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五穀豊穣、子どもの健やかな成長…新たな年に願い込め 鵜住居地区でみずき団子作り

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 釜石市鵜住居町の鵜住居公民館(松下隆一館長)で12日、小正月の風習「みずき団子」を次世代に伝える行事が行われた。「お~い!むかしっ子教室」と銘打った郷土風習伝承事業として同館が企画。地域の高齢者が小学生に団子作りを教え、ミズキ(水木)に飾り付けた。参加者は「良い年に…」と願いを込めながら世代間交流を楽しんだ。

 昨年に続いての開催で、鵜住居学童育成クラブの小学1~3年生18人と地域住民13人が参加した。団子作りを前に同館職員の植田優子さんがみずき団子について説明。五穀豊穣を祈る小正月の伝統行事で、ミズキが用いられるのは木の特徴にちなんだ3つの願いが込められているからだと伝えた。▽水辺に生え、水をよく吸い上げる=「火事にならないように」▽芽が上を向いている=「運が上を向くように」▽育ちが早い=「子どもが早く育つように」―。四色の団子は四季を表しているという。

地域の高齢者に教わりながら鵜住居小の子どもたちが団子作り


「どんな形にしようかな?」出来上がりを想像しながら手を動かす


 説明を聞いた参加者は4グループに分かれて団子作りを開始。団子の粉におからを混ぜて練り上げ、食紅で色づけ。小さくちぎって、丸形や好きな形に仕上げた。団子は、同館が開く「男の手料理教室」のメンバー7人がゆで上げ、子どもたちが2本のミズキに飾り付けた。

 団子がゆで上がるまでの間、参加者は市内で方言による民話の伝承活動を行う「漁火の会」の昔話を聞いた。会員3人が地元に伝わる民話などを披露。遠野物語に収録される同市橋野地区の14話から「一の権現大杉とせの木」も語った。正月のわらべ歌や岩手弁の方言カルタも楽しんだ。

男の手料理教室のメンバーが団子をゆでる。おみやげ用のおから団子も作った


「漁火の会」による民話披露。橋野町太田林に伝わる話も紹介


4色の団子をミズキに飾る。「今年1年良いことがありますように…」


 澤本芽依さん(鵜住居小1年)は初めてのみずき団子作り。「丸めたり、いろいろな形にするのが楽しかった。来年も来たい」とにっこり。小笠原皐太君(同2年)は2回目の参加。「教えてもらったので、とても丁寧にできた。出来栄えは100点。昔はこんなのをやっていたんだと勉強になった」と喜んだ。

 鵜住居町の駒林ユウ子さん(74)はみずき団子について「うちでは小正月には必ず作る。団子は亡くなった夫に供え、県外にいる娘にも送る。古里の味を覚えているようで」と、子どものころからの風習を今に受け継ぐ。浜育ちで、「昔はスルメを吊るしたり豪華だった。今はあまりやらなくなったもんねぇ。今日聞いた正月のわらべ歌も母が歌ってくれていた記憶がある」と懐かしんだ。

 子どもたちは教えてもらったお礼に、みんなで手作りした今年のえと「辰」の飾りを参加住民にプレゼント。地域の風習、地域の人を知る交流を通して、冬休みの楽しい思い出を胸に刻んだ。

みずき団子作りで交流を深めた参加者

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