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『犬にかかる費用』とは?節約しすぎてはいけない出費や必要なお金の内訳まで

わんちゃんホンポ

飼う前に知っておきたい「犬にかかる費用」とは

犬を家族に迎えるということは、その子の生涯にわたる責任を負うということです。一般的に犬の寿命は15年前後と言われており、その間に必要となる費用の総額は、小型犬でも数百万円にのぼります。

体の大きな大型犬になれば、食事代や医療費も比例して高くなるため、さらに多くの予算が必要です。お金の使い道は、迎える時に一度だけかかる「初期費用」と、毎月・毎年積み重なっていく「維持費」の2種類に分けられます。

これらをあらかじめ把握しておくことで、将来「こんなにお金がかかるなんて思わなかった」と慌てることなく、心に余裕を持って愛犬との生活を楽しむことができます。

最初に準備する「初期費用」の内訳

畜犬登録や狂犬病の予防接種

犬を飼い始めたら、住んでいる市区町村に犬の登録(畜犬登録)を行うことが法律で義務付けられています。これを行うと「鑑札」が交付され、迷子になった際の身元確認にも役立ちます。

また、狂犬病の予防接種も年に一度必ず受けさせなければなりません。これらは社会全体の安全を守るための大切なルールです。登録料や注射代、そして注射済票の交付手数料など、最初に数千円から1万円程度の公的な費用がかかることを覚えておきましょう。

ケージ、食器、首輪、リードなどの生活用品

愛犬が安心して過ごせる「居場所」を作るための準備が必要です。寝床となるケージやサークル、毎日の食事に使う食器、お散歩に欠かせない首輪やリードなどは、家に迎える当日までに揃えておきましょう。

これらは安価なものから高価なものまで様々ですが、安さだけで選ぶのは危険です。犬の力で壊れないか、誤飲するような小さなパーツがついていないかなど、安全性を最優先に選ぶことが、結果として長く使えて買い替えの無駄を防ぐことにつながります。

混合ワクチンや健康診断の費用

法律で決まっている狂犬病予防以外にも、感染症から愛犬を守るための「混合ワクチン」の接種が推奨されます。特に子犬の頃は、免疫をつけるために数回に分けて打つ必要があります。

また、迎えた直後に動物病院で健康診断を受けることも重要です。見た目では元気そうに見えても、お腹に虫がいたり、目に見えない不調が隠れていたりすることがあるからです。

初期の医療費として数万円程度の予算を見ておくと、もしもの時にもスムーズに対応できます。

毎月・毎年かかる「維持費」の目安

生活が始まると、毎月のドッグフード代やトイレシートなどの消耗品代が必ず発生します。また、春から秋にかけてはフィラリア症やノミ・ダニを予防するための薬代が毎月かかります。

これらは病気を未然に防ぐための必要経費です。さらに、トイプードルのような毛が伸び続ける犬種の場合は、1〜2ヶ月に一度のトリミング代も予算に入れておかなければなりません。

これらの維持費は、一度きりの支払いではなく「愛犬が生きている限りずっと続くもの」として、家計の中にしっかりと組み込んでおく必要があります。

節約してはいけない「3つの出費」

質の良い食事

食事は犬の体を作る基礎となります。あまりに安価なフードは、本来の栄養バランスが損なわれていたり、添加物が多く含まれていたりすることがあります。

質の悪い食事を続けていると、毛並みが悪くなるだけでなく、皮膚トラブルや内臓の病気を引き起こすリスクが高まります。

病気になってから通院や手術で大きなお金を払うよりも、日々の食事に投資して健康な体を維持する方が、愛犬の幸せにとっても飼い主の財布にとっても賢い選択と言えるでしょう。

予防医療と定期健診

「元気そうだから病院には行かなくていい」と考えるのは禁物です。犬は言葉を話せないため、痛みや体調不良を隠す習性があります。

狂犬病やワクチンの接種、フィラリア予防などを怠ると、命に関わる重篤な事態を招きかねません。年に一度の定期健診を受けることで、病気を早期発見できれば、治療費を最小限に抑え、完治する可能性も高まります。

予防医療をケチることは、後に多額の治療費を払うリスクを抱えることと同じなのです。

冷暖房費(光熱費)

日本の夏は非常に高温多湿で、毛皮を着ている犬にとっては過酷な環境です。特に室内で留守番をさせる際、電気代を節約するためにエアコンを消してしまうと、熱中症で命を落とす危険が非常に高いです。

冬場も同様に、寒さに弱い犬種には暖房が必要です。光熱費を惜しんで愛犬を病気にさせてしまっては本末転倒です。犬が快適に過ごせる室温(20〜25度程度)を保つためのコストは、犬を飼う上での「最低限の生活費」として割り切る必要があります。

もしもの時の備えはどうする?

犬には人間のような公的な健康保険がありません。そのため、動物病院での治療費は全額自己負担となり、一度の手術や入院で数十万円かかることも珍しくありません。

この「予期せぬ大きな出費」に備える方法は主に2つあります。1つは、民間の「ペット保険」に加入して月々の保険料を支払う方法。もう1つは、専用の貯金口座を作って毎月一定額を積み立てる方法です。

どちらが正解ということはありませんが、万が一の時に「お金がないから治療を諦める」という悲しい事態だけは避けなければなりません。

まとめ

犬を飼うには、想像以上にお金がかかります。しかし、その内訳を知り、計画を立てることで不安は解消できます。

何でも節約するのではなく、食事や医療など「健康を守るための出費」はしっかり確保しましょう。お金をかけるべきところを正しく見極めることが、愛犬との長く幸せな暮らしを続けるための、飼い主としての第一歩です。


(獣医師監修:寺脇寛子)

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