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この道20年以上の職人が焼く、端正な正統派ナポリピッツァ【福岡市白金】

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グランデメイン

「ナポリピッツァ」は、今や日本でも気軽に食べられるイタリア料理のひとつ。しかし、本場のイタリアやEU諸国ではその材料や製法が厳密に決められており、その定義を満たす店だけが“Pizza Napoletana”(ピッツァ・ナポレターナ)を名乗ることが認められています。日本では特に決まりはありませんが、本場と同じ材料と製法で作っている店が、白金にある「ピッツェリア・グランデ」です。

オーナーシェフ・古井大さんは、東京・白金にあるナポリピッツァの名店で修業し、この道20年以上になるピッツァ職人。6年前に福岡・白金で独立開業し、イタリアから船便で運ばれた薪窯を使って本格的なナポリピッツァを提供しています。

定番のナポリピッツァはトマトソースとチーズベースを中心に、包み焼きや珍しいイカ墨ソースなど約20種類のラインアップ。モッツァレラチーズの増量や、生ハム、アンチョビなどの追加トッピング(100円〜)もできます。今回はトマトソースとチーズベースから、それぞれ代表的な2種類を注文しました。

ピッツァはオーダーが入ってから生地を手で伸ばし、具材を乗せて薪窯に投入。ナラ材の薪で熱せられた窯内の温度はナポリで定められた450℃以上をキープしています。パーラと呼ばれる長いヘラを巧みに動かしながら焼くこと約1分強。窯から取り出されたピッツァは、なんとも美しい円形に! この端正な形を見ただけでも職人としての高い技術が分かります。

まず1枚目はトマトソースを使ったピッツァの基本である「マルゲリータ」(1450円)。うどんでいえば、いわば「かけうどん」のようなもので、これを食べれば店の実力がわかるというものです。
小麦、イースト、塩、モッツァレラチーズなどの材料はすべてイタリアから取り寄せたもので、見た目だけでなく、味も本場そのもの。生地の焦げ具合、チーズの溶け具合といった焼き加減も絶妙で、ペロリと平らげてしまいました。

4種類のチーズを乗せてシンプルに焼いた「クアトロフォルマッジ」(2100円)は、別添えのピッチャーに入ったハチミツと一緒に提供されます。筆者はこのチーズとハチミツの組み合わせが大好きで、イタリアワインならネッビオーロ種を使った赤ワインのバローロやバルバレスコとの相性が抜群です。モッツァレラ、ゴルゴンゾーラ、リコッタ、グラナパダーノの4種類のチーズが溶け合った濃厚な味わいに、ついついワインが進んでしまいます。

週に何度か糸島の産直市場に足を運んで買いつける新鮮な野菜は、「バーニャカウダ」(950円)で食べるのがオススメです。ニンニクとアンチョビを使った香ばしいペーストを卓上で温め、シャキシャキ、コリコリとした食感の野菜に浸けて食べれば、糸島野菜本来の味がより引き立ちます。

さらにソムリエの資格を持つ古井さんがセレクトしたワインも見逃せません。「シャンパーニュ以外は、すべてイタリアワインです」というワインのストックは、セラーに常時50〜60種類。ピッツァの種類や料理に合わせて、ピッタリなワインをすすめてくれます。

オープンキッチンに大きな薪窯を設えた1階はカウンター席のみですが、2階にはテーブル席と小上がりが用意されています。1人客からグループ、家族連れまで、いろいろなシーンで使える、街のピッツェリアです。

《Pizzeria Grande / ピッツェリア・グランデ》
福岡市中央区白金1-6-7
092-531-6070

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