【ネタバレ】『WEAPONS/ウェポンズ』父アーチャーが見た「謎のアレ」の意味を監督が語る
ワーナー・ブラザース ジャパン最後の洋画配給作品映画『WEAPONS/ウェポンズ』が日本の映画ファンの間でもブームとなっている。本国アメリカでは週末興収ランキング1位を3度獲得し、今年の成功作のひとつと讃えられる話題作だ。国内でも耳の早い洋画ファンが注目し、その要望かなって日本公開が実現した経緯がある。
舞台となるのは、静かな郊外の町メイブルック。ある水曜日の深夜2時17分。子供たち17人が、ベッドから起き、階段を下りて、自らドアを開けたあと、暗闇の中へ姿を消した……。「ネタバレ厳禁考察ミステリー」として、劇中の伏線や謎について語り合いたくなる作品だ。
その謎のひとつが、ジョシュ・ブローリンが演じた父親アーチャーが見た「夢」の正体だ。一体、彼が見たものには何の意味があったのか?監督のザック・クレッガーが私見を述べている。
この記事には、『WEAPONS/ウェポンズ』のネタバレが含まれています。
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父アーチャーは何を見たのか?
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『WEAPONS/ウェポンズ』父アーチャーが見た夢の意味
父アーチャーは、失踪した息子マシューの捜索に必死だった。消えた息子の部屋で眠り、深夜2時17分に自宅を飛び出した我が子が闇に消えてく防犯カメラ映像を繰り返し再生し、何か手掛かりはないかと探っていた。
ある深夜にアーチャーが目覚めると、ベッドに眠る自分自身を見るという奇妙な体験をする。デジタル時計が示すのは、息子が失踪した2時17分。その時、誰かが階下に降りる音がする。追うと、玄関扉が開き、森にかけていく小さな影を見る。マシューだ。あの夜の再現だ。
アーチャーが必死に追って森を抜けると、そこに現れたのは再びの我が家だ。マシューは家に駆け込んで行く。いくら呼んでも、振り向きもしない。
その時アーチャーは、自宅の上空に不思議な影を見る。それはアサルトライフルの形をしており、子どもたちが失踪した時刻「217」を不気味に示していた……。
非常に意味深なカットだが、このアサルトライフルの影が何を意味したのか、なぜアーチャーの夢に現れたのか、劇中ではっきりとした説明はない。一体、あれにはどんな意味があったのか?
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監督の見解は?-->
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ザック・クレッガー監督は米にて尋ねられるているのだが、彼の回答は「わからない」というものだ。「この映画の中で、あれは僕にとって非常に重要な瞬間。どうしてこんなに気に入っているのかというと、僕も理解していないからです」。
どうやらクレッガー自身、あの謎の影に特定の意味を込めているわけではないらしい。「何の意味があるのか、いくつか考えはあるんですけど、正しい答えは僕にもわかりません。誰もがあのシーンについて独自の解釈や関係性を持つだろうという考えが好きなんです」と、“考察系映画”としてのあり方を歓迎するクレッガー。「“どうでもいい、つまらない”という人もいるだろうし、何らかの政治的メッセージだと見る人もいるだろうし、あるいは単にカッコいいからと思う人もいるでしょう。僕はそれで構いません。僕が決めることじゃない。とにかく、そういうシーンであるというのが好きなんです」。
なおアーチャーはその後、夢の中で自宅に戻ってみると、息子マシューがベッドに横たわっている姿を確認する。アーチャーは父として息子にきちんと愛を注げなかったことを懺悔するが、マシューは無反応のままである。すると次の瞬間、息子だと思っていたその人物は、不気味な笑顔を顔に張り付かせた恐ろしい老婆グラディスとなっていた……。
劇中ではアーチャーのみでなく、担任教師ジャスティン・ギャンディも悪夢の中でグラディスに遭遇する。また、マーカス校長もグラディスの突然の訪問を受けた際「どこかでお会いしましたか?」と戸惑っていたことから、彼もまた悪夢の中で先に彼女を見ていたのかもしれない。
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この恐怖の黒魔術師がなぜ彼らの夢に現れたのか、その道理については劇中でもやはり説明されない。クレッガーに言わせれば、その解釈もまた、観客一人一人の考察に委ねたいということなのだろう。
『WEAPONS/ウェポンズ』は公開中。
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