【調査】「大型犬との暮らし」のリアルを飼い主さんに聞いてみた!獣医師の解説も
大型犬との生活に憧れを抱いている人もいるかと思いますが、実際に飼っている飼い主さんはどのように感じているのでしょうか。今回は、「大型犬との暮らし」のリアルについてアンケート調査するとともに、いぬのきもち獣医師相談室の山口みき先生に、大型犬を飼ううえで必要な心構えなどを伺いました。
大型犬を飼ったことはある?
今回いぬのきもちWEB MAGAZINEで、「今、もしくはこれまでに大型犬を飼ったことはありますか?」というアンケートを実施したところ、約3割の飼い主さんが「はい」と回答しました。
どのような大型犬を飼っている?
また、どのような大型犬を飼っている、もしくは飼っていたかを聞いてみたところ、以下のような結果が集まりました。
「その他」…27%
「ラブラドール・レトリーバー」…20%
「ゴールデン・レトリーバー」…18%
「秋田犬」…10%
「ジャーマン・シェパード・ドッグ」…4%
「バーニーズ・マウンテン・ドッグ」…4%
「ビアデッド・コリー」…2%
「イングリッシュ・セター」…2%
「ボクサー」…2%
「アラスカン・マラミュート」…2%
「チャウ・チャウ」…2%
「アフガン・ハウンド」…2%
「ドーベルマン」…2%
「サモエド」…2%
【体験談】大型犬を飼って驚いたこと、大変だったことは?
大型犬を飼っている飼い主さんに、「大型犬を飼って驚いたこと、大変だったこと」について聞いてみたところ、以下のような声が寄せられました。犬種ごとにご紹介します。
「ラブラドール・レトリーバー」飼育経験者の声
「あまりのやんちゃぶりにビックリした。子どもたちの服の袖はいつもボロボロで家中の家具をかじっていた」
「散歩で止まってしまうと、重くて動かすことができなかった」
「お散歩に行くと、引っ張られてしまうので、何度も転んだことがあります」
「ゴールデン・レトリーバー」飼育経験者の声
「雷に尋常じゃないくらい怯えて、おちつきなくあばれてしまうから、なりやむまで大丈夫だよって、かかえてなでていました」
「破壊活動の激しさ。大型犬用鹿角が1時間後には真っ二つになっていた」
「しつけ。リードを引っ張る、飛びつくなど」
「秋田犬」飼育経験者の声
「あまり感じたことはないが、強いていえば朝晩の散歩……距離も歩くので時間もかかる」
「散歩中に帰宅拒否されたとき。ピクリとも動かない」
「そのほかの犬種」飼育経験者の声
「(ジャーマン・シェパード・ドッグ)散歩の途中で具合が悪くなったときに、抱っこして歩けなかった」
「(バーニーズ・マウンテン・ドッグ)犬OKの場所でも、隣の席との間隔や、小型犬・大型犬でのエリア分けがされているかなど、体格差も含めて気にすることが多いと感じる」
「(ビアデッド・コリー)子犬のときしつける前の暴れん坊ぶりはノイローゼになるぐらいすごい。甘噛みや破壊行動。何度クッション、座布団買い替えたか」
「(イングリッシュ・セター)とにかく食事量と散歩の長さですね」
「(ボクサー)子どものころなので、散歩がひとりで出来なかった」
「(アラスカン・マラミュート)散歩が大変」
「(チャウ・チャウ)うれしいとき、飛び付いて来るけど、自分より大きくて、いつも倒されていました」
「(アフガン・ハウンド)もう30年も前のことですが実家で飼っていたアフガンはとにかく毛のお手入れが大変でした。そして病院に連れていくのも、病院代もなかなかのものだったと思います」
「(ドーベルマン)迫力がありました!」
「シベリアンハスキーを飼っていましたが、とにかく力が強かったです。父親が強く引っ張られて転倒し、鎖骨を骨折していました」
「ゴールデンドゥードル。飼い主にすぐ青あざが出来る(笑)」
【体験談】大型犬を飼ってうれしかったことは?
さらに、大型犬を飼ってうれしかったことについても聞いてみたところ、以下のような声が寄せられました。
「ラブラドール・レトリーバー」飼育経験者の声
「犬の背中を枕にしても、平然と寝ているところが大物でかわいかったです。いつも穏やかでやさしいワンコでした」
「大型犬でも甘えん坊でやんちゃですが、とても癒されます」
「やっぱり存在感!体も心も大きい彼らは家族の心身を支えてくれます」
「ゴールデン・レトリーバー」飼育経験者の声
「行動が人の子どものようでとてもかわいい。前足を肩に掛けて来て甘えてくれるので愛おしいです」
「大型犬なのに甘えん坊でかわいかった。飼い主思いの犬でした」
「とてもおおらかで細かいことは気にしない優しい性格。いつも側にいてくれる」
「秋田犬」飼育経験者の声
「いつも横にいてくれる」
「パピーの時期が無茶苦茶かわいい。パートナーとして接していて、楽しい」
「そのほかの犬種」飼育経験者の声
「(ジャーマン・シェパード・ドッグ)とにかく、かわいい、賢い」
「(バーニーズ・マウンテン・ドッグ)表情豊かで、一緒に過ごすことがとにかく楽しい」
「(ビアデッド・コリー)2才過ぎてからギュ~っと抱きしめても逃げなくなって、その抱き心地はとても癒されます。誰にでもフレンドリーです。小さいワンちゃんでも人でも」
「(イングリッシュ・セター)あの大きなもふもふで甘えてこられると癒されます」
「(ボクサー)顔の表情が豊かでわかりやすく、今の気持ちが分かったような気がしてうれしかった」
「(アフガン・ハウンド)大型犬は人と関わっているような安心感や存在感がありました。特にアフガンは優雅に歩くのでお散歩のときは視線を集めていました」
「(ドーベルマン)夜道を安全に歩けること!」
「(シベリアンハスキー)見た目は大きくて怖い感じですが、優しく、余裕のある佇まいがカッコいい。包容力を感じる」
「(ゴールデンドゥードル)ハグのとき。本当に幸せ」
【獣医師解説】大型犬を飼ううえで必要な心構えとは
最後に、大型犬を飼ううえで必要な心構えなどについて、いぬのきもち獣医師相談室の山口みき先生に聞きました。
――大型犬を飼ううえで、飼い主さんが知っておかなければいけないことや、必要な心構えについて教えてください。
山口先生:
「大型犬を飼うには、
フード、トイレなどの生活必需品、予防薬、治療費など、すべてにおける飼育コストが高い
ケージを設置する場所や軽く運動できる場所など、室内の広いスペースが必要となる
運動要求量が高く、運動させる時間や遊んであげる体力が必要となる
飼育者全員がしっかりとしつけをする必要がある
体調不良などで立てない場合は、抱えて受診するための人手や足が必要となる
介護が必要になった際の対応が小型犬に比べて労力がかかる
愛犬の介護が必要となる年齢までお世話がしっかりできる環境、体力、人手が確保できるのか
といった苦労があることや心構えが必要なことを、頭に入れておきましょう」
――実際に大型犬を飼う場合、事前にしておくべき準備や用意について教えてください。
山口先生:
「基本的な飼育準備をしておくほか、グッズは成犬時にも使えるようにサイズが変えられるものを選ぶようにしましょう。大型犬は瞬く間に大きくなるので、飼育スペースの確保を必ずしておき、柔軟に対応できるようにもしておいてください。
また、大型犬はしつけも重要なので、事前に飼育本を読んで家族全員に知識を共有しておきましょう。大型犬は体力もあり攻撃力も非常に高いため、しつけ教室の利用も推奨します。そのほか、近隣の動物病院情報やパピーパーティーの情報を得ること、誤食防止に家の片づけをしておくことが必要です」
大型犬との暮らしは、楽しさや癒しがある一方で、体力的・経済的に大変なことも少なくありません。大型犬を飼いたいと考えている人は、大変な面があることもしっかり理解したうえで、お迎えを検討してくださいね。
(監修:いぬのきもち獣医師相談室 獣医師・山口みき先生)
取材・文/宮下早希
※アンケートコメントは飼い主さんがご自身の体験を回答したものです。
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。
※記事の内容は2025年7月時点の情報です。