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お散歩中も要注意! 花粉に気を付けたい気象条件は?【気象予報士・片山美紀の散歩術】

さんたつ

寒い冬を耐え忍び、待ちに待った春がやってきました。ポカポカとしたひだまりの中、気持ちよくお散歩を楽しみたい季節です。しかし、鼻がムズムズ、目がショボショボ……。花粉との闘いが心配という人も多いのではないでしょうか? 特に花粉に注意が必要な気象条件や適切な対策を知って、春のお散歩を楽しみましょう。

花粉シーズン到来 いつまで続く?

東京都は2月9日にスギ花粉の飛散が始まったと発表しました。飛散の開始は過去10年の平均と比べると6日早いということです。暖冬の影響もあり、先月は気温の高い日が多かったため、スギの開花も早く例年より早めに花粉が飛び始めたのではないかといわれています。

関東では2月に入るとスギ花粉が飛び始め、3月半ばにはヒノキ花粉も飛び出し、どちらも5月の大型連休頃まで飛散が続くといわれています。

くしゃみが止まらない花粉の季節が到来。出典:写真AC

覚えておこう!花粉が飛びやすい気象条件とは?

大型連休まで花粉シーズンが続くといっても、せっかくの春です。気持ちよくお散歩に出かけたいですよね。特に花粉の飛びやすい日を知っておくと、事前に対策を取りやすくなります。

花粉の飛びやすい気象条件とは、次の3つです。「雨上がりによく晴れること」、「気温が上昇して暖かくなること」、「風が強く吹くこと」です。

花粉が飛びやすい日。出典:ウェザーマップ

春になると、日本付近を雨を降らせる低気圧がたびたび通過するようになり、数日ごとに天気が変わることが多くなります。低気圧が接近すると、風も強まりやすく、嵐になることもあります。お散歩に出かける日は、前の日に天気予報を確認しておいて、花粉症対策の薬を飲むなどできる限りの備えをしておきましょう。

また、1日の中で花粉の飛びやすい時間帯も覚えておくと、お散歩の計画を立てるのに役立ちそうです。花粉の飛散ピークは1日に2回、お昼前後と日没後にあります。

一度目は、気温が上がって午前中にスギ林から飛び出した花粉が都市部に到達するためで、二度目は上空に舞い上がった花粉が、日が暮れてから地上に落下してくるためと考えられています。なるべくこの時間帯を避けて出かけると少しは症状を緩和できるかもしれません。

お散歩に必須のアイテムとは?避けた方がいい服って?

花粉シーズンのお散歩は、洋服選びにも注意する必要があります。洋服を選ぶ時のポイントは、素材に注目することです。

ウールは木綿や化学繊維に比べて花粉が付着しやすく、お散歩中に付いた大量の花粉を家に持ち込んでしまうことになります。お散歩に出かける時は、なるべくウール素材の洋服は避けるようにしましょう。

ウール素材は花粉が付着しやすい。 ※花粉症環境保健マニュアル2022

このほか、おすすめしたいアイテムは、マスクはもちろん、帽子、手袋、メガネです。私たちの身体で花粉が付きやすいのは、頭、顔、手といった露出している部分ですが、帽子(つばが広いとさらに有効)や手袋で覆うことで花粉の付着量を減らせます。(帰宅したらそのままにせず、しっかり洗濯しておくことも大事です。)

花粉対策に帽子やメガネも 
マスクやメガネの花粉対策効果。 ※花粉症環境保健マニュアル2022

メガネを使うことも有効です。雑貨屋やドラッグストアなどでも花粉症対策用のメガネが売り出されていますよね。環境省によると、普通のメガネでも、メガネを使用しない場合に比べて、目に入る花粉の量は約40パーセント減少し、防御用カバーの付いた花粉症対策用のメガネでは約65パーセントも減少するそうです。

普段はコンタクトレンズを使用している人も多いと思いますが、コンタクトレンズによる刺激がアレルギー性結膜炎の症状を悪化させる可能性があるため、花粉の季節はなるべくメガネに変えたほうがよさそうです。

このほか、ペットと一緒に散歩する時は、ペットの毛に付いた花粉もよく払ってあげてください。花粉症の人にとっては憂鬱な季節ですが、万全な対策をして春のお散歩を満喫したいですね。

文=片山美紀 写真=片山美紀・ウェザーマップ・環境省・写真AC

参考
花粉症環境保健マニュアル2022
2022_full.pdf (env.go.jp)

片山美紀
気象予報士
大阪府出身。大学卒業後、放送局での勤務を経て気象予報士、気象キャスターに。街歩きをしながらお天気ネタを探すのが趣味。空を眺めようと上を向きがちです。NHK総合「首都圏ネットワーク」などに出演中。

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