「地域のチーム」への転換|靜甲ソルフェジオが2026シーズンに懸ける、実業団チームの“アイデンティティ革命”
2025年に日本女子ソフトボールリーグで優勝した靜甲ソフトボール部。そんなチームは2026年に、『靜甲ソルフェジオ』にチーム名称を変更しました。
長年、実業団の強豪としてその名を馳せてきた「靜甲ソフトボール部」が、「靜甲ソルフェジオ」へとその名を変えて新たなシーズンを迎えます。背負うのは、一企業の看板だけではなく、約60社にのぼる地域のパートナー企業たちとともに歩む決意を固めています。
なぜ彼女らは、慣れ親しんだアイデンティティを脱ぎ捨て、地域のチームへと進んでいくのか?その変革の深層に迫ります。
「ソルフェジオ」という名の調律。なぜ今、名前を変えるのか
これまで靜甲ソフトボール部は、実業団としてひたむきに勝利を追求してきました。しかし、2026シーズンを機に彼女たちが選んだのは、「勝利」の定義を書き換えることでした。「ソルフェジオ」は、癒しや調和、共鳴の象徴とされる周波数「432Hz」に由来しています。自然界と調和するその響きを、選手一人ひとりの個性が共鳴し合う「理想的なチームワーク」の姿に重ね合わせました。
また、ホームタウンである「清水(432)」の地を数字で表現したものであり、地域に深く根ざし、愛されるチームでありたいという想いを込めています。新名称のもと、グラウンドでの勝利はもちろん、プレーを通じて地域・企業・ファンの皆様と心が一つに共鳴するチームを目指していきます。
この改名には、単なる名称変更を超え、ソフトボールが街を繋ぎ、『靜甲ソルフェジオ』というチームが地域とともに歩んでいくという決意が込められています。
1社から60社へ。「支えられる」から「共創する」存在へ
この進化を先導するのは、靜甲株式会社内で2025年に立ち上がった『地域未来創造課』です。
これまで、ソフトボール部としてのチーム活動だけでなく、多角的な事業を展開する「“靜甲”のブランド構築」や小学校への「なげかた教室」、地域を巻き込んだ「靜甲ソフトボールフェスティバル」の開催などの活動を行ってきました。
また、こうした活動をベースとして、静岡市や三島市、富士市ともスポーツに関する連携協定を結んでいます。
今回の新たな変化の象徴とも言えるのが、静岡県内を中心としたパートナー約60社との新規契約です。
これまでの実業団モデルは、親会社が活動資金を全面的にバックアップする「一社完結型」が主流でした。しかし、靜甲ソルフェジオが選んだのは、靜甲株式会社だけでなく、地域全体でチームを支え、同時にチームが地域を支える「地域共創型」へのシフトです。「企業の部活動」から深化し、1社の枠を超え、多種多様な企業が「自分たちのチーム」として関わることになります。パートナー企業は単なるスポンサーではなく、共同での地域課題解決、ソフトボールチームを活用したパートナー企業社員のエンゲージメント向上など、スポーツを介した「新しい価値」をともに創り出す仲間となりました。
選手のユニフォームやヘルメットには、多くの企業名が入るようになりました。
“地域のチーム”としての期待感。パートナーとサポーターの反応
2026年以降の『靜甲ソルフェジオ』の動きは、すでに地域にポジティブな連鎖を引き起こしています。
新規契約を締結したパートナー企業からは多くのポジティブな声が上がり、これまでは靜甲の社員や選手の保護者、OGなどが中心だったサポーターも、これまで関わってきた地域の方々がより長く“応援するもの”としてチームの存在を感じるようになっています。
パートナー企業のコメント
「以前から強いソフトボールチームであることは知っていたが、なげかた教室などこんなにも地域貢献活動に力を入れていることを知らなかった。会社としてだけでなく、個人としてもファンとなりました。」
「一緒に闘いたいと感じる魅力のあるチームです。」
「大阪の企業だから応援バスのお誘いに便乗することができないが、熊野大会(三重県)は会社で大型バスを貸し切り、全社員で応援に行く予定です。」
響き合う未来のために。これから奏でる「対話」の旋律
「地域のチーム」としての歩みは、まだ始まったばかりです。美しいハーモニーを奏で続けるために、ソルフェジオはこれから「対話」を加速させていきます。
今後、Sports for Socialでは、靜甲ソルフェジオが目指す地域との共創を追いかけていきます。チームの声やパートナー企業の声を通して、「なぜ、今の静岡にスポーツが必要なのか?」「企業の抱える課題に、スポーツの力がどう応えられるのか?」「10年後、この地域にどんなものを残したいか?」などの課題に、靜甲ソルフェジオがどのように向き合うのかを紐解きます。
グラウンドの上での勝利だけでなく、こうした泥臭い対話の積み重ねこそが、地域のアイデンティティを形作っていくのです。今後の『靜甲ソルフェジオ』の活躍に是非ご注目ください!