼前・昼の後の3回に分けて製造。団子なので甘いものとかと一緒に入っていると、どんどん固くなる。なので、お客さんに一番おいしい状態、やわらかい状態で食べてもらうには売れる前に作って、回転させていく」

客:「餅がやわらかい。品がいい。小豆の味を感じる」

客:「甘いものに目がなくてね。もう2つでも3つでも」

ところで、この容器…あんと醤油で大きさが違うのに気づきましたか?


4代目 堀口 愼哉さん:「昔は、甘いものがうまいっていうイメージだった。あんこの団子と甘いものだけじゃなくて、しょっぱいものっていうことで醤油味も、という作り方に」

明治時代は、砂糖が手に入りやすくなったこともあり、甘いお菓子が次々と普及し人気に!
そこであんこの団子を多めに入れ、その箸休めとして醤油団子を入れたといいます。そして…

4代目 堀口 愼哉さん:「たまたま大きい方と小さいほうとがあったので、大沼と小沼みたいな感じに見えるんじゃないかと」

その容器のサイズの違いが後々、大沼公園の大沼と小沼、さらに団子がそこに浮かぶ島を表現しているように見えると、大沼公園を訪れた観光客にとって定番のお土産になりました。

客:「おいしい。これはうまい。あっという間になくなっちゃう」

客:「欲張って2個取りしちゃお。甘いとしょっぱいがどっちも食べられるからおいしい。食いしん坊にはちょうどいい」

愛され続けるワケとは…?

沼の家の“大沼だんご”がこれほどまでに愛され続けるワケとは…?

4代目 堀口 愼哉さん:「何かが特徴的ってわけでもない。やっぱり懐かしくて来るとか」

4代目 堀口 愼哉さん:「80歳とか90歳になったおじいちゃん・おばあちゃんが、お墓参りとかで来るときに、うちの包装紙を見て『変わらないね』って喜んで買ってくれる。その時代によって少し機械に置き換えてできることはするけれど、でも風合いだとかは変えない範囲のやり方をしようとは思っている」

大沼公園の紅葉の見ごろは10月下旬。
紅葉とともに“大沼だんご”を楽しまれてはいかがでしょうか。

【沼の家】

住所:北海道亀田郡七飯町大沼町145
営業:午前8時半~午後6時

※掲載の内容は番組放送時(2025年10月9日)の情報に基づきます。

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