妊婦さんが生魚に注意しなければいけないのはなぜ?その理由を解説
妊婦は生魚を食べても良い?
妊娠中は、食中毒の原因菌に一般の人よりも感染しやすくなることや、魚に含まれる成分によっておなかの赤ちゃんに影響するおそれがあることから、魚を食べる量や種類、食べ方に注意が必要。
刺身のような生魚は、絶対に食べてはいけないというわけではありませんが、控えたほうがよいと考えられています。(※123)
なぜ妊婦は生魚を食べてはいけない?理由とは
妊婦が生魚を食べてはいけない理由
食中毒のおそれがあるから
寄生虫の感染リスクがあるから
水銀が含まれているから
食中毒のおそれがあるから
妊娠中は、普段よりも免疫力が低下しています。そのため、食中毒になりやすく、腹痛や下痢、嘔吐などの食中毒症状から、子宮収縮を誘発してしまうおそれも。
生魚に存在する食中毒の原因となる細菌は、加熱によって死滅するため、しっかりと加熱することで食中毒対策になります。(※3)寄生虫の感染リスクがあるから
さば、あじ、さんまなどの生魚には、アニサキスという寄生虫がいる場合があります。アニサキスがいる魚を生で食べると、激しい腹痛、下痢や嘔吐などがあらわれるおそれが。
アニサキス対策としては、新鮮な魚を選ぶことや、目視でアニサキスを取り除くこと、十分な加熱などが挙げられます。70℃以上または60℃で1分の加熱で対策できますよ。(※4)水銀が含まれているから
魚には水銀が含まれており、特に大型の魚は食物連鎖の上位になるため、小さい魚よりも含まれる量が多いです。まぐろやめかじき、金目鯛などは食べる量に注意が必要。
胎児は水銀への感受性が高く、脳の発達に影響を与えることが明らかになっています。水銀に関しては、調理によって除去されないため、加熱・非加熱関係なく食べる量や頻度に注意しましょう。(※135)
【Q&A】寿司は食べても良い?
A:加熱されたネタを選べば、食べてもかまいません。
前述のように、生魚は妊娠中は控えたほうがよいと考えられるため、刺身の寿司も同様に避けましょう。加熱されているネタを選べば問題ありません。煮穴子やボイルえび、納豆巻きなどは妊娠中でも食べられます。なお、魚には良質なたんぱく質やDHA、EPA、カルシウムなどの栄養が豊富ですので、魚自体を避ける必要はありません。(※3)
【Q&A】妊娠中の生魚はいつからダメ?
A:妊娠4か月頃から、赤ちゃんも水銀を取り込むようになりますが、妊娠に気づいたときから気をつけるようにしましょう。
赤ちゃんは胎盤を通して水銀を取り込みます。胎盤が完成するのが、一般的に妊娠4か月頃といわれているため、赤ちゃんに影響するようになるのはこの頃です。しかし、妊娠に気づいたときから意識するとよいでしょう。(※1)
【Q&A】妊娠に気づかず生魚を食べてしまった場合は?
A:食中毒症状が出なければ問題ありません。以後気をつけるようにしましょう。
生魚を食べたからといって、必ずしも食中毒になるわけではありません。症状がなければ食べてしまったものは気にする必要はありませんが、食中毒になりやすい状態ということは認識しておきましょう。それ以降の食べ方に注意してくださいね。(※3)
妊婦さんは生魚に注意しよう
妊娠中は、免疫力が低下して食中毒になりやすいことから、生魚は控えたほうがよいといわれています。もし食べてしまっても、食中毒症状がなければ問題ないため、以降気をつけましょう。
また、魚に含まれる水銀は摂り過ぎると胎児に影響を及ぼすおそれがあるので、魚の種類と量に注意してくださいね。しかし、魚自体を必要以上に避ける必要はありません。生食を控え、注意点に留意しながら魚を食べるよう心がけましょう。
【参考文献】
(2024/03/11参照)