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英国アカデミー賞から辿る名作ドラマ...ジェームズ・ボンドの若き頃や『ブレイキング・バッド』など6選

海外ドラマNAVI

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1955年スタートと60年以上の歴史を誇る英国アカデミー賞(BAFTA賞)は、数々の秀作を表彰してきた。受賞作の中には、時代を超えて愛される名作が揃う。同賞TV部門の受賞作品から英誌Spectatorが厳選した名作ドラマ6本をご紹介したい。

『This Country(原題)』


若者をターゲットとする英BBC Threeで2017年から今年の3月まで配信されたシチュエーション・コメディ。真面目なドキュメンタリー風の体裁を装った、いわゆる「モキュメンタリー」(疑似ドキュメンタリー)の形で進行する。まずイギリスの田舎に住む若者たちの間で自己肯定感が低くなっているという調査結果を提示し、その実態を調査するため、BBCの取材班がある小さな村に半年ほど密着する内容だ。

ガイド役となるのは、村に住むティーンエイジャーであり、いとこ同士のケリーとカータン。彼ら二人への取材を通じて、退屈な村で起きる小さな事件と微妙なご近所関係が明らかになる。地域の一大イベントである(けれども、それにしては地味な)カカシ祭りや、最近刑務所から出所したというケリーたちの叔父との交流などを題材に、淡々とした独特のテンポで田舎暮らしのひとコマを切り取る。派手さはないが、イギリスらしく非常にシニカルで良質なコメディ番組だ。

ケリーとカータンを演じるのはデイジー・メイ・クーパーとチャーリー・クーパーというきょうだい。主演に加えて、企画・脚本も担当する。2018年、コメディ部門の作品賞と女優賞を受賞。翌2019年にも女優賞にノミネートされた。


『Three Girls(原題)』


続いてはシリアスな事件を扱うリミテッドシリーズ。英マンチェスター近郊にあるロッチデールの街で2000年代後半に実際に起きた連続少女暴行事件をもとに、ドラマとしての脚色を加えた内容。少女たちが拉致されて何人もの男たちから性的暴行を受けたというショッキングな事件だ。実際の事件では被害者の証言の信憑性が疑われたり、加害者をめぐる人種問題もあって警察の対応が遅れている間に次々と事件は起き、47人もの少女が被害に遭ったことが確認され、9人の男たちが逮捕された。2017年5月、BBC Oneで全3話が集中放送された。

劇中では、この街に新しく越してきた14歳の少女ホリーが友達を探していたところ、恐ろしい集団に目をつけられてしまう。ほかにも二人の少女が性犯罪の犠牲となり、捜査を担当した女性巡査は全力で事件の解決に当たる。しかし検察が少女たちの証言を信頼できないものとして退けたため、捜査は振り出しに。英国を騒然とさせたこのスキャンダルを取り上げ、被害少女たちが絶望の底から正義を手にするまでの模様を克明に描く。

2018年にミニシリーズ部門の作品賞と主演女優賞を受賞し、助演女優賞にもノミネートされた。


『時空刑事1973 ライフ・オン・マーズ』


フィクションの刑事ドラマにも良作が眠っている。2006年から2007年にかけてBBC Oneで放送された本作は、刑事がタイムスリップするという珍しいシチュエーションで人気になった。

現代のマンチェスター警察で警部として勤務するサムだったが、捜査中に不幸にも交通事故に遭ってしまう。一命を取り留めて意識を取り戻すと、なんと彼がいたのは1973年の世界。事故の衝撃でタイムスリップしてしまっていたのだ。サムの敏腕ぶりは時代が変わっても衰えることなく、配属された犯罪捜査部で大活躍。むしろ当時には存在しなかった捜査知識を持ち合わせていることから、ほかの刑事たちを驚かせる快進撃を続ける。

2007年に作品賞ほか8部門でノミネートされ、観客賞を獲得。翌年も作品賞など複数の部門で候補になった。Huluで配信中。


『Our Friends in the North(原題)』


20世紀最良の英国ドラマの一つとも称される、名作中の名作。もともとシェイクスピア喜劇として上映されている作品が、時代設定を変えたTVドラマとしてリメイクされた。1996年に、教育チャンネルであるBBC2(現在のBBC Two)で全9話が放送された。

キャストが豪華で、『007』シリーズのダニエル・クレイグ、『ドクター・フー』のクリストファー・エクルストン、『キングスマン』シリーズのマーク・ストロング、『ボルジア家 愛と欲望の教皇一族』のジーナ・マッキーなど、のちに英国を代表する俳優たちが若かりし頃に共演しているのもポイントだ。

物語の主役となるのは、ニッキーら男3人と女1人のグループ。穏やかに暮らしていた1960年代から激動の1990年代までの9つの時代を通じて、彼らの暮らしと人間関係がどのような変化を辿ったかを描く。押し寄せる機械化の波や各時代を象徴する大きなイベントを乗り越え、時代に揉まれる4人の人生を切り取る。学生から政治団体でのPR職を経てフォト・ジャーナリストへと成長するニッキーなど、各々のストーリーに躊躇なく政治色を持たせている点が特徴的だ。

1997年、作品賞と女優賞を受賞。男優賞でのダブルノミネートのほか、撮影賞や衣装デザイン、音響などでも候補になった。


『ピープ・ショー ボクたち妄想族』


英国コメディの傑作。英Channel 4で2003年から2015年までに9シーズンが放送された。最初はコメディ好きの間でニッチな支持を得ていたものの、2008年頃に人気が爆発。今ではイギリスでは誰でも一度は観たことがあるほど知名度の高い作品となっている。

物語の主役は、ロンドン南部の街に住む20代のマークとジェレミー。恋人にフラれたジェレミーは同棲先を追い出され、行くあてもなく途方に暮れる。そこで思い出したのが、学生時代によく顔を合わせていたマークの存在。別段親しかったわけではないものの、背に腹は変えられぬとばかりにマークの家に転がり込み、ルームシェアをスタートさせる。特に共通点もない二人だが、グータラな性格で退屈極まりない生活を送っているところだけはそっくりな二人。冴えない青年たちの道のりは長そうだ。

2008年に作品賞、翌2009年にコメディ・パフォーマンス賞が贈られた。日本でもシーズン1~8がNetflixで配信中。


『ブレイキング・バッド』


ここまでは現地で絶大な支持を得ている英国作品を取り上げてきたが、最後は日本にも多くのファンがいる『ブレイキング・バッド』で締めたい。2008年から2013年にかけて全5シーズンが米AMCで放送された。

平凡な日常を送っていた化学教師のウォルターに、ある日突然ガンの宣告が。ショックを受けたウォルターは、振り返れば家族に遺してやれるものなど何も持っていないという事実に気づく。せめてもの遺産をこしらえようと、彼が手を染めたのは麻薬の精製。職業柄得た化学知識をフルに生かし、彼のトレーラーハウスは精製工場へと早変わり。あれよあれよという間に本格的な設備へと発展させ、次第にギャングと対等に渡り合うように。スピード出世とブラックジョークで魅せる珠玉のシリーズだ。

2014年、最優秀国際作品賞を贈られた。こちらもNetflixで配信中。2019年にはNetflixオリジナルの続編映画『エルカミーノ:ブレイキング・バッド THE MOVIE』が登場している。

以上、主にイギリス作品を軸に、英国アカデミー賞受賞歴を持つ名作シリーズ6選をお伝えした。日本未上陸作品も含まれているが、公開される機会があればぜひチェックしてほしい。(海外ドラマNAVI)

Photo:

『ブレイキング・バッド』
© 2008-2013 Sony Pictures Television Inc. All Rights Reserved.

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