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【民明書房かよ】東京都中央区「八重洲」の由来を調べたら、『魁! 男塾』っぽくてビックリ!

ロケットニュース24

週刊少年ジャンプで「魁!! 男塾」が連載していた当時、私(佐藤)は小学6年生だった。純朴な田舎の少年だった私は何でもかんでも鵜呑みにして、男塾の内容まで半分信じていたくらいである。そう、作中の「民明書房」の記載を、割と信じていたのである。

民明書房とは架空の出版社であり、作中でこれを出典とする説明文が随所に登場していた。あたかも事実のように書いてあったから、本気にしちゃったんだよな。

そんな民明書房を彷彿(ほうふつ)とさせる、ある地名の由来を発見してしまった。その地名とは、東京都中央区の「八重洲」である。八重洲がなぜこの地名になったか、皆さんはご存知か? 由来を聞いたらきっと「民明書房かよ!」と言わずにはいられないぞ

・ご存知、呉竜府

民明書房のよく知られるエピソードのひとつに「ゴルフの起源」がある。『スポーツ起源異聞』(民明書房刊)という架空の書籍によると、ゴルフは「纏劾狙振弾(てんがいそしんだん)」という武術の創始者「呉竜府(ご・りゅうふ)」に由来するとしている。

地面に置いた鉄球を棍で打つ様が、ゴルフスイングに酷似しているのだとか。繰り返すがこれは架空の話だ。

おっと余談が長くなってしまった。お伝えしたかったのは、民明書房の話ではない!

・「八重洲」の由来になったオランダ人

本題に入ろう。呉竜府、および民明書房を思い出したのは、東京駅・八重洲地下街(ヤエチカ)を訪ねたからだ。

地下街を歩いていたところ、「東京ラーメン横丁」近くで「EDO-TOKYO・YAESU HISTORY」という展示物を発見した。その名の通りに、東京・八重洲周辺の歴史に関して紹介するコーナーだ。

こんなのあったっけな? いつの間にやら設置されていたらしい。それを見ると、江戸時代、八重洲周辺には河岸(かし)があり、その名を「八代洲河岸」(やよすかし)といったそうだ。

「やえす」ではなく「やよす」だったの? さらによく見ると、「八重洲の由来になったオランダ人」と記されているじゃないか。え!? オランダ人? どういうことなの?

記載によると、1600年(慶長5年)に現在の大分県(豊後)にオランダ船が漂着したそうだ。その航海士だったヤン・ヨーステン航海長ウイリアム・アダムスと共に徳川家康に厚遇を受けたそうだ。豊後から江戸に上る際に虎12頭を献上し、家康を喜ばせたのだとか。

後に家康はヤン・ヨーステンを外交顧問として重用し、海外との交易(朱印船貿易)にあたらせている。

それで、八重洲の地名とどう結びつくかというと、ヤン・ヨーステンの日本名は「耶楊子(やようす)」という。そして彼が与えられた現在の日比谷あたりの屋敷は、先に出た「八代洲(やよす)河岸」と呼ばれていたそうだ。

さらにこの名が明治5年(1872年)に「八重洲(やえす)」とされたのだとか。

ヤン・ヨーステン → 耶楊子(やようす) → 八代洲(やよす) → 八重洲

そうだったのかー! まさかオランダ人の名前から来ているとは全然知らなかった。その変遷はまるで民明書房に出て来そうだが、これは架空の話ではなく史実に基づいている。

ちなみにヤン・ヨーステンは後にオランダへの帰国を思い立ち、現在のジャカルタ(バタビア)に渡ったが、帰国交渉は不調に終わって日本に戻ろうとしたが、船が難破して亡くなったそうだ。

ヤン・ヨーステンの姿を今に伝える銅像がこの展示の並びにある。彼と同じオランダ人のLPJブラート氏の手掛けた銅像だ。

彼がその人、ヤン・ヨーステンである。にぎやかな地下街にあって、ひっそりと目立たない場所に置かれた記念像。

日本最大規模のオフィス街、八重洲。東京駅を有し、大手町・丸の内・銀座・有楽町などに隣接しており、日本でもっとも栄える街のひとつだ。たとえ不景気といわれても、ここのいるとそんな言葉とは無縁に感じるほど、ビルが立ち並び人々が絶え間なく行き交っている。

はたして、その人々のどれだけが八重洲の由来を知っているのだろうか? ヤン・ヨーステンなくして、八重洲は八重洲であり得なかった。八重洲地下街を訪ねる時は、ぜひ立ち寄って頂きたい。ヤン・ヨーステンはジッと見つめている

参考リンク:ヤエチカ
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
Screenshot:ヤエチカフロアマップ(PDF)

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