【市川市】元銭湯、新たな集いの場へ!古本屋カフェ「アトリエ*ローゼンホルツ」
100年前、住宅街に建てられた一軒の銭湯。後に「アトリエ*ローゼンホルツ」として形を変え、出会いと別れを見守りながら、ゆっくりと時を刻んでいます。
沈黙の時を経て、新たな集いの場へ
カフェ、古本屋、アトリエ、ワークショップスペースなどさまざまな顔を持つ「アトリエ*ローゼンホルツ」。
店主の佐藤真里さんが嫁いできた後、数十年にわたり「誰も足を踏み入れない倉庫状態」だったそう。
元々、この場所には1923年に建てられた「第二大正湯」という銭湯がありました。
関東大震災を逃れて市川にやって来た夫婦(佐藤さんの義理の祖父母)が5人の子どもを育てながら50年間、守り続けてきた場所です。
祖父母が他界し、雨漏りなど老朽化が進むにつれ、家は次第に使われなくなりますが、「当時、義理の父の介護中で、家を壊すと事切れそうな気がして怖くて残しました」と佐藤さん。
その後、シロアリが発生し、2007年に改築。
煙突があった場所など当時の面影が残るその家で「ヨガやアロマ教室として使わせてほしい」という依頼に応じたり、お茶を飲みながら手紙を書くイベントなどをするうちに人が集まるようになり、2009年、古本屋カフェとして営業を開始。
「ぼろぼろの家でも好きだなと思ってくれる人に使ってもらえれば」と話します。
絵本に込められたたくさんの思い
2022年、佐藤さんは長年の夢でもあった、絵本『100年生きられた家』を製作します。
「いつか家が壊れた時に絵本が残っていたら」と考え、あきのかなこさんにイラストを依頼。
昔、この家に下宿していた水彩画家の松波照慶さんに当時の様子を描き起こしてもらい、銭湯も再現。
ページいっぱい入念に描かれた銭湯の精霊(湯玉)たち、各部屋に置かれた本の作家や主人公(宮沢賢治、赤毛のアンなど)も登場します。
「ここに来ると、こんな事がやりたかったなどと思い出す人がたくさんいます。それを湯玉として表現したかった」と佐藤さん。
「さまざまな事を気付かせてくれる100年たった家。この家で育った『湯玉ちゃん』にぜひ出合いに来てください」。
「こぎん刺し 北の星座とサークル展~津軽のかまりっこ」
日時/5月5日(日・祝)~27日(月)正午~午後5時
場所/アトリエ*ローゼンホルツ内
住所/市川市真間2-2-12
電話番号/090-1808-8911
ホームページ/https://atelierrosenholzm.wixsite.com/atelierrosen