猫は『毛の色が変わる』こともある?考えられる5つの原因
1.フィーバーコート
フィーバーコートとは、妊娠中の母猫の体調不良や発熱といった影響で、生後間もない猫が本来の色ではない色で生まれてくる現象です。
これは、毛の色を決める「メラニン」という色素が一時的に減少するために起こると考えられています。
フィーバーコートは、成長とともに本来の色に戻ることがほとんどです。ただし、母猫の体調不良が感染症によるものだった場合は、子猫も健康状態に注意しましょう。
2.ゴーストマーク
ゴーストマークとは、子猫の毛に現れる一時的な縞模様や斑点のことです。成長とともに消えることが多く、特に黒猫や白猫に見られる現象です。
これらの模様は、毛が生え変わる過程で自然になくなり、成猫になる頃には本来の毛色に落ち着きます。一見不思議に思えるゴーストマークも、猫の成長の証ともいえるものです。
3.遺伝や突然変異
猫の毛色や模様は、遺伝による影響がとても大きいです。同じ親猫から生まれた兄弟でも、全く異なる毛色や模様を持つ場合があります。それは、遺伝子の組み合わせが多様だからです。
中には、突然変異によって思いもよらない毛色や模様が現れることもあります。例えば、全身が真っ白なのに一部分だけ黒い毛が生えてきたり、珍しい色合いの毛が現れることも。こうした変化は、猫の個性としてとても魅力的ですよね。
ブリーダーの間では、こうした遺伝的特徴を研究し、新しい毛色や模様を持つ猫を育てる努力が続けられています。
4.外的要因や病気
猫の毛色が変わる原因には、外的な要因や病気も関係していることがあります。たとえば、紫外線を浴びることで毛の色が変わったり、栄養不足やストレスが影響することがあります。
さらに、ホルモンバランスの乱れや病気も毛色の変化を引き起こす場合があります。毛が薄くなったり、全体の色が明るくなることがあります。
毛色が突然変わるのは、猫が健康面で何らかのサインを出している可能性もあるため、獣医師に相談するのがおすすめです。
5.老化
猫も人間と同じように、年を重ねるにつれて体に変化が現れます。そのひとつが毛色の変化です。加齢によって、毛の色素が少なくなり、黒い毛がグレーになったり、白髪が混じることがあります。
特に目立つのは顔や耳の周辺。こうした変化は、猫が健康で年齢を重ねている証拠ともいえます。若い頃とは違った魅力を感じさせてくれる老猫の姿に、飼い主としては愛おしさが増すものですよね。
毛色の変化は自然な老化の一部ですが、それに伴い健康状態にも気を配ることが大切です。愛猫が心地よく過ごせるよう、適切なケアをしてあげましょう。
まとめ
猫の毛色が変わる理由には、成長や健康、遺伝など、さまざまな要因が関わっています。フィーバーコートやゴーストマークのように子猫の成長過程で起こる変化から、遺伝や突然変異、外的要因、さらには老化によるものまで、その背景には自然の不思議や愛猫の健康状態が影響しています。
毛色の変化は驚きや不安を感じることもありますが、愛猫の個性として楽しむ気持ちも大切です。ただし、急な変化や他の症状が見られる場合には、早めに獣医師に相談することを忘れずに。
(獣医師監修:加藤桂子)