利用者層の拡大に危機感 フードバンクはだの
本当に困っている人に食料を届けようと、南相馬子ども保養プロジェクトの運営で2020年8月から始まったフードバンクはだの。度重なる物価上昇などの状況に、発起人である福嶋秀樹さんは危機感を抱いている。
自身が経営する松屋不動産の物件に住む学生が、食べるに困るのを見たのがきっかけで始まった取り組み。当初は6〜7割が学生だったが4年間で状況は大きく変わり、利用者が増えるだけでなく今では学生から高齢者まで、各年代まんべんなく訪れている。
「背景にあるのは恐らく物価高。これまでギリギリで生活できていた世帯が耐えられなくなってきたのではないか」と福嶋さんは分析する。これまで普通に生活できていた高齢者や、20〜50代の子育て世帯が面談に来るなど利用者の変化を肌で感じており、「特にひとり親世帯が顕著に増えた」と続ける。
この状況に、来年はさらに利用者が増えるのではと危機感を抱く福嶋さん。支援者は開始当初より増え物資も現状は足りているが、「今後支援者が減らないとも限らないし、一家庭に渡す量を増やす必要があるかもしれない。今のうちに手を打たないと」と話す。
利用した学生から感謝の手紙が届くこともあり、「これを読むと必要な取り組みだと感じる」という福嶋さん。フードバンクはだのでは新たな支援者を随時募集している。
物資の支援に関する問い合わせは福嶋さん【携帯電話】090・2470・8542または味乃大久保【電話】0463・75・2522へ。